ワインの豆知識 2018年2月26日 赤坂のソムリエに訊く!今更聞けないワインの基本、ブドウの品種ってなに?【赤ワイン編】 前回ご紹介したワインの種類に続き、今回はブドウの品種についてご紹介します。ピノノワール、ボルドー、メルロー・・・品種や地方の名称には横文字が並び、初心者にはハードルが一気にあがります。このブドウの品種の違いについて理解すると人に話せる知識量は大きく変わります。ぜひぜひ覚えてみてください! [目次] 赤ワインのブドウの主な品種と産地 料理との合わせ方 まとめとソムリエからのひとこと 赤ワインのブドウの主な品種と産地 赤ワインの品種には大きく以下の4つがあります。 ピノノワール(Pinot Noir) カベルネソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon) メルロー(Merlot) シラー(Syrah) 他にも沢山ありますが、初心者の方はまずこの4つを覚えておくことをおすすめします。 世界各地でその土地の気候や風土に適したブドウが栽培されるため、それぞれの品種は、ワイン銘醸の地であるフランスでも、栽培される地方が異なります。 ピノノワールはブルゴーニュ地方、カベルネソーヴィニヨンとメルローはボルドー地方、シラーは南フランス・ローヌ地方になります。 ワイン銘醸の地フランスの地図 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cartes_des_vins_de_france.png より 味や色ももちろん異なります。 ピノノワールは酸味があり若干色が薄く、赤いベリー(いちごやチェリー、ラズベリーなど)の香りがするのが特徴です。カベルネソーヴィニヨンとメルローは色が濃く、タンニングが強くて渋み(カベルネソーヴィニヨンの方がより強い)があり、黒いベリー(ブルーベリーやブラックベリー、カシスなど)の香りがするのが特徴です。この2つを実際に比べるとみると色の違いは、初心者でもはっきりと分かります。 左がピノノワール、右がカベルネソーヴィニヨン そして、シラーはスパイスのニュアンスが強く、黒胡椒っぽい雰囲気があります。 余談ですが、カベルネソーヴィニヨンとメルローはフランスボルドーでは一般的にブレンドされ、セットで用いられることが多いです。含まれる比率により前面にでる品種が変わります。 料理との合わせ方 そんなこの4つの品種ですが、どんな料理が合うでしょうか? 覚え方としてはワインの色と料理の色を合わせるのがポイントです。 例えば、色の薄いピノノワールは肉料理であれば、軽めの肉料理やチキン・豚肉など、色の濃いカベルネソーヴィニヨンやメルローはしっかりした肉料理 黒豚・牛肉など、そして、シラーは、+スパイシーな調味料を使用した料理によく合います。 お店に行ったときのオーダーとしては、まずは自分が食べたいもの、飲みたいものを選ぶとスムーズです。 例えば、メルローのワインをボトルで飲みたい場合はそちらをオーダーし、それにあう料理としてしっかりした肉料理を、まずは食べたい料理がある場合は料理をオーダーしそれに合うワインをグラスでオーダーするなど、各自の好みや気分に合わせるのがいいかと思います。 「今日は軽めのワインが飲みたいからピノノワールをボトルでください。軽めの肉料理があうと思うので、鶏肉を使った料理で何かお勧めとかありますか?」などソムリエとの会話を楽しむのもいいですよね。 まとめとソムリエからのひとこと これらを表にまとめると以下になります。 ※簡略的にお伝えする為の一般的な表であり、例外的な事も多数ございますので、予めご了承ください。 品種 地方 味 色 合う料理 ピノノワール(Pinot Noirr) ブルゴーニュ 酸味がある 薄い 軽めの肉料理(鶏肉、豚肉) カベルネソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon) ボルドー より渋みがある 濃い しっかりした肉料理(牛肉、黒豚) メルロー(Merlot) ボルドー 渋みがある 濃い しっかりした肉料理(牛肉、黒豚) シラー(Syrah) ローヌ スパイシー 濃い(タイプにもよる) スパイシーな料理 ソムリエはこういった品種毎の違いを理解したうえで、さらに、酸味、甘み、タンニン、アルコール感、複雑姓、余韻、将来性を考慮したうえでワインを選定します。 ソムリエに訊けばきっと、「一般的なメルローよりタンニンが強いけど、その分複雑性が増え・・・価格以上にお得ですよ」など教えてくれます。 ソムリエとの会話もワインの楽しみ方のひとつ。