テレワーク環境下での若手社員のモチベーション低下や離職兆候を「パルスサーベイ」で察知、早期フォローを実現

新型コロナウイルスのパンデミックにより、急速にテレワーク導入が進んだ同社。特に若手社員の間では、自己成長や人間関係に対する不安が高まっていた。そこで、以前から継続的な取引で信頼関係のあったセレブレインに相談。「パルスサーベイ」を導入し、離職スコアの高い社員を抽出、該当者に人事がフォローアップ面談を実施する体制を構築した。

• Point1：全社導入の前に、社内の限られた範囲でトライアルをおこない、ワークロードを推測。無理のないフォロー面談のフローを運用することで若手社員の状況を的確に把握。以前は離職兆候を見逃していたような社員に対しても注意を向けられるようになった。
• Point2：フォローアップ面談が、人事と若手社員との重要な接点であり、「何かあれば人事に相談して欲しい」と伝える場となっている。パルスサーベイをきっかけにして、「個」に寄り添うオープンでフレンドリーな人事の在り方を追求していけるようになった。

日本全国に拠点が点在している同社では、以前から本社の人事部が各拠点の社員の状況をリアルタイムに捉えることが難しく、課題を感じていました。それに加えて、コロナ禍でテレワークが基本となったことで、社員がどのように働いているのか、ますます把握しにくくなっていたのです。特に若手社員を中心に自己成長や人間関係に対する不安が高まっていると、現場のマネジメント層からも声が上がっていました。この状況を放置してしまうと、モチベーションの低下、さらには離職につながる危険があります。そこで、若手社員の状況をタイムリーに把握しフォローアップを行い、モチベーションの維持やリテンションにつなげる施策が必要とされていました。

社員の状態をリアルタイムに把握すべく、若手社員を対象に「パルスサーベイ」を導入。その回答結果を分析してフォローが必要な社員を抽出し、人事が面談を実施する仕組みを構築しました。まずはトライアルとして一部の部門からスタートし、全社で実施する際のワークロードを算出。十分に実施ができる体制作りをおこなったうえで、全社に展開しました。これにより、従来であれば見逃していたはずの社員の変化にも注意を向け、早い段階で対策を打つことができました。そして、対象者に面談などコンタクトを取ることにより、人事部が各拠点の若手社員と継続的につながりを持つきっかけとなりました。

● アプローチ1：無理のない仕組みを設計すべく、本格導入前にワークロードを試算

パルスサーベイは、継続的に実施し、回答結果を踏まえてフォロー面談等のアクションを行う必要があるため、運用に無理のない仕組みを設計することが重要です。そこで、はじめから全社に導入せず、まずはトライアルを提案しました。限られた部門で実施した結果を踏まえて、フォローアップが必要な社員の割合を確認と範囲を拡大した場合のワークロードを算出し、該当社員にタイムリーなフォローをおこなえる体制づくりをしたうえで、全社導入に踏み切りました。その結果、フォローに手が回らないということはなく、適切なタイミングで面談を実施できました。

● アプローチ2：パルスサーベイの実施、回答結果の分析、フォローアップのサイクルを整備

従業員満足度調査が組織全体の傾向分析や改善を目的とするのに対して、パルスサーベイは個人にフォーカスし、必要な人材へのフォローアップを目的とします。同社では、若手社員を対象に、2週間に1回の頻度で、回答時間目安1分以内のサーベイを実施。回答結果に基づき算出した「結果スコア」と「人材タイプ」でフォロー候補者をリストアップし、人事が面談をおこなうというサイクルを整備しました。また、部門による傾向の差も可視化し、モチベーションの低下が目立つ部門には個別で対策を検討しています。

● アプローチ3：若手社員が気軽に相談できる、オープンな人事へ

結果スコアに基づいて対象者を継続的にフォローアップすることはもちろん、無回答が続く社員にもコンタクトし、若手社員の離職兆候を早めに察知してリテンションにつなげています。誰にも相談せずに突然離職してしまうという事態を防ぐためにも「悩みを抱え込まず、人事に話して欲しい」というメッセージを伝え続けることも重要です。実際に同社では、若手社員から人事に相談が寄せられることが増えています。パルスサーベイが本社と若手社員との関係性をつくる大きなきっかけとなりました。