HRTech 2018年9月30日 2018 HR Technology Conference & Expositionピッチコンテストファイナリストの6社はどんな企業? ラスベガスで開催され、今年で21回目を迎えた「HR Technology Conference & Exposition」。速報の第一弾をセレブレイン社の人事・組織に役立つコラムのコーナーでもご紹介しましたが(現地レポート! 2018年のHR Technology Conference & Exposition in Las Vegas (第1回))、今回はそちらで実施されていたピッチコンテストについてより詳細をご紹介します。 [目次] HR Technology Conference & Exposition ピッチコンテストとは ファイナリスト6社 最後に HR Technology Conference & Exposition ピッチコンテストとは http://www.hrtechnologyconference.com/pitchfest.html 「Pitchfest」と呼ばれるこのコンテストでは、HRTechのスタートアップ企業に対して、人事責任者、投資家、ITプロフェッショナルを含むカンファレンスの参加者に、自社のサービスやテクノロジーを紹介する機会が与えられます。今年は、150社以上の参加企業から絞り込まれた30社がピッチコンテストに参加しました。 まずは予選ラウンドです。予選ラウンドでは参加企業は10社ずつ3つのグループに分けられた上で、各企業は3分間のプレゼンテーションを行います。審査は観客の投票を含んで行われ、各グループから2社ずつ選出され、6社に絞られます。そして、選ばれた6社により再度5分間のプレゼンテーションが行われ、審査員による厳正な審査のもと優勝企業が決まります。 優勝企業には、会期中に行われる「The Next Great HR Tech Company」に登壇する権利と、2019 HR Technologyカンファレンスで展示スペースなどが提供されます。 ファイナリスト6社 今回予選を通過した6社のファイナリストは次の通りです。 1.Blendoor http://blendoor.com AIを活用して、採用の際に性別や人種などによる偏見を排除して、多様な才能を持つ人財を採用することができるシステムを提供しています。最近では履歴書や職務経歴を分析するピープルアナリティクスなどのテクノロジーも提供開始しています。 2.ComplianceHR http://compliancehr.com 企業に求められる人事上のコンプライアンス管理をAIを活用して解決するテクノロジーを提供しています。 3.Jane.ai https://jane.ai AIを活用したチャットボットを提供しています。人部部門、IT部門、セールス、カスタマーサポートなど様々な部門で利用可能です。 4.RelishCareers https://www.relishcareers.com 修士卒業レベルに特化した人材採用プラットフォームを提供しています。 5.SwarmVision https://www.swarmvision.com 自社内からイノベーション人材を発掘/育成するためのプラットフォームを提供しています。 6.Talvista https://www.talvista.com データ・ドリブンでの採用プロセスを可能とするプラットフォームを提供しています。ジョブディスクリプションや面接評価なども最適化していくことができます。 優勝したのは、AIを活用した採用ソリューションを展開しているBlendoor。女性のCEO兼ファウンダーがとてもエキサイティングなピッチを展開し、会場を盛り上げていたのが印象的でした。 最後に このピッチコンテストは、EXPO会場の真ん中あたり、開かれた場で実施されており、会場にいる人は誰でも聞くことができました。 座席数は30〜40位でしたが、立ち見の方々も多く、全部で70〜80人くらいが聴講していました。そのため、よくあるピッチコンテストよりもカジュアルな雰囲気で、ピッチをする方も、ピッチを聞く方もまさに楽しんでいる!というのが特徴的でした。 この中から次のHRユニコーン企業がでてくるのか? HRTech先進国のアメリカの最新情報は常にキャッチしておきたいところですね。
ワインの豆知識 2018年9月20日 【世界のワイン】日本ワインって実際どうなの?その特徴とは? 「伝統国」と「ニューワールド」の2つに大別されるワインの世界。国も変われば気候も変わり、ワインの特徴も変わります。今回は日本のワインについてソムリエに訊いてきました。 [目次] 日本ワインの特徴 ソムリエからのコメント 日本ワインの特徴 まず「日本ワイン」とはそもそも何なのか?答えは、日本各地で栽培されたぶどうを基に日本で製造されたワインのことをいいます。そのため、ぶどうを輸入して日本で製造されたワインは日本ワインには含まれません。 生産量は山梨がトップで、長野、山形、北海道と続いていきます。 日本のワインの歴史は他国と比較すると浅く、約150年くらい前、ふたりの若者が山梨で作り始めたことがスタートと言われています。 日本でもカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネのように有名な品種も栽培されていますが、主要品種は「甲州ぶどう」と「マスカット・ベリーA」という日本固有種になります。 甲州ぶどう(白ワイン)・・・色が透明で吟醸香がする。日本酒のような雰囲気があり、さわやかさが特徴。味はニュートラルで特徴がないのが特徴ともいえる。ふんわりお米の香りもして、和食にも合わせやすい。 マスカット・ベリーA(赤ワイン)・・・味の特徴はその酸味。酸味がベースでそこに甘さが感じられる。お味噌系の料理との相性がよく、西京焼きなどにお勧め。 そのほか、デラウェアをワインにするのも日本独自とのこと。ヨーロッパやアメリカでは敬遠されるそうです。 また、日本ワインでは「ぶどうは山形で栽培、ワインの生産は各地」というようにぶどうの生産地とワインの生産地が異なることがあります。これらは海外では異例のことで、日本ならでは。兵庫で作られる山田錦をもとに各地で生産される日本酒の文化に近い感じがしますね。 ソムリエからのコメント 世界では7,000年の歴史があるワインの世界。それに対して日本ではまだ150年程度なので、まだまだ生まれたてと言っても過言ではありません。その浅い歴史にも関わらず、近年では世界的に評価されるワインもでてきているそうで、このあたりに日本人の勤勉さがうかがえます。 日本ワインの生産者は若い人たちが多く、お洒落なものが多い印象とのこと。新しいことにもどんどんチャレンジしている小さな生産者が多いのが特徴で、今後が楽しみとのことでした。 お店では海外からお客様が来たときに日本ワインを提供することが多いそうです。 (山梨のワイナリーで作られた「三之蔵」) しかし、レストランで飲む日本ワインは流通上の特性から一般小売のワインと比較すると割高感があるそうです。そのため、レストランでは好んで飲む人はまだまだ少ない傾向にあるようです。 「日本ワインは和食にもよく合うワインが多いです。これからの季節、ご家庭でも秋の和食と共に日本ワインを楽しむなんてのもいいですね。」 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
