コラム
ワインで対談
ウェブ面接が採用市場にもたらす革新と地方創生の可能性とは – ブルーエージェンシー 前田 裕人さん × セレブレイン 関 伸恭【前編】
セレブレインのコンサルタントとゲストが、ワインと料理を楽しみながら人事について本音で語り合う対談企画。第11回ゲストはウェブ面接システム「インタビューメーカー」を提供する株式会社ブルーエージェンシー・代表取締役の前田 裕人さんです。現在、採用の現場で注目を集めるウェブ面接ツールの有用性について伺うと共に、前田さんが構想されている「地方創生×ウェブ面接」のビジョンについてもお話しいただきました。聞き手はセレブレイン パートナーHR Techコンサルティング事業担当・関 伸恭が務めます。
第11回ゲスト:前田 裕人さん略歴
中学時代からバンド活動に打ち込み、音楽の専門学校を卒業後、開発会社に入社。退職後はバンド活動の資金集めのため、アルバイトとしてブルーエージェンシーに立ち上げメンバーの一人として参画する。その後、インタビューメーカーのリリースに携わり、2016年8月に代表取締役に就任した。
乾杯はロワール地方のロゼスパークリングワインで
関:前田さん、ようこそあじる亭Annessoへ! 今日はおいしいワインと料理をいただきながらお話を聞かせてください。
前田:お招きありがとうございます。実はあじる亭Annessoは何度か来たことがあるんですよ。
関:えっ、そうでしたか! ありがとうございます。そういえば御社も赤坂で近いですよね。
前田:そうなんです。セレブレインさんとは2つ隣のビルですよね(笑)。
関:ええ。それを知ったときは驚きましたよ(笑)。
前田:ちなみにAnnessoとはどういう意味なんですか?
野村/店長:店長の野村と申します。Annessoはイタリア語で「別館」という意味です。セレブレインは赤坂見附に飲食店を4店舗オープンしていて、そのなかのひとつ「あじる亭」の別館的な位置づけのお店なんですよ。
前田:なるほど、そうでしたか!
野村/店長:あじる亭Annessoはやみつきになるお肉料理とスパイス、そして世界のワインをテーマにしたお店です。各国の料理はもちろん、シェフがモロッコ料理店にいたこともあるので、そういった珍しい国のエッセンスを取り入れたお料理もお出ししています。
前田:ますます楽しみになってきました!
関:それではまずは乾杯しましょう!
野村/店長:では最初のスパークリングワインはスタッフのトマからご説明させていただきます。
トマ:スパークリングワインはイリス・ル・ロゼ・ブリュット・ド・ロワールをご用意しました。フランスのロワールという地方のロゼスパークリングワインで、カベルネ・フランというぶどう品種を100%使用したちょっと珍しいスパークリングワインです。
関:……うん! おいしいですね! ロゼだからか、ふつうのスパークリングワインよりも少しボリュームとコクがあるような気がします。
前田:そうですね。私はビール党なのでキレのあるお酒が好きですが、このロゼスパークリングはフレッシュでキレもあり、なおかつぶどうの果実感も感じられておいしいです。
インタビューメーカーは求人アプリの失敗から生まれた
関:ごくごく飲んでしまいそうです(笑)。さて、まずはブルーエージェンシーさんの成り立ちから伺います。会社を立ち上げられたのはいつ頃でしたか?
前田:2015年の5月ですね。サービスをリリースしたのは同年の9月でした。
関:ブルーエージェンシーさんといえばクラウド型ウェブ面接システムの「インタビューメーカー」ですが、それがリリースされたのが2015年?
前田:いえ、その前身となるアルバイト求人アプリ「即ジョブ」というサービスでした。ウェブ面接システムではなく、求人メディアとしてスタートしたのです。
関:そうだったんですね! でもそこからなぜインタビューメーカーに?
