事業貢献の大きい専門性を持った「突出人材」を適正評価する人事制度構築の実現へ
クライアント業種
メディア向け機器・ソフトウェア開発
従業員数
約150名
支援内容:「突出人材」の評価と処遇制度を実現する人事制度設計
導入企業への支援概要
ベンチャーとしてスタート後、順調に成長し海外向けにも販売を展開し始めた企業であるが、将来に向けてより安定的な成長を図るため、組織体制と人事制度改革を検討していた。
- Point1:
会社の事業に貢献度が高い「突出人材」の処遇について適切な評価や報酬を実現できるよう、柔軟で公平性のある人事制度・評価制度を構築した。
- Point2:
人事制度改革に付随して、専門職位の設置や新たなキャリアパスの準備によって、「専門性を極めて事業に貢献する」という人材のロールモデルが生まれ、全社のモチベーションアップに寄与した。
お客様の課題
同社は高単価の電子機器とソフトウェアを特定の顧客に販売するビジネスが主体であり、何よりも製品開発による差別化を重要視している企業。
そうした事業に貢献していたのが、卓越した技術で成果を生み出す技術者たちでしたが、マネジメントやコミュニケーションが苦手な彼らは、社内ではやや浮いているアウトスタンディングな存在でした。評価においても社内基準とプロセスで評価すると、平均点では下位となってしまう状態で、貢献度に応じた適正な評価反映ができていないという課題がありました。
そうしたアウトスタンディングな「突出人材」を適正に評価するならば、通常の給与テーブルの設定範囲では不十分であるとの考えもあり、柔軟な評価制度に刷新する必要がありました。
コンサルティングの内容と効果
評価制度では「全員を同じルールのもとで評価する」という条件と「『突出人材』の処遇は適正かつ柔軟に評価できるようにする」という条件を同時に満たすため、会社全体の評価項目を再設計しました。
- アプローチ1:「突出人材」に『フラグ』設定し、柔軟評価を
各項目に突出した成果貢献があった場合には、特定の評価を行うための『フラグ』の設定。フラグが設定された社員は評価調整を行う人事会議において、成果貢献を参加者全員から客観的に検証され、柔軟に特別加点が付与されるようにしました。結果として、評価項目の平均点は低くても、総合評価では高い評価ポイントになる仕組みを作ることに成功しています。
- アプローチ2:専門職位を設置し、評価されるキャリアパスの構築へ
等級制度については、アウトスタンディングな「突出人材」のジョブクラスター (専門職位)を設置、マネジメント職でなくとも高位の等級まで昇格を可能としました。これにより、「専門性を極めて事業に貢献する」という人材のロールモデルが生まれ、社内におけるキャリアパスの選択肢が広がりました。
- アプローチ3:給与レンジ・賞与規定を変更、社員のモチベーションアップへ
報酬制度については、役割等級毎に給与レンジを明確に設定しました。
高い専門スキルを有していれば管理職のトップと同等か、またはそれ以上の報酬となるスキームを設計、さらに賞与も従来からの固定額の支給も改めました。また、貢献評価に応じて一部変動する要素を組み入れ、社員のモチベーション喚起と業績への関心を促すことに成功しました。
これら一連の人事制度改革により、「突出人材」を含む全社員にフェアな評価と処遇の仕組みづくりに貢献しました。
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