コラム 2018年9月19日 現地レポート! 2018年のHR Technology Conference & Exposition in Las Vegas (第1回) 初めまして、セレブレイン社のカリフォルニア駐在マーケティング担当 中澤佳奈生です。 1997年に始まった「HR Technology Conference & Exposition」は、今年で21回目を迎え、9月11日から14日までラスベガスで開催されました。 HR テクノロジーに関する世界最大級のイベントとして、年々その規模と勢いを拡大させており、数多くのセミナーやセッションに加え、400社以上の企業が出展しています。 私もHRTechの市場や最新の技術トレンドを知ることができるイベントいうことで、今年もワクワクしながら参加してきました。開催初日の午前10時のオープンにはすでに多くの参加者が開場を待ちわびており、多方面からの注目の高さがうかがえました。 HR Technology Conference & Exposition では、HR関連コンテンツの動向とともに、AIなどの最新の技術を活用した新たな製品やサービスのトレンドを実感することができます。 多くの企業で、ビジネスの成長を支える人材の活性化や生産性向上が求められ、人事部門の役割が注目される中、HRTechを活用した人事と組織の改革が進みつつあることも、このイベントが注目を浴びている大きな理由となっています。 HR Technology Conference & Expositionはその名の通り「カンファレンス」と「エクスポ」から構成されています。11の コンテンツトラックで構成される59のセッションが聴ける「カンファレンス」と、ソフトウェアベンダーが自社製品を出展する「エクスポ」に分かれています。「エクスポ」では、毎年注目を集める「スタートアップパビリオン」と「ピッチコンテスト」、20社以上のソフトウェアベンダーの「デモセッション」がありました。 また今年は、「HR ハッピーアワー」が夕方4時半からスタートしました。多くのエクスポ出展ブースではビールやワインなどのドリンクとフィンガーフードが提供され、カジュアルな雰囲気の中で出展者と参加者との熱い議論と交流が行われました。アメリカも日本も少しアルコールが入ると議論が盛り上がるのは同じですね・・。 私の第1回レポートでは、今年のイベントの中で、特に興味深かったテーマを3つ取り上げ、紹介したいと思います。
ワインで対談 2018年9月12日 AIの導入で人事の仕事はどう変わる? – AI研究家・大西 可奈子さん × セレブレイン 関 将宏【後編】 セレブレインのコンサルタントとゲストが、ワインと料理を楽しみながら人事について本音で語り合う対談企画。第9回ゲストは、NTTドコモで対話AIの研究開発に携わり、3月には著書「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」も出版された大西可奈子さん。AIが人事業界に及ぼす革新と現状についてお話いただきました。聞き手はセレブレイン 人事戦略コンサルティングユニット マネジャー・関 将宏が務めます。 第9回ゲスト:大西 可奈子さん略歴 お茶の水女子大学修了後、株式会社NTTドコモ入社。国立研究開発法人 情報通信研究機構への出向を経て、現在はNTTドコモ R&Dイノベーション本部 サービスイノベーション部で自然言語処理と対話AIの研究開発に従事。著書に『いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門』(マイナビ出版)など。講演・執筆活動などマルチに活躍している。 雑談という正解のない研究に挑む 関(将):大西さん、あじる亭 Annessoのワインとお料理はいかがですか? 大西:すばらしいです。特にさっき出していただいたギリシャのワインは、やっと念願叶ってという感じだったので感動しました(笑)。ギリシャといえばタコですし、お料理との組み合わせも絶妙ですよね。 関(将):本当においしいですよね。次のお料理も気になりますね。 野村/店長:続いてはエビとゴーヤのチーズチリチャンプルです。チリソースのスパイス感とチーズのまろやかさが合わさって、コクのあるピリ辛なお料理です。合わせるワインはカリフォルニアのロゼをお持ちしました。スパイス感に合わせて赤ワインでもいいのですが、今日は暑いので赤の前にロゼからということで(笑)。 大西:スパイスの利いた料理、大好きです! ここまでのワインとお料理で猛暑からやっと解放されたので、ちょうど温かいお料理がほしいと思っていたところでした。すごくおいしいです! 関(将):ワインも面白いエチケットですよね。これはふくろう? 野村/店長:そうなんです。ストルプマン・パラ・マリアというワインで、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、カベルネ・フランなどいくつかの品種がブレンドされています。カベルネ・フランに少しベジブルな香りがあるので、ゴーヤとぴったりなんですよ。 大西:たしかに! それでこんなに合うんですね。 関(将):ではチーズチリチャンプルとロゼをいただきつつ、お話の続きに。人事以外でもいいので、大西さんが研究されている対話AIについて、具体的な活用の可能性をお聞きしたいです。 大西:たとえばコールセンターですね。AIが応対できるようになれば、かなりのヒューマンコストの削減になります。といっても今はまだ、すべてをAIが行えるわけではありません。まずAIが電話に出て、音声認識で相手の質問や要望を聞き取ります。過去のデータから問い合わせの内容を推測して、対応できる部署に振ることはできるでしょう。さらに回答も予測して、5つくらいのパターンを提示したりもできると思います。担当者はかかってきた内容と、AIが提示された予測回答を見て応対できるのでかなり楽になるのではないでしょうか。 関(将):なるほど、タスク指向型対話システムと呼ばれる、特定のタスクを目的とした対話ですよね。ある程度回答がしぼれると、かなり役立ちそうですね。 大西:ただ、コールセンターのスタッフ側も、いきなりAIから質問が飛んできて5つの回答パターンを提示されても最初は戸惑うと思うんですよね。AIみたいに新しいやり方を現場へ浸透させるのってけっこう大変なんですよ。 関(将):よくわかります。 大西:せっかくAIをつくっても本格導入できないのでは意味がありませんよね。だからこそ現場とのハブになれる人が必要なわけですが。 関(将):その部分をクリアできるようになれば、タスク型の対話についてはAIが活きる場面も増えそうですよね。一方で、大西さんがメインで研究されているのは非タスク型の対話ですよね。 大西:そうですね。有り体に言うと「雑談」ですね。 関(将):その部分の技術は進んでいるのでしょうか? 大西:正直に言って微妙です。進んではいますが、おそらく想像されているよりも歩みは遅いです。というのも対話のなかでも雑談って、あまり研究者が好まないんですよね。研究向きなのは「これが正解!」と答えがはっきり出るものなんです。雑談って明快な答えがあるわけではなく、どうしても主観評価になってしまうので、取り組んでいる研究者は多くはないですね。 関(将):なるほど、たしかに直接的にビジネスとは結びつけづらいかもしれませんね。 大西:雑談ってお金にならないですからね。タスク型の対話AIは「暑い」と話しかければ「エアコンの利いた商業施設を探します」と課題を解決してくれますが、雑談AIは「暑い」と話しかけても「夏だもんね」と返してくれるだけ(笑)。つまり、雑談AIをビジネスにしようとすると“話をすること”そのものが価値を生まないといけません。これはかなり難しい。 関(将):でもアトムやドラえもんみたいなロボットが友だちになってくれたら嬉しいですけどね。 大西:そうですよね! 関(将):ただ、雑談は正解がないから機械学習やディープラーニングの手法でどこまでできるのかは難しそうですよね。 大西:ええ。国立研究開発法人 情報通信研究機構にいた頃、「雑談とは共通の認識を省略した対話である」という仮説を立てたことがあるんです。例えば、「Nintendo Switchほしいよね」「マリオテニスもできるもんね」という対話があったとき、そのベースには「Nintendo Switchでマリオテニスが遊べる」という共通認識があるわけです。だから、「Nintendo Switchほしいよね」と話しかけられたAIはネットをクロールしてNintendo Switchに関する情報を集め、「マリオテニスが遊べる」という情報を探してきて、「マリオテニスもできるもんね」と返せば人間らしい雑談になるのではないか――という仮説です。 