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現地レポート! 2018年のHR Technology Conference & Exposition in Las Vegas (第1回)

現地レポート! 2018年のHR Technology Conference & Exposition in Las Vegas (第1回)

初めまして、セレブレイン社のカリフォルニア駐在マーケティング担当 中澤佳奈生です。

1997年に始まった「HR Technology Conference & Exposition」は、今年で21回目を迎え、9月11日から14日までラスベガスで開催されました。

HR テクノロジーに関する世界最大級のイベントとして、年々その規模と勢いを拡大させており、数多くのセミナーやセッションに加え、400社以上の企業が出展しています。

私もHRTechの市場や最新の技術トレンドを知ることができるイベントいうことで、今年もワクワクしながら参加してきました。開催初日の午前10時のオープンにはすでに多くの参加者が開場を待ちわびており、多方面からの注目の高さがうかがえました。

HR Technology Conference & Exposition では、HR関連コンテンツの動向とともに、AIなどの最新の技術を活用した新たな製品やサービスのトレンドを実感することができます。

多くの企業で、ビジネスの成長を支える人材の活性化や生産性向上が求められ、人事部門の役割が注目される中、HRTechを活用した人事と組織の改革が進みつつあることも、このイベントが注目を浴びている大きな理由となっています。

HR Technology Conference & Expositionはその名の通り「カンファレンス」と「エクスポ」から構成されています。11の コンテンツトラックで構成される59のセッションが聴ける「カンファレンス」と、ソフトウェアベンダーが自社製品を出展する「エクスポ」に分かれています。「エクスポ」では、毎年注目を集める「スタートアップパビリオン」と「ピッチコンテスト」、20社以上のソフトウェアベンダーの「デモセッション」がありました。

また今年は、「HR ハッピーアワー」が夕方4時半からスタートしました。多くのエクスポ出展ブースではビールやワインなどのドリンクとフィンガーフードが提供され、カジュアルな雰囲気の中で出展者と参加者との熱い議論と交流が行われました。アメリカも日本も少しアルコールが入ると議論が盛り上がるのは同じですね・・。

私の第1回レポートでは、今年のイベントの中で、特に興味深かったテーマを3つ取り上げ、紹介したいと思います。

1.AI・HRアナリティクス

昨年のトレンドであった「タレントマネジメント」や「エンゲージメント」に代わり、今年は圧倒的に「HRアナリティクス」のスペースが増えていました。出展企業も大きく入れ替わっており、業界やユーザーの「AI・データアナリティクス」を活用した組織・人材マネジメントへの関心の高さが伺えました。その中でも「AI人材採用系ソリューション」の数は圧倒的で、スタートアップパビリオンでも相当な数を占めていました。

近年多様な領域での活用が話題となっているAIですが、私たちの仕事のあり方を大きく変革することにつながるテクノロジーと期待されています。専門家の中には、ロボットオートメーションの進化は、人間の雇用機会を奪うことになることを不安視する向きもありますが、人手作業の限界や人為的なミスの解消など生産の向上への期待は大です。

今回、私はこの領域の視察に重点をおいて参加してきましたが、あまりの数の多さに全てを詳細に見ることは困難で、事前に調査しておいたブースを中心に回ってきましたが、もう少し時間が欲しかったというところが本音です。

2.ビックデータとデータサイエンス

企業内で「HRデータ」は日々加速的に蓄積されています。これらのデータから従業員のモチベーションや行動を予測し、離職に至る前に適切な対応策を取り、退職率を低下させる予測モデリングを提供するソリューションが多くありました。

例えば自然言語処理を行い、HRと組み合わせるソリューションでは、パフォーマンスレビューのデータを自然言語処理で分析し、従業員コンピテンシープロファイルを作成したり、従業員と管理者の両方のパフォーマンススコアを自動的に生成したりすることができ、適材適所の判断などへの活用が期待できます。

今年、もう一つ目についた分野は、社内の電子メールデータをスキャンすることで、電子メールトラフィックの感情分析などを行い、従業員同士の関与や態度をさまざまなグループで予測することができることです。これらのソリューションを活用して適切な施策を行うことにより、社員のエンゲージメント、メンタルヘルス、ウェルビーイングが大幅に向上することが期待されています。従業員が心身共に健全な状態で仕事に従事する、ということはどの企業にとっても大きなミッションで、従業員の幸福度と定着率のアップにつながります。

3.ピッチコンテスト

今年は30社の企業が出場し、予選ラウンドのプレゼンで上位となった6社が決勝ラウンドに進みましたが、やはり「AI人材採用系ソリューションと「AI・HRアナリティクス」が多数を占めていました。決勝ラウンドで優勝を勝ち取り「The Next Great HR Tech Company」に登壇する栄誉を得た企業はBlendoorという、「AI人材採用ソリューション」でした。女性CEOがとてもエキサイティングなピッチをして盛り上げていましたので、つい私も応援してしまい「ヤッター!」と声を上げてしまいました。

ピッチコンテストはその年のトレンドがピックアップされるので、多くの参加者が関心を寄せて聞いています。私も「ピッチコンテスト」と「スタートアップパビリオン」を訪問するのを楽しみにしていたこともあり、とても有意義な時間を過ごせたと思います。

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