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ワインの豆知識

どこまでこだわるべき?ソムリエに訊く家庭でのワインの保存方法

どこまでこだわるべき?ソムリエに訊く家庭でのワインの保存方法

コルクを抜いた飲みかけのワイン、家庭ではどのように保存していますか?初心者には難しそうな気がするワインの保存方法。どうすれば美味しさを保てるのか、ソムリエに訊いてきました。

ワインの保存、気を付けること

「ワインをうまく保存をして美味しさを保つ」とはどういうことのなのか?

ソムリエの回答は①抜栓前「熟成という過程を経てより美味しくする」②抜栓後「酸化をできるだけ防ぎ、飲み頃期間を延ばす」とのことでした。

ワインに限らず醸造しているお酒は一般的に熱に弱く、急激な温度変化があると劣化が進み、本来望まない酸味や不快な香り、味わいになる可能性があります。既に発酵しているため腐ることはしませんが、極端なことをいうと、お酢のようになってしまいます。

うまく保存することができると、味が熟成されていき、旨味やコクが増え、ワインもオレンジがかってきます。(イメージ的にはキノコや紅茶のような味わいがでてきます。)

保存するときのポイントは次のようになります。

【保存するときのポイント】
・12度から14度程度(16度を超えての長期保存は劣化や再発酵の可能性がある)
・湿度70%程度(乾燥しているとコルクが乾いてしまったり、蒸発の可能性がある)
・暗いところ(紫外線があたると酸化を早まる)

いわゆるワインセラーはこれらの条件をキープするための道具とのこと。
ワインセラーがなく家庭で保存するときには、豆知識として以下のアドバイスをもらいました。

【家庭でワインを保存するときの豆知識】
・急激な温度変化のない場所、暗所が良い(30度を超える場所は危険)
・湿度が欲しいので冷蔵庫にいれる場合は野菜室(チルド室)がオススメ 
・新聞紙で巻く(紫外線を防いだり、保湿の意味)
・ラベルを汚したくない場合にはサランラップを巻く

道具の紹介

栓をあけた後に「酸化をできるだけ防ぐ」ための道具もいくつか販売されています。
そのなかで今回は3つほどご紹介いたします。

1. バキュバン 
空気を抜くことで酸化を防ぐ道具です。(なんとなく、香りも一緒に出ていってしまうのではないか?そんな意見もたまに聞きます。)

2.アンチ・オックス
カーボンがついている栓です。栓をするだけで、このカーボンにより酸化を防ぐことができます。日付けがついているため、いつ栓をしたかを管理することもできます。

3.コラヴァン
窒素ボンベが入っており、ワインを注ぐと空気のかわりに窒素が入る仕組みになっています。酸素が入らないため酸化を防ぐことができます。
この窒素部分は交換可能ですが、1杯換算約100円のコストが発生します。そのため、高いワインでないと効果に見合いません。家庭でつかうというよりも、お店でグラスワインを提供するときに使用されているケースが多いと思います。
余談ですが、海外では窒素ではなく、アルゴンガスを使用しているものもあります。日本では、アルゴンガスが食品添加物として認められていないため、使用されていません。

まとめ

よく「製造されてからいつ頃のワインが飲み頃ですか?」と訊かれることがあるそうですが、結局は好みになるためなんともいえないとのこと。生産者は「出荷したときから飲み頃」という事が多いです。ソムリエとしては、熟成してどれくらい耐えられるかを見極めますが、プロでも意見が分かれるところであり、評論家の一つの見解にすぎないそうです。ソムリエからの意見についても、ひとつの参考として考えていただくのが良いと思います。

コルクを一度抜いたあとの保存方法については、その人がどこまでこだわるかによります。コルクを差し直して、冷蔵庫に入れておくだけで気にならないひともいれば、あらゆる道具を駆使して少しでも酸化を抑えたいひともいます。(ちなみにソムリエが家で飲む場合は1週間以上経っても平気で飲みます。ただし、味の変化はありますから、それを楽しむという前提が必要です)

結局のところ、コルクを抜いたあとは「できるだけ早く飲む」に越したことはありません。酸化を遅らせることはできても止めることはできないからです。

道具によってどれくらい遅らせることができるのか?
興味のある人は今回ご紹介した道具を一度試してみてはいかがでしょうか?

聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一

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