関(将):面白いですね! たしかに人間同士でも初対面で会話するときはお互いの共通項を探りますよね。 大西:そういうことですね。でも、裏を返せば雑談AIってまだそういうレベルなんですよ。本当の意味で雑談できるレベルにはありません。これは世界の有名な外資系IT企業でも一緒です。最近は応答文をリアルにつくりこむのが流行っていますが、あれは単に応答がうまいだけで、雑談できているわけではないんです。 関(将):Siriとかチャットボットとかがちょっと気の利いた返しをするような? 大西:そうです。あれはあくまで会話のシナリオを作り込んでいるだけで、そこに未来はないと私は思っています。 関(将):会話のシナリオの数を膨大にしてもだめなのですか? 大西:実際にそれを検証した事例があって、数万件のシナリオと数十万件のシナリオで比較したところ、ある段階から対話のクオリティが頭打ちになったそうです。ある程度まではいけるのですが、限界があるのです。シナリオではAIは人になれません。 関(将):難しいのですね……。大西さんの今後の研究にも期待しています。 AIの導入で人事の仕事はどう変わる? 野村/店長:メインの牛ハラミのステーキをお持ちしました! 合わせるワインはカリフォルニアの赤ワイン。このエチケット、見覚えがありますか? 関(将):あっ! ゲーム・オブ・スローンズじゃないですか! 野村/店長:そうなんです、こちら世界中で大ヒットしているドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の公式ワインです。ドラマの中でもワインが重要な役割を果たしています。 大西:へ~! すごい! それが実際に発売されたんですね。 野村/店長:ワイン自体はカリフォルニアにパソ・ロブレスという地域のもの凝縮感があり、しっかりとした味わいです。品種が6種類ほども入っているそうなのですが、何が入っているかは企業秘密とのことです。 大西:ミステリアスですね。 関(将):やわらかくてボリュームたっぷりのハラミと濃い赤ワインの相性は言うまでもなく最高ですね! 大西:お肉と濃い赤ワインが大好きなので、いくらでも食べられそうです(笑)。 関(将):さて、お話を戻して……もう一つ、人事的な視点でいうと、AIが普及することで人の仕事が置き換わってしまうのではないかという懸念があります。これについてはどうお考えでしょう。 大西:置き換わる仕事とそうでない仕事はあるでしょうね。たとえば勤怠データなどははっきりとした数字なので、それをもとにした分析はAIが得意とするところでしょう。 関(将):勤怠データから退職予測をするとか、適性検査からハイパフォーマーを見つけるとかですね。 大西:ええ。一方で社員の様子を見てコンディションを予測したりするのは難しいでしょうね。結局、AIといってもデータに基づいて分析・予測しているだけなので、データがふわふわしたものだとあまり活用する意味がないんです。 関(将):たしかに、適性検査と面接のデータをもとに、その人を採用するかどうかを判断するAIを導入しようとした企業の話を聞いたことがあります。AIならより少ないコストで正しく判断できるのでは……と期待したわけですね。ただ採用は重要事項なので、「なぜ採用/不採用になったのか」を採用担当が検証するように言われた。そうすると結局担当者が検査や面接の結果を一つ一つ確かめることになり、AIを導入する意味がなかったという(笑)。 大西:なるほど(笑)。そもそも、人でないと許されない領域というのは絶対にあって、そういったものはたとえAIの得意分野であっても、現時点では置き換えるべきではないと思います。たとえば医療とかもそうですね。発見はAIに任せた方がいいと思うけど、それを患者さんに伝えるときに「AIがそう言ってるんで」というのはまだ受け入れられないでしょう。 関(将):人間のお医者さんがきちんと診てくれていることに安心感を覚える人は多いでしょうね。 大西:クリエイティブ方面ももう少し時間がかかるかもしれません。すでに小説や絵画をつくるAIは出現していますが……。 関(将):村上春樹の小説を大量に読み込ませると彼の文体や作風を模倣したそれっぽい物語が出てきそうですけど、それはちょっと違うというか。 大西:それっぽければいいわけじゃないんですよね。背景となる物語も含めて消費しているので。 関(将):人間の面白いところですよね。 大西:最近、ワイン×AIについてすごく考えるんですよ。仮にソムリエがAIになったらどうなるだろうって。エチケットは画像認識で判別できるだろうし、味も酸味とか渋味とか数値化できるんじゃないかと。でもソムリエは目の前のお客さんを見て、料理や今日の気温、お客さんの体調や雰囲気などを総合的に判断してワインを選んでくれますよね。それは今のAIには絶対にできないんです。 関(将):面白いですね。ワイン自体はデータベース化できそうですが、そこに人という要素が入ってくると、途端にAIの手には負えなくなってしまうわけですね。 大西:ちょうど先日、「日本の夏」をテーマにワインを持ち寄ってワイン会を開いたのですが、「日本の夏」をどう解釈するか、めちゃくちゃ悩んだんですよ。夏といえば潮の香りかなとか。でも潮の香りって定義できないので、それを選ぶことはやっぱり人間にしかできないんです。単純に「このワインに似たワインを選んで」ということなら、データさえあればAIは正確に選び出してくれると思いますけどね。 関(将):レコメンドはAIの得意分野ですもんね。とはいえ、今後はあらゆる分野にAIが浸透していくことは間違いありませんよね。AIが当たり前の世代もどんどん出てくるでしょう。 大西:世代の影響はありますね。たとえば音声認識もそうじゃないですか。私たちの世代はまだ、外でスマホに向かって話しかけることに気恥ずかしさがありますが、でもある世代からはきっと普通になっていくはずです。 関(将):慣れもありますよね。 大西:ええ。最近、スマートフォンを耳にあてずに、Bluetoothのイヤホンだけで通話している人も見かけますが、あれもちょっと前まで見かけるたびにギョッとしていました(笑)。Bluetoothイヤホンが普及した今はもう、それほど驚くこともないですよね。 関(将):人事とAIもそうなんだと思います。世代交代が進むにつれて少しずつAIの風は吹いてきている。勘と経験だけじゃなく、データをもとに話ができるようになっていくと思いますね。 大西:AIで世の中がどうなっていくのか、私も楽しみです。 関(将):本日は興味深いお話をありがとうございました! 大西:こちらこそ、今日は本当にいろいろな方向性からワインが楽しめて、すごく良い経験になりました! 今回のお店 あじる亭 Annesso 赤坂見附駅から徒歩5分。赤坂あじる亭の姉妹店で、Annesso(アネッソ)とはイタリア語で「別館」という意味。2018年にリニューアルオープンしました。フレンチをベースに、ワインに合う欧風料理と世界のワインをご提供します。スタッフは全員がソムリエ有資格者。シェフのこだわり料理をバルスタイルでどうぞ! ライター・カメラマンの山田井です。 世の中は空前のAIブーム。今はまだ各業界、手探りなところもありますが、キャズムを超える瞬間もそう遠くはありません。今後、人事の世界もAIの導入により大きく変わっていくものと思われます。 来るべきAI社会に向けて、大きなヒントが得られた対談だったのではないでしょうか。 そして、リニューアルオープンしたあじる亭 Annessoのお料理とワインですが、相変わらずすばらしいものでした! フランスから始まり、モンテネグロ、ギリシャ、アメリカという世界旅行を楽しむかのようなワインのチョイスと、夏の火照った体を冷やし、食欲がぐんぐんわいてくるようなお料理の流れ! ペアリングも含め、夏の夜にふさわしい完璧なディナーでした。 あじる亭 Annessoを訪問された際は、ぜひ今回の記事もご参考して楽しんでいただければと思います。