色々教えてもらいながら、自分好みのワインを探していくことで、より一層深いワインの世界が見えてくるのではないでしょうか? 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインの豆知識 2018年2月08日 赤坂のソムリエに訊く!今更聞けないワインの基本、赤・白・ロゼの違い ※上の画像の料理に合うワインはどんなワインだと思いますか? ソムリエからの回答はこの記事の一番最後に。最後までぜひご一読ください。 (画像はあじる亭 人気メニュー:シャルキュトリー盛り合わせです。) ワインには白ワイン、赤ワイン、ロゼワインがあるのは誰もが知っていること。しかし、その違いについて、ちゃんと理解している人は意外と少ないのでは? 今回はワイン初心者の方々向けに、各ワインの違いについてご紹介します。これを知っていれば飲み会などで知ったかぶりできること間違いなし?! [目次] 白ワイン、赤ワインの原材料と製法の違い ロゼワインとは? どんな料理に合うのか? まとめ 白ワイン、赤ワインの原材料と製法の違い 白ワインと赤ワインは原材料が異なります。白ワインは白ブドウから、赤ワインは黒ブドウ(赤ではなく黒です。皮の色で名称がついています)から作られます。 白ブドウの種類にシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどがあります。(参考までにブラン=Blanc=白という意味です) 黒ブドウの種類にカベルネソーヴィニヨン、ピノノワールなどがあります。(参考までにノワール=Noir=黒という意味です) ここで紹介した4つのブドウの品種が世界各地で栽培されている有名なブドウです。ブドウの種類によっても味は変わりますが、これらのブドウの違いについては改めてご紹介します。 そして、原材料だけでなく製法も白ワインと赤ワインでは異なります。 白ワインはブドウから皮や種を除きジュースを絞りだし、その後発酵させていきます。一方で赤ワインはブドウの皮や種はそのままにしてジュースを絞りだし、発酵させていきます。種に含まれるタンニンが苦味をだし、皮から色素がでて赤い色になります。 このように原材料と製法の違いがワインの色と味の違いになっていきます。 ロゼワインとは? ではロゼワインとはどのようなワインでしょうか? 一言でいうと白ワインと赤ワインの原材料、製法を組み合わせたものになります。 その組み合わせからできるロゼワインは大きく4つのパターンになります。 1.原材料は赤ワインと同じ黒ブドウで、製法を白ワインと同じにする。※ロゼワインの一般的なパターンになります。 2.濃い赤ワインを作るために製造工程にて液体を抽出する。※血抜き、瀉血(しゃっけつ)、などとも言われます。その抽出されたものを発酵させワインにします(セニエ法と呼ばれる手法です)。 3.原材料を「白ブドウ+黒ブドウ」からワインをつくる。※混醸法と呼ばれドイツなどで生産されています。 4.出来上がった白ワインと赤ワイン足していく。※ブレンド法と呼ばれます(禁止地域もあり)。 どんな料理に合うのか? 一般的に魚=白ワイン、肉=赤ワインと覚えている人が多いかもしれません。もちろん、それでもOKです! ですが、ここではワンランク上のペアリングをご紹介します。 それは、単純に肉・魚と分けるのではなく、料理の色合いによってワインを合わせることです。 例えば、魚でも白身の魚と赤身の魚がありますが、白身の魚は白ワインと、赤身の魚は赤ワインと合わせることでワインの選択肢がぐっと増えます。 具体的には、 白ワイン=白身の魚、塩、鶏肉、白豚、クリームシチュー 赤ワイン=赤身の魚、醤油漬け、黒豚、ビーフシチュー などがお勧めです。 ロゼワインには、サーモンや光り物の魚など、ロゼの色調に合わせます。 まとめ これらを表にまとめると以下になります。 ※簡略的にお伝えする為の一般的な製法であり、例外的な事も多数ございますので、予めご了承ください。 ワイン 原材料 製造方法 合う料理 白ワイン 白ブドウ 種、皮を除き発酵 白い料理 赤ワイン 黒ブドウ 種、皮を含めて発酵 赤い料理 ロゼワイン 黒ブドウ 白ブドウ+黒ブドウ 軽く着色後、種、皮を除き発酵 セニエ法 混醸法 ブレンド法 サーモンや光り物など 最後に冒頭のクイズの回答です。 こちらのの料理に合うワインとは? ソムリエからの回答は、 「コクや旨みのある、ある程度色調のはっきりした白ワインがおすすめです。(ロゼもあり)」とのことでした。 ※もちろん嗜好品なので、重要なことは、美味しく楽しく食事していただく事は言うまでもありませんね♪ 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く