前田:即ジョブは求人メディアでありつつも、インタビューメーカーのようなウェブ面接システムを内部に持っていました。企業が求人広告を出して、応募者の申込みがあった際にその流れでウェブ面接ができるということが売りだったのです。しかし、正直に申し上げて即ジョブは失敗しました。そこですぐに方針転換することにしたのです。
関:失敗ですか……その理由は何だったのでしょう。
前田:理由は2つありました。まずメディア事業では広告を出してその知名度を上げる必要があったのですが、そのやり方ではなかなか大手の競合他社に太刀打ちするのが難しいということ。そしてもう一つは、採用の際にウェブで面接を行うという文化が当時はまだほとんどなくて、応募者がなかなか集まらなかったということです。
関:なるほど。たしかにそうかもしれません。かなり先進的な取り組みだったと思いますが……。
前田:そこでメディアはやめて、ウェブ面接システムを流用した「インタビューメーカー」に本腰を入れることにしました。リリース年の12月には決断して、翌年2月にはベータ版をリリースしたのです。
関:ものすごいスピード感ですよね。
圧倒的な開発スピードで1000社以上の導入を達成
野村/店長:お待たせしました。最初のお料理です。「柿とフレッシュチーズの生ハム巻き」をご用意しました。ぜひ先ほど乾杯で召し上がったロセスパークリングワインと合わせていただければと思います。
前田:柿ですか! これは食べたことのないお料理ですね。生ハムと合わせるとは……。
関:驚きますよね。でもフルーツと生ハムって相性が良いんですよ。季節によってはいちじくのときもあって、私も大好物なんです。
前田:なるほど! これは確かにロゼスパークリングにぴったり合いますね!
関:生ハムのほのかな塩味と柿の甘やかな果実味は、両方ともロゼスパークリングに共通する要素ですね。完璧なマリアージュです。
野村/店長:まさに仰る通りです。カベルネ・フランは黒ぶどうで、生ハムのようなお肉にも合わせやすいボリューム感を持っています。フレッシュチーズはマスカルポーネとリコッタチーズという黄金の組み合わせで、濃厚な余韻をロゼスパークリングがさっと洗い流してくれます。
関:これはぜひ、あじる亭Annessoに来たら試していただきたいペアリングです。
前田:すばらしいですね! 次のワインとお料理も楽しみになってきます。
関:では召し上がっていただきながらお話の続きを聞かせてください。インタビューメーカーはすでに1000社以上の企業が導入しているそうですね。2016年にベータ版を出してからの成長スピードには驚かされます。
前田:開発スピードは特に意識しています。というのも、僕らはもともと人事業界の専門家ではなかったので、「これでいいのか?」という意識をつねに持っているんです。クライアントからご要望はどんどん実装して改善していく必要があります。
関:半年前に見たときと今ではまったくUIも変わっていて驚いたのですが、開発スピードの速さが反映されているのですね。
前田:機能を増やすとどうしてもUIが複雑になっていきがちですからね。大型のリニューアルでよりわかりやすく改善しています。
関:とはいえ、UIが変わるとクライアントが戸惑いませんか?
前田:ええ。でも僕らは投げっぱなしじゃなくて、UIが変わるたびにトライアルを行い、クライアントにつきっきりで使い方をレクチャーしているんです。
関:納品したらマニュアルを渡して、投げっぱなしという企業さんのケースも見聞きしますが、それはすごいですね。
前田:弊社が“人×テクノロジー”をバリューとしている所以ですね。
関:会社としても急成長していますよね。
前田:そうですね。最初のオフィスはとても小さくて、社員も6~7人しかいなかったのですが、現在は40人を超えて成長しています。
関:余談ですが、ブルーエージェンシーさんのオフィスは靴を脱ぎますよね。あれはびっくりしました(笑)。
前田:そうなんですよ。オフィスが小さかった頃はアパートみたいな部屋で靴を脱いでいたんです。その名残かもしれませんね。僕は靴下も脱いでいますよ(笑)。その方がすっきりするんです。
関:人材はどんどん増やしていく方向ですか?
前田:ええ。月に100人近くものエントリーをいただくので、それをインタビューメーカーを最大活用して面談を進めています。最近は、最終的に月に3~4人程度採用していますね。
関:それだけ数が多いとインタビューメーカーの効果は大きそうですね。
前田:はい。遠方の方もいらっしゃるのでウェブ面接はとても役立ちます。
前編ではインタビューメーカーの開発秘話と、ブルーエージェンシーの急成長の背景を伺いました。後編ではウェブ面接が採用市場にもたらす革新と、前田さんが構想する地方創生の取り組みについて伺います。
あじる亭 Annesso
赤坂見附駅から徒歩5分。赤坂あじる亭の姉妹店で、Annesso(アネッソ)とはイタリア語で「別館」という意味。2018年にリニューアルオープンしました。フレンチをベースに、ワインに合う欧風料理と世界のワインをご提供します。スタッフは全員がソムリエ有資格者。シェフのこだわり料理をバルスタイルでどうぞ!