ワインの豆知識 2018年9月09日 贈り物にワインを!センスがあると思われるためのソムリエからのアドバイス お祝いのときに贈るものとして、相手がお酒好きならワインはとても喜ばれます。 でも、初心者にはどんなワインを選んでいいのかなかなか難しいもの。 ちょっと「センスがある!」と思われるにはどうしたらいいか?ソムリエが教えてくれました。 [目次] お祝い時のワイン 贈答品としてのワイングッズ 更にワンランクあげるには お祝い時のワイン お祝い時のワインとしてテッパンなのが、シャンパーニュです。値段はピンきりなので、どれを選ぶかは難しいかもしれませんが、分相応、もしくは少し奮発してもいいかもしれないですね。 その他、年代に合わせたワインも喜ばれます。ボトルに年代が記載されていたり、年代自体を楽しむことができるのもワインの特徴。還暦や誕生日のお祝いには生まれた年のワインを送ったり、会社の周年パーティには創業年のワインを送ったりすると思い出深いものになります。 熟成に耐えられるという意味もあり、一般的には赤ワインが多くなります。さらに年代が古い場合は、ブランデーなどもお勧めです。ワインと比較すると劣化が遅く、古くても味わいが楽しめます。 デパートなどで購入すれば木箱に入れてくれたりもします。シーンに合わせて装飾することで、相手に特別感を与えることができますね。 贈答品としてのワイングッズ 贈る相手がワインを好きな人でしたらばワイングッズも喜ばれます。贈答品として以下のものが選ばれることが多いです。 ・ソムリエナイフ/ワインオープナー ・グラス ・デキャンタ どこのものを買っていいのか分からない場合、本物志向の方にはラギオールのソムリエナイフなどどうでしょうか?少々値段も張りますが、プロも使用するハズレのないブランドです。 その他、リーデルのワイングラスも安定感があります。260年以上もの歴史を誇るワイングラスの老舗です。 更にワンランクあげるには ワインにはそれぞれ色々な意味や歴史を持っていることも贈答品として、重宝される理由のひとつです。例えばこちらの「rindo リンドウ」。 この「rindo」はビジネスで成功を収めた方が、新たにカルフォルニアでワイン作りに挑戦し製造しているワインです。この製造過程のヒストリーと共に、新たな領域に挑戦する方へ成功を祈願して贈れば、きっと応援する気持ちが伝わります。 その他にも、リンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」という意味もあります。なにか励ましたいときなどにこのワインを花言葉とともに贈ると、きっと印象に残ることでしょう。 こういったワインひとつひとつにある意味を理解した上で贈ることで、ちょっとした感動を与えられます。どんな方に、どんな理由で贈りたいのか、背景を含めて専門家であるソムリエに相談してワインを選ぶと、ワンランク上の贈り物がきっとできると思いますよ。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインで対談 2018年8月27日 AIの導入で人事の仕事はどう変わる? – AI研究家・大西 可奈子さん × セレブレイン 関 将宏【前編】 セレブレインのコンサルタントとゲストが、ワインと料理を楽しみながら人事について本音で語り合う対談企画。第9回ゲストは、NTTドコモで対話AIの研究開発に携わり、3月には著書「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」も出版された大西可奈子さん。AIが人事業界に及ぼす革新と現状についてお話いただきました。聞き手はセレブレイン 人事戦略コンサルティングユニット マネジャー・関 将宏が務めます。 第9回ゲスト:大西 可奈子さん略歴 お茶の水女子大学修了後、株式会社NTTドコモ入社。国立研究開発法人 情報通信研究機構への出向を経て、現在はNTTドコモ R&Dイノベーション本部 サービスイノベーション部で自然言語処理と対話AIの研究開発に従事。著書に『いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門』(マイナビ出版)など。講演・執筆活動などマルチに活躍している。 まずはワインで乾杯! 暑い夏にぴったりのスパークリング! 関(将):大西さん、ようこそ「あじる亭 Annesso」へ! ワインはお好きですか? 大西:最近、ワインにハマっているんですよ! 実はこちらの姉妹店であるセレブールには何度かお邪魔したことがあります。 関(将):そうだったんですね! あじる亭 Annessoはちょうど先日、リニューアルオープンしたばかりなんです。ぜひおいしい料理とワインを楽しんでいただきたいです。 大西:おいしいものには目がないので、もう今からワクワクしています(笑)。 関(将):ではお話の前にまずはスパークリングで喉を潤しましょう! 野村/店長:本日も暑いですね。こんな日にぴったりのスパークリングワイン、フランスはブルゴーニュのヴァン・ムスーをご用意しました。ブラン・ド・ブランといって、白ぶどう100%で作られています。豊かなコクとさっぱりした酸味があって、後味もすっきりですよ。 大西:おいしい! もうずっと猛暑続きなので、冷えたスパークリングワインは最高ですね! 関(将):ぐいぐい飲んじゃいますね。……大西さん、けっこうお強いのでは? 大西:そうですね、けっこう飲む方だと思います(笑)。 関(将):おお! ぜひたくさん飲んでくださいね。さて、このまま酔っ払ってしまう前に(笑)、人事とAIについてお話を伺わせてください。 大西:はい。人事とAIの組み合わせは個人的にも注目している領域の一つです。私の方こそ本日はいろいろと教えていただきたいですね。 なぜAIの解説本を出版したのか 野村/最初のお料理とワインをお持ちしました。当店では世界各国のワインを扱っていますが、モンテネグロというちょっと珍しい国のワインです。 大西:たしかに初めて見ました! モンテネグロでもワインを作っているんですね。 関(将):モンテネグロってどこでしたっけ? 野村/店長:イタリアの反対側に位置する小さな国ですね。モンテネグロのワインはあまり国外に出ないので、日本でも目にすることは少ないと思います。 大西:本当にワインの世界は広いですね。 野村/店長:そしてお料理はホタテと夏野菜のガスパチョ仕立てです。ガスパチョのソースには野菜の旨味がぎゅっとつまっています。せっかくですので、ソースもぜひパンにつけるなどして召し上がってみてください。 大西:うん、酸味がさわやかですごく夏っぽいです! 見た目もかわいいですね。 関(将):このワインとまた合いますね! 野村/店長:ワインはソーヴィニヨン・ブランというすっきりさわやかな品種なんですよ。 大西:外の猛暑がすっかり吹き飛びました(笑)。 関(将):さて、まず大西さんのお仕事にいろいろとお聞きしたいのですが、そもそもAIに興味を持つきっかけは何だったのですか? 大西:どこまで遡るかによりますが、最初に興味を持ったのは子ども時代です。鉄腕アトムが大好きで、あの可愛らしいフォルムと、ロボットが家族になる世界観に惚れ込みました。それで、コンピュータ系の仕事に就いて、鉄腕アトムをつくることが夢になったのです。 関(将):子ども時代からですか! 当時はまだ今みたいにAIブームというわけではなかったですよね。 大西:そうですね。AIという言葉がフィーチャーされたのは本当に最近のことで、私が大学生の頃はまだ今のように流行ってはいませんでした。世間的にはまだ、SFに出てくる言葉のような現実味のない概念だったと思います。 関(将):AIというと今は第3次ブームだと言われていますね。 大西:ええ。第1次と第2次ブームはかなり昔のことで、あくまでも研究者の中でのトレンドという感じでした。今の第3次ブームになって、ようやく一般社会のビジネスなど目に見える形になった印象です。 関(将):そうですね。ようやく地に足がついた感じがあります。今のブームは単なる流行り物で終わらず、このまま定着していきそうですよね。 大西:そう願いたいですね。 関(将):話を戻すと、そこから大西さんは大学に入ってAIの研究に? 大西:AIの一つの領域である自然言語処理を専門に研究していました。今でこそ自然言語処理は花形領域ですが、当時は地味な研究でしたよ(笑)。 関(将):就職されてから急にブームが来た、と。 