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部下の成長を支援!人間関係の基本となる承認力とは? 〜サーバント・リーダーシップを発揮する〜

部下の成長を支援!人間関係の基本となる承認力とは? 〜サーバント・リーダーシップを発揮する〜

サーバント・リーダーシップが求められる理由 〜現在の管理職に求められる部下育成と組織力を高める方法〜にて実践に必要なパーソナルパワーについてご紹介しました。今回は部下の自主性を引き出す4つのコミュニケーション・スキルから「承認」についてお伝えいたします。

サーバント・リーダーシップを発揮するために重要な4つのコミュニケーションスキル
1. 傾聴
部下の発言を心を込めて深く聴き、共感を通じて部下の気持ちや考えを正しく理解し、信頼関係を築く力

2. 質問
部下の頭の中にあるものを整理し、気付きを与え、自発的に考えて行動を促していく力

3. 承認
部下を尊重し認め、やる気や意欲を上げて、上司としての信頼感を醸成する力

4. フィードバック
行った活動の結果を振り返り、成功や失敗から学び、改善・向上に繋げる力

承認とは?

コミュニケーションスキルにおける「承認」とは、相対する人のことを心から認めることです。英語ではacknowledgement、acknowledge(認める)の名詞形が使われます。

承認は、部下の意欲や前に進むためのエネルギーを引き出し、積極的に自らの変化を促していく重要なスキルとして位置づけられます。成果だけではなく、部下の内なる変化や成長に気づき、それを言葉で伝えることができると、部下は表面的な部分だけでなく心から認められたと感じ、より意欲的に仕事に取り組むようになります。

有名なマズローの欲求5段階説

人が自己実現するためには、自分の存在を他者から認めてもらうことが必要不可欠と言われています。アメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズローが提唱した「欲求の5段階説(自己実現理論)」で、マズローは、人間の自己実現を研究し、人が自己実現するためには5つの欲求の段階があると説きました。

1. 生理的欲求
2. 安全の欲求
3. 所属と愛の欲求
4. 承認の欲求
5. 自己実現の欲求

この中の4段階目に「承認の欲求」があります。尊厳欲求とも言われ、自分が所属している集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求です。人と人との関わり合いの中で、自分の存在を受け入れてもらえたとき、自分の存在を認めてもらえたときに、これらの欲求を満たすことができます。
人が健全な社会生活を送り、自己実現するためには、他者から承認されることが必要不可欠であるということをマズローは主張しています。

承認ができているとき/できていないとき

承認はよく褒めることと混同されることが多くありますが、褒めることは承認の一部にすぎません。最も大切なことは部下のありのままを認めてあげることです。部下の考えや価値観、努力、経験、スキルなどにスポットを当て、認めます。そのためには日頃から部下に関心を持ち、その行動をよく観察しておく必要があります。この観察がとても重要で、評価することや他者との比較をせず、ありのままを観察することが必要になります。

日頃から気にかけられていない上司から、表面的に褒められたり、感謝されても、部下はすぐに気づきます。「何もわかってないくせに、いつもこういうときだけ調子がいい」と思われ、逆の効果を生むことも多くあります。
このサーバント・リーダーシップのシリーズで常に紹介していることではありますが、部下と心から向き合うことが一番大事になります。

承認ができていると、自分を見ていてくれて、認めてくれている人がいることを通じて、部下は安心感を感じるとともに、明るく元気になります。やる気が湧き出て自発的に行動しようとするエネルギーが高まります。部下は承認を通して、自分の成長を実感して、さらなるチャレンジに向けた活動意欲が湧いてくるでしょう。

一方で、承認されていない場合、頑張ったとしても仕方ないと思うことや、上司から認められないことによる疎外感や焦燥感を感じるようになります。人によっては、自分の存在を無視されているようにも感じ、自分には価値がないと思い込んでしまうこともあります。攻撃的な態度をとったり、逆に鬱々としてしまうこともでてきます。

まとめ:承認を行うときの3つのポイント

最後に、承認を行うときの3つのポイントをご紹介します。

1. 事実を客観的に捉えて伝える
部下が変化した点や努力してきたこと、どんな行動をしたのかなど具体的なその人なりのことをとらえて事実を伝えることを心がけましょう。

2. タイムリーに実施する
日頃からよく部下を観察し、その成果や変化、良い行動を行ったときなどタイミングを見計らって、行いましょう。

3. 心を込めて自分の感情を伝える
大げさな言葉を使う必要はありません。飾らずに自分の言葉で気持ちを込めて伝えましょう。

日本人は、総じて承認は苦手と言われています。「阿吽の呼吸」や「暗黙の了解」という言葉に代表されるような「言わなくても分かっているだろう」文化が根づいていることが背景にはある気がします。

しかし、上司の承認は部下が前に進むための大きなエネルギーです。

部下を輝く人財に変えることができるのは、上司のリーダーシップにかかっています。小手先のテクニックは必要ありません。承認を通じて、部下の内なるやる気を大きく引き出すことで、部下は想像以上に大きく成長をしていきます。

続き:効果的なフィードバックで部下の成長を促進させる 〜サーバント・リーダーシップを発揮する〜


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