ワインの豆知識 2018年4月25日 どこまでこだわるべき?ソムリエに訊く家庭でのワインの保存方法 コルクを抜いた飲みかけのワイン、家庭ではどのように保存していますか?初心者には難しそうな気がするワインの保存方法。どうすれば美味しさを保てるのか、ソムリエに訊いてきました。 [目次] ワインの保存、気を付けること 道具の紹介 まとめ ワインの保存、気を付けること 「ワインをうまく保存をして美味しさを保つ」とはどういうことのなのか? ソムリエの回答は①抜栓前「熟成という過程を経てより美味しくする」②抜栓後「酸化をできるだけ防ぎ、飲み頃期間を延ばす」とのことでした。 ワインに限らず醸造しているお酒は一般的に熱に弱く、急激な温度変化があると劣化が進み、本来望まない酸味や不快な香り、味わいになる可能性があります。既に発酵しているため腐ることはしませんが、極端なことをいうと、お酢のようになってしまいます。 うまく保存することができると、味が熟成されていき、旨味やコクが増え、ワインもオレンジがかってきます。(イメージ的にはキノコや紅茶のような味わいがでてきます。) 保存するときのポイントは次のようになります。 【保存するときのポイント】 ・12度から14度程度(16度を超えての長期保存は劣化や再発酵の可能性がある) ・湿度70%程度(乾燥しているとコルクが乾いてしまったり、蒸発の可能性がある) ・暗いところ(紫外線があたると酸化を早まる) いわゆるワインセラーはこれらの条件をキープするための道具とのこと。 ワインセラーがなく家庭で保存するときには、豆知識として以下のアドバイスをもらいました。 【家庭でワインを保存するときの豆知識】 ・急激な温度変化のない場所、暗所が良い(30度を超える場所は危険) ・湿度が欲しいので冷蔵庫にいれる場合は野菜室(チルド室)がオススメ ・新聞紙で巻く(紫外線を防いだり、保湿の意味) ・ラベルを汚したくない場合にはサランラップを巻く 道具の紹介 栓をあけた後に「酸化をできるだけ防