大西:そうなんです。私としてはやっていることは変わっていないのですが、世の中の方が変わりました。おかげさまで、メディアでの連載や講演活動、著書の出版など、お仕事の幅が一気に広がっています。もともと話すことや伝えることは大好きなので、そういったお仕事をいただけるのは嬉しいですね。 関(将):著書といえば、3月に「いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門」を出版されましたよね。何度も重版がかかるなど好評とのこと。実は私もこの対談が決まる前に、ふつうに購入して読ませて頂きました。 大西:ありがとうございます! 関(将):AIの基本から応用まで、体系立てて勉強できる本が意外と他になくて、とても勉強になりました。この本はどうして書こうと? 大西:その理由は私自身の経験にあります。AIといえば機械学習やディープラーニングがトレンドの技術ですが、実は私はそれらの専門ではなかったんです。あくまでも自然言語処理の専門家だったんですよ。むしろ素人だったといっても過言ではないです。 関(将):えっ、そうだったんですね。 大西:でも、どんどん技術は進化し、時代は動いています。入社後はやはり機械学習の技術が必要になりました。それで必死になって勉強したのです。その後、国立研究開発法人 情報通信研究機構に出向するのですが、今度はディープラーニングの知識が必要になり、またしても勉強するはめになりました(笑)。 関(将):なるほど、まさに時代の転換点を過ごしてこられたのですね。 大西:機械学習やディープラーニングについて勉強しているときに私が感じたのが、「世の中には初心者向けのAI解説本と、めちゃくちゃ難しい技術書はあるのに、その間をつないでくれる本がない」ということでした。つまり、一冊でAIのことを体系立てて学べる本がなかったのです。だったら私が書こう、と。 関(将):ああ、たしかにわかります。今はインターネットにいろいろな情報がありますが、あれも記事単位でバラバラですからね。 大西:ちょうどその頃、知人の紹介で「IT Search+」というメディアにAIの解説を連載することになりました。その内容をまとめて加筆したものが『いちばんやさしいAI〈人工知能〉超入門』なんです。 関(将):よくわかりました。大西さんご自身の経験から来ていたとは……。 大西:私のようにこの本を必要としている人がきっとたくさんいるはずだと思っています(笑)。 関(将):まさにそうだと思います。というのも、今あらゆる会社がAIをビジネスに活用しようと取り組んでいます。そういった会社の方がAIを理解する手始めとして本書はぴったりだと思いました。 大西:そうなんです。AIを理解しようというと数学を勉強しなきゃいけないのかなと身構えてしまうかもしれませんが、はっきり言って数学の知識は必要ないんです。コードはネットにいくらでも落ちていて、少し手を加えるだけで使えたりします。エンジニアなら別ですが、その他の職種レベルで大事なのはAIという概念を理解できているかどうかです。 関(将):機械学習やディープラーニングにしても、データの学習はAIが勝手にやってくれるわけですからね。大事なのはデータをどう読み取るかですよね。 大西:おっしゃる通りです。 人事部へのAI導入に必要な人材・スキルとは? 野村/店長:続いてのお料理は飯ダコとオリーブのマリネです。飯ダコと夏野菜をマリネにして、もち米を食感のアクセントに。ケッパーでさっぱりとした味付けにしています。合わせるワインはギリシャのサントリーニ島を代表するアシルティコという品種を使った白ワインです。 大西:サントリーニ島ですか! 私、旅行が大好きでサントリーニ島にも行ったのですが、アシルティコはそのとき飲めなかったワインです。まさか今日飲めるなんて、嬉しいです! 関(将):先ほどのワインとはまた少し違ったさわやかさで面白いですね。 大西:何だかギリシャの潮の香りを感じるようなワインですね。柑橘系のニュアンスでさっぱりしているけど、コクもあって、旨味の豊富なタコにしっかり合いますね。 関(将):食欲がどんどん湧いてきます(笑)。さて、人事部へのAI導入についてもお聞きしたいのですが、AIを取り入れていくとしたら、具体的にはどういった作業が必要になりますか? 大西:人事部に限った話ではありませんが、何より大事なのは“今ある課題の中でAIが得意な仕事を探す”ということです。AIも1から100までなんでもできるわけではなく、得意なことと苦手なことがあります。今抱えている課題の中で、AIが得意とするものを見つけることが必要なんです。 関(将):仕事の中のどこをAIに置き換えるか、ですか。そうなるとむしろAIの知識よりも今の業務への理解が必要ですね。 大西:まさにそうなんです。人事の仕事にどんなものがあるのかを知らなければ、どれをAIに任せるのがいいのかわかるわけがありません。それから、どこまでならAIができるのかを知っておくことも大事です。 関(将):一人ですべて理解できる人ならいいですが、そんなスーパーマンはなかなかいませんよね。 大西:ふつうはそうです。ですからチームの座組が大事になります。人事の仕事に精通し、「ここはAIでいけるのでは?」と考えられる人。それを実現するためには具体的にどんなデータが必要なのかを考えられる人。そしてそういったAI活用のやり方を現場にうまく伝えられる人。もっというならビジネスにどれくらい貢献できるのかを想定して上司を説得できる人も必要でしょう。 関(将):データを取得するといっても、人事部はあまり予算をかけられないことも多いので、既存のデータをうまく活用できるスキルが重宝されそうですね。 大西:その通りですね。 前編では大西さんのお仕事や、AIとは何かといったお話を伺いました。後編では具体的にAIをどう人事に生かしていくのか、AIで仕事がどう変わっていくのかといったさらにディープなトークを繰り広げます。 今回のお店 あじる亭 Annesso 赤坂見附駅から徒歩5分。赤坂あじる亭の姉妹店で、Annesso(アネッソ)とはイタリア語で「別館」という意味。2018年にリニューアルオープンしました。フレンチをベースに、ワインに合う欧風料理と世界のワインをご提供します。スタッフは全員がソムリエ有資格者。シェフのこだわり料理をバルスタイルでどうぞ!
コラム 2018年8月21日 服部 篤 AI時代のES(社員満足度調査)とアナリティカルシンキング ES調査に関連したデータとして、2011-2012年にかけて142か国20万人以上を対象にギャラップ社が行った「国別のEmployee Engagement比較」によると、日本においては会社に対して 「Engage(愛着がある、信頼関係があるの意味)している」と答えた比率はわずか 7パーセントであり、先進国中一番低いとのデータがあります。世界において日本の人口一人当たりのGDPが年々ランクダウンしているのは、このあたりも要因の一つかもしれません。 一方、2017年4月の労政時報における「人事関連制度の改定状況アンケート」における回答企業の「4割強がES調査を実施し、そのうち7割は新たにES調査を開始した」との結果で見るようにES調査を実施する企業は確実に増加しているようです。 近年、我々のクライアントからも以下のようなニーズでES調査のご相談を頂くケースが増えています。 過去に実施したES調査の結果に対して、様々な施策を実施してきたが、その効果を検証したい。 これから定点観測として定期的にESを実施し、Engage効果を高めていきたい。 投資ファンドが投資先企業の社員の意識の現状を把握しておくためESを行いたい。 新たにES調査の取り組みが増えている理由は、ESの高い企業ほど業績に好影響を与える傾向があるとの認識が高まったこともありますが、ここで改めてとその背景について取り上げてみたいと思います。 まず考えられるのは、採用環境が売り手市場となり、人材獲得競争が激しくなっていることがあります。つまり、これから採用しようとする人材に対し、社員の満足度が高い企業とのイメージをアピールして応募者を増やす必要があるためであり、もう一つは、既存社員の離職を抑制するために、ESサーベイを活用して実効性のある施策を打つことが重要な課題となっているためです。 既存の社員に関して言えば、新たな人材の確保や育成にかかる費用が膨らむ中、実際にその投資に見合う人材の採用が不確実である状況を考えると、既存社員のモチベーションや能力向上に投資をした方が総合的なメリットが大きいと考える企業が増えていることがあります。 また、企業内には正社員だけではなく、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員など多様な雇用形態が存在し、働き方もフレックス、リモートワーク、短時間勤務、副業など選択肢が増えています。その中で、きめの細かいESサーベイによる検証を行い、全体最適かつフェアな施策の必要性が高まっていることも見逃せません。 かつては、ES調査の結果がネガティブに出る事態を危惧して、実施をためらっていた企業も、ES調査を活用した施策によるエンゲージメント向上が社内の活性化や業績に好影響を与えるという認識が高まり、ESの実施に向けたハードルが下がってきたことも大きな要因でしょう。 ES調査の実施にあたっても、以前は紙やPCが中心でしたが、近年のクラウドサービスの進化に加えスマホやタブレットの普及によって、簡便にアンケートの実施と回収が可能となり、手間のかかる紙による制作や回収作業がなくなったことも増加につながっています。 従来はES調査で収集した結果だけを検証して施策を検討するケースがほとんどでしたが、現在は収集されたデータの活用方法も大きく変ってきています。最近、我々が行ったコンサルティングに、ES結果のデータだけでなく、多様な人事データ(評価項目の結果、研修実績、出退勤時間、残業、有給休暇傾向など)をAIをエンジンとする解析ツールを活用して多次元のデータを分析するプロジェクトがありました。その結果「パフォーマンスの高い組織と低い組織との違い」「退職や休職に至る人材の特性」など、いままで着目されていなかった要因を抽出することができ、一歩先を読んだ効果的な人事施策を打つことが可能になったのです。 通常ES調査において従業員満足度を分析するポイントは大きく「①仕事自体と評価」「②働く条件と環境」「③会社への信頼感」の3つだと言われています。その各ポイントの要素を企業特性に応じて可能な限り具体化し、データ化し、見える化し、収集し、分析することで、始めて実効性と即効性のある施策に直結し、社員の満足度、エンゲージメントを高めることにつながります。 働く環境といえば、近年AIやRPA(Robotic Process Automation)の進化により、これまでシステム化が難しいとされていた人手による事務処理の領域も自動化が容易になりつつあり、ルーティーンワークの多くを機械が代行する事から、人にはより高度で独自性の高い役割が求められる状況になっています。 今後、組織と人の在り方や生産性がますます重要となっていく中では、ES調査だけでなく、組織内にどのようなデータが蓄積されているのか? 重要なデータとは? データから何を解析するのか? 解析した結果をどのように活用するのか? など・・・これまでとは異なる新たな思考とアプローチによる意思決定と施策が必要になっているのです。 ビジネスの現場でAIや機械学習が活用される時代には、ビジネスリーダーの果たすべき役割は、ES調査に限らず、多様なデータを分析し活用した意思決定と施策の実行です。 セレブレインでは、データを分析して意思決定するために欠かせない実践的アプローチ手法を身に着けるプログラムとして、アナリティカルシンキング(ATT)トレーニングを提供しています。ご興味をお持ちの方は、お問い合わせ下さい。
ワインの豆知識 2018年8月09日 ソムリエに訊く!ワインの当たり年ってどういうこと? 「2015年は◯◯ワインの当たり年なので、オススメです。」こんな会話をレストランやショップでされたことはありませんか? 年により評価が異なることもワインの特徴です。 でも俗にいうこの「当たり年」とは一体なんなのでしょうか? ソムリエに訊いてきました。 [目次] 当たり年とは? 当たり年以外のワインはどうなの? まとめ 当たり年とは? 「当たり年」とは一般的には美味しいワインのできた年のことです。 ワイン業界では原材料となるぶどうの収穫された年のことをVintage(ヴィンテージ)と呼んでいます。「当たり年」のことをGreat Year(グレイトイヤー) 、Big Vintage(ビッグビンテージ)なんて呼ぶこともしばしば。 さて、この「当たり年」、ぶどうの生産において適した天候だった年が「当たり年」となります。当然地域により異なり、これらの年代×地域をまとめたものをVintage Chart(ヴィンテージチャート)と呼び、様々な評論家が独自の視点や採点項目により作成しています。 参考までにフランスボルドー地方では、1982年、2000年、2005年、2009年、2015年が当たり年と言われています。(その他多数ありますが、その中でもよく取り上げられる年に限定しております) 当たり年以外のワインはどうなの? 最近では天候が悪い年を「冷涼ヴィンテージ」なんて言葉を使ったりもするそうです。 では、冷涼ヴィンテージのワインは美味しくないのでしょうか? ここで改めて「美味しいワイン」に影響を与える要因について教えてくれました。 ワインには「天地人」という考え方があるそうです。 天・・・天候 地・・・土壌 人・・・人がかける手間ひま 天候がいいだけでは美味しいワインはつくることはできません。 逆に、天候が悪くても「人」の力により美味しいワインを作ることも可能となります。 昔は技術が足りず、天候の影響は非常に大きい部分を占めていました。しかし、近年ではピンポイントで天気が分かるようになり、悪天候に対する対策を練ることも可能となりました。生産者の努力により「当たり年」でなくても、十分美味しいワインが楽しめるようになってきているそうです。(とは言うものの、雹害など、分かっていても防ぐことのできない天災は今でも生産者を苦しめています) まとめ 年により味わいに変化があるのがワインですが、多数収穫され、また長期熟成に向くワインに対して「当たり年」というような単語が生まれています。しかし、その年にはその年の良さがあり、生産者たちの工夫が施されています。Vintage チャートはあくまで参考に、こうした背景を複合的に判断しながらソムリエはワインを選別しているとのことです。 「最終的には、「当たり年」は味が濃い(タンニンが強い)とみるとよいかもしれないですね。評価されていない年は美味しくないのでなく、さっぱり控えめな傾向は多いかも。」 年代を飲み比べてお好みの1本を探すのもワインの楽しみ方ですね。 ・ ・ ・ 余談ですが、「当たり年」について訊くと何やら大きな本をソムリエは持ってきてくれました。タイトルは「ボルドー」。ボルドーワインについて、シャトー毎、年代毎の著者の評価が網羅されている本とのことでした。 フランスのひとつの地方のワインについてだけで、これだけ分厚い本ができあがることに、ワインとは改めて歴史があり味わい深い世界なのだということを認識させられました。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインで対談 2018年8月05日 米国在住マーケティングマネージャーが語るHRテクノロジーの最新事情 – セレブレイン中澤 佳奈生 × セレブレイン高橋 敦子 セレブレインのコンサルタントとゲストが、ワインと料理を楽しみながら人事について本音で語り合う対談企画。第8回ゲストは、セレブレイン マーケティング マネージャーで米国在住の中澤 佳奈生さん(写真左)。HRテクノロジーの本場・カリフォルニアの最新事情についてお話いただきました。聞き手はセレブレイン代表取締役副社長・高橋 敦子が務めます。 第8回ゲスト:中澤 佳奈生さん略歴 30年以上に渡り日米間でERPシステムを中心としたソフトウェアの企画、開発、運用に携わっている。2007年より米国に拠点を移し、米国の日系企業を中心とする管理会計のコンサルティングの業務を行いながら、クラウドベースのソフトウェア開発に携わる。この5年ほどは インターネットを活用した食ビジネスに範囲を広げ、 食の生産者・販売業者と消費者を結ぶサービスを立ち上げている。セレブレインでは、これまでの経験を活かして、米国を中心としたグローバルにおけるHRテクノロジーのマーケットリサーチや、アライアンスをリードしている。米国カリフォルニア州オレンジカウンティ在住。 米国はもっともHRテクノロジーの進んだ国 高橋:中澤さん、お久しぶりです! 本日は茜坂にようこそ。いつもは米国と日本で離れて仕事をさせていただいていますが、やっぱりこうして顔を合わせてお話できるのはいいですね。ぜひ和食とワインのペアリングを楽しんでください。 中澤:ありがとうございます。和食とワインのペアリングはとても楽しみです。カリフォルニアにも和食のお店はあるけれど、やっぱり日本で食べる和食はいいですね。特にセレブールのお店、料理もワインも本当においしいから楽しみです。 高橋:それじゃあ再会を祝して乾杯しましょう! 中山/ソムリエ:中澤様、ようこそ茜坂へ。ソムリエの中山です。本日は乾杯用にシャンパーニュをご用意いたしました。200年続くシャンパーニュメゾン、「R&L ルグラ」のブラン・ド・ブランです。 中澤:わっ、これすごくおいしい! 高橋:キリッと冷えていて立ち上る泡も繊細ですね。すばらしくエレガントです。 中澤:ブラン・ド・ブランっていうんですね。 中山/ソムリエ:はい。白ぶどうだけで作ったシャンパーニュのことをそのように呼びます。爽やかで夏にぴったりかと思います。 高橋:本当にそうですね。 中澤:ああ、もうすごく幸せ(笑)。 高橋:そうですね(笑)。このまま飲んでしまいそうだけど、今日はお話も楽しみにしていました。HRテクノロジーの本場といえばやっぱりカリフォルニア。中澤さんは2007年に渡米されて以降、ずっとカリフォルニアでお仕事されていますよね。 中澤:はい、そうなんです。テクノロジーベースで仕事をするにあたって、エンジニアにとっては働く環境や学べる環境が米国と日本で大きく異なるので、なかなか帰国して仕事するに至りませんでした。今、セレブレインと一緒に取組みを推進している「HRテクノロジー」の分野でも米国がもっとも進んでいると思っています。昔、日本で人事システムの開発に携わったことがありましたが、そのときはまさかこんなにテクノロジーが進化した時代がやってくるとは思わなかったです。 高橋:米国以外の状況はどうなのでしょう。 中澤:昨年ラスベガスで開催された大規模なHRテクノロジーカンファレンスにはヨーロッパの企業も多く出展していました。スペイン、イギリスなどの企業に加えて、最近はインドのスタートアップ企業が多く参加しており、世界各国でも盛り上がりをみせています。 高橋:そのように伺うと、日本はまだまだ世界に出ていくようなレベルじゃないのかなって思いますよね。 中澤:そうですね、日本企業をワールドワイドなカンファレンスで見かけることはまだ少ないですね。 中山/ソムリエ:シャンパーニュに合わせて最初のお料理をお持ちしました。前菜の盛り合わせには、長芋を使った素麺、煎り酒のジュレ。香り付けのオリーブオイルは小豆島のものを使用しています。そして三つ葉ととり貝のおひたし、生雲丹と生の湯葉。笹の上に載っているのは酢だことトマト、鯛を昆布締めにしたものを笹巻にしました。それから五三竹を胡麻和えに。イサキの真子、白子、鮎の南蛮漬けです。 中澤:すごい! 盛りだくさんですね! 高橋:豪華ですね! 中澤:やっぱり日本で食べる和食はいいですね。 高橋:話はそれてしまいますが、最近のシリコンバレーにおける日本食事情はどのようでしょうか? 中澤:天ぷらなどに関してはだいぶレベルがあがってはきましたよ。どちらかといえばカジュアルなイメージですね。美味しくなってきていて、安心して食べられる店も増えてきました。高級というとお寿司になることが多いかもしれません。ただ、ここまで季節感のある日本料理はなかなか食べることができないですね。米国では、お料理をシェアする文化もあって、ラーメンなんかもシェアして食べたりするのは面白いところですね。 中澤:そういえば、最近、セレブレインでは「AIエンジンを活用した人事データ分析」をテーマにしたセミナーを開催していますが、反響はどうでしょうか? 日本における状況はどうなんだろうと気になっていました。 高橋:シリコンバレーでは、すでに当たり前のようにAIや機械学習を活用してビジネスを推進したり、改善したりといったことが行われていますが、日本ではまだ一部のプロフェッショナル組織以外ではなかなか浸透していないのが現状、ということもあって、かなり反響はいいですね。特に数字から判断して意思決定をすることから最も遠い存在に見える人事の世界で、AIやデータをどう活用していけばよいのか、と大きな興味を持って頂いています。 中澤:そうなんですね。ようやく日本の人事部門でも本格的にテクノロジーやAIの活用が始まろうとしているのですね。カリフォルニアでは、人事部門にもデータサイエンティストがかなり多く存在するようになってきています。しかもかなりの割合で女性が活躍していますよ。もちろん、人事のみならずあらゆる部門でデータサイエンティストが活躍しているので、いまやシリコンバレーでは最も採用が難しい職種のひとつとして、大変な争奪戦が起こっています。 高橋:日本でもデータサイエンティストの採用をご要望頂くことは大変増えていますが、米国ではさらに激しそうですね。データサイエンティストに女性が多いというのは少し新鮮ですね。 中澤:カリフォルニアでは、データサイエンティスト以外にも、人事部門には基本的に女性の数が圧倒的に多いですよ。人事的な問題は慎重を要する必要のあることも多いので、女性の方が角が立たないってことはあるのかもしれません。米国では身だしなみの指摘ひとつにしても、人事が絡むんですよ。たとえばスカートの丈が短いんじゃないかっていう指摘も、上司じゃなくて人事を通して本人に伝えたりします。 高橋:そうなんですね。そのあたりは日本と文化や価値観の差が出るところですね。 中澤:でも実は、シリコンバレーってやっぱり男性社会?と感じることも多々ありますよ。女性で要職についている人の数は多いですが、経営の中心にはやはり男性の方が多いのは事実です。日本でも、最近は女性の登用などが結構進んできていますよね? 高橋:ええ。日本でも女性活躍推進法が施行されまして、女性管理職の比率も高めていく取組みが進んできています。ただ、全体としてはようやく努力目標レベルという感じで、まだまだ道半ばですね。 中澤:米国ではEEO(Equal Employment Opportunities)という、日本における雇用機会均等法に該当するルールがありまして、男女だけじゃなく、人種、年齢、国籍など、雇用上のあらゆる決定において差別を禁止する規定になっていますので、採用には細心の注意が求められます。ただ、もちろん応募時には人種や男女、年齢などがわからないようにはなっているけど、結局名前のラストネームから推測して、人種や男女を見分けて、採らないようにしている会社なんかは、米国でもあったりしますね。 高橋:ダイバーシティの国でも、そんな実態もあるんですね。 中山/ソムリエ:続いてのお料理です。「フォアグラ飯蒸し」はもち米にフォアグラを合わせた当店のスペシャリテでございます。お酒はもち米に合わせて石川県・鶴野酒造さんの「茜坂」をどうぞ。無濾過の生原酒でお米の甘みがしっかり残っていますよ。 中澤:「茜坂」というとお店の名前と同じですね! 高橋:実は当店のために鶴野酒造さんにつくっていただいたお酒なんです。茜坂は和食とワインのマリアージュを楽しめるお店ですが、こうして日本酒もお出ししているんですよ。 中澤:うーん、すごい! たしかにぴったりですね。すごく贅沢な味わいです。 高橋:ワインだとフォアグラにはソーテルヌが定番だけど、甘めの日本酒もすばらしいマリアージュを見せてくれますね。 中澤:今日のお料理、どれも本当においしくて華やかで……すごいです。 高橋:この後も楽しみですね! 人事のお話に戻りますが、HRテックについて、米国ならではと感じることはありますか? 中澤:採用でいうと、ビデオ面接がかなり多くなってきています。以前からスカイプやテレカンでの面接は普通に行われてもきましたが、最近はビデオ面接のテクノロジーがかなり進化して、リアルタイムで面接しているのと全く変わらないパフォーマンスを発揮しているようです。 高橋:日本でもなくはないけれど、まだまだ。差は大きいですね。弊社でもお客様にはかなりお勧めしているのですが、普及が進むにはまだまだ壁があるのを感じています。どうしても、「直接会わないと評価できない」という思い込みが強いようです。最終面接までのプロセスを効率的にできることや、データを残して判断に活用できること、複数人で評価できる、というメリットも大きいと感じてはいるのですが。 中澤:なるほどね。日本では、遠いといっても米国ほど国内移動にも時間がかからないので、直接会いましょうということになるのかもしれないですね。ただ遠方だとやはり交通費もかかるので、ビデオ面接はもっと普及してもいいと思いますね。 高橋:その通りですね。採用ひとつとってもお国柄が出ますが、採用後についてはいかがですか? 中澤:日本と大きく違うのが、米国は小さな会社でも1on1ミーティングをしっかりと実施するところが多いことですね。不満があるとしたらそれは何か、パフォーマンスが上がっていないならその原因は何なのか、2週間に一度は上司と向き合って話をして、その声が反映されるんです。 高橋:最近は日本でも同じような制度を導入する会社も増えてきましたが、まだ一部の先進的なビジネスモデルの会社くらいですね。でも、新しい取組みに対する情報伝達スピードが圧倒的に上がってきているので、学習段階の企業は増えているのではないかと。1on1をサポートするシステムも出てきているので、GAPは埋まってくると私は思っています。 中澤:色んな意味で米国の方が日本より厳しいというのも理由の一つかもしれませんね。契約社会だし、何かあると訴訟につながったりしますから。システムと数字で明快に管理しないとダメなんです。だから、そこでまたデータサイエンティストが必要ということになりますね。 中山/ソムリエ:メインディッシュに「和牛と花山椒のしゃぶしゃぶ」をお持ちしました。ワインはアントナン・ロデのサヴィニー・レ・ボーヌ1999です。とろけるような肉の味わいと熟成したブルゴーニュワインとのしっとりとしたマリアージュをお楽しみください。 中澤:もう、お肉の見た目がすごいです(笑)。 高橋:きれいな色合いですよね。しゃぶしゃぶで贅沢にいただきましょう。 中澤:うーん! たまらないです! 旨味がすごくて、口の中でとろけた後もずっと余韻が残っています。 高橋:ブルゴーニュの熟成したピノ・ノワールが絶妙ですね! 中澤:本当に、最高の組み合わせですね。なんでこんなにワインと合うのかしら。 中山/ソムリエ:かつおだしや昆布出汁などの旨味と、熟成したブルゴーニュの出汁感が合うんですよ。花山椒も良いアクセントになっていると思います。 中澤:なるほど、たしかにワインにも出汁の要素がありますね! おもしろいです。 高橋:楽しんでいただけてよかったです! 中澤:こちらの茜坂は、和食とワインのペアリングがコンセプトなんですよね。最近は日本でもそういうお店が増えているんですか? 高橋:どうでしょう。増えてはいると思いますが、まだ発展途上のジャンルだと思います。本格的な和食とのペアリングでは、茜坂はかなり自信を持っています。 中澤:すばらしいと思います! 高橋:和食とワインなら日本も負けていないんだけど! ただ、日本でも徐々にHRテクノロジーやAI/データサイエンスの世界も間違いなく浸透してきているので、あるタイミングで一気に変わる気もしてます! 中澤:そうですね。私は離れているので、日本では何がきっかけになるかはわからないけど、楽しみですね。 高橋:……という話を私たちは90年代からずっとしているんですけどね(笑)。HRテクノロジーの普及に向けて、もっとがんばっていこうと改めて思いました。中澤さん、今日はありがとうございました。 今回のお店 ワインと和食 茜坂 赤坂駅徒歩2分。落ち着いた和空間で素材を極力シンプルに生かした純和食とワインのペアリングが楽しめます。完全個室からカウンター席まで完備。板前・ホール全員がソムリエの資格を持ち、コースに合う最適なワインをご用意しております。 取材を終えて ライター・カメラマンの山田井です。 中澤さんから米国のHR最新事情を伺うことができ、改めて日本との違いが浮き彫りになりました。今後、日本でもHRテクノロジーが普及していくと思われますが、どのような形で広まっていくのか注目したいところです。 さて、今回のお料理とワインですが、どれも見事なペアリングでした。それぞれ単体でもすばらしい品々なのですが、ワイン、そして日本酒が組み合わさることで極上の味わいとなります。 フォアグラと日本酒、そしてしゃぶしゃぶと熟成ブルゴーニュはぜひ一度、体験していただきたいマリアージュでした。
ワインの豆知識 2018年7月31日 高級ワイン、なぜあのワインはそんなに高いのか?ワインが高額になる7つの理由 ※画像はカリフォルニアの高級ワイン「オーパスワン」 ロマネ・コンティ/モンラッシェ/オーパスワン・・・世の中には沢山の高級ワインが存在しています。中には1本数百万円なんてものもありますが、なぜ、あのワインはそんなに高いのでしょうか? プロであるソムリエの視点からその理由について教えてもらいました。 [目次] ワインが高額になる7つの理由 ソムリエからのコメント ワインが高額になる7つの理由 当たり前のことかもしれませんが、商品の値段は製造にかかるコストと需要と供給のバランスで決まります。 ワインに関しては、以下の項目が要因になっています。 1.収穫方法 機械など使わずに人が手作業で行っている場合、人件費がかかり製造コストが上がります。ぶどうに限りませんが、ちょうどいい果実収穫のタイミングは一瞬しかありません。最高の状態で収穫するためには、ひとつひとつ目視が必要なため、手間も発生します。 2.ぶどうの木の密植度 密植度(単位面積当たりの植樹数)が高いと養分の吸収を競争しあうため、地中深くまで根をはり美味しいぶどうができると言われています。(植樹の話は、密度をあげれば良いというレベルではなく、根の張り方の考え方も栽培家により異なります。)収量をどうコントロールするかがコストに反映していくという認識をここではしてください。 3.一本あたりの実の数 美味しいぶどうを作るためには、木一本あたりの実の数を意図的に減らすことがあります。養分が分散せず集中するため、通常よりも濃いぶどうができます。当然、収穫量も減るため、実ひとつあたりのコストは大きくなります。 4.土地代 ワインに適した土壌では、産地ごとにそれぞれの格付けがされています。それらの土地代もワインの料金に反映されています。 5.輸送費 海外から日本にもってくる際の輸送代も料金に上乗せされています。 6.税金 海外のワインを日本にもってくる場合は関税が発生します。こちらもワインの料金に上乗せされています。 7.プレミア 製造原価とは関係なく、希少性やブランドイメージなどでも販売金額は変わります。そのため、販売者のマーケティング戦略によって金額も大きく変動します。 ソムリエからのコメント 上記1〜4の理由により、一般的に高級なワインの方が果実の濃縮度が上がり、味は「複雑味のあるもの」になっていく傾向があります。 また、高級なワインになると、瓶自体にも劣化を抑えるために分厚く作られていたり、偽造防止の工夫が施されていたりするそうです。(実際、高級ワインの偽物も世の中には広く流通しているとのこと。)当然、これらの瓶のコストも販売金額には上乗せされてきます。 劣化を極力防ぎ、熟成に耐えられるものにするために、「コルク」の品質も無視できません。 余談ですが、高級なワインはお店側としては売るためだけでなく、ステータスとして確保しているケースもあるんだとか。「あのワインを置いているお店なんだ」と思われること自体が格式につながるそうです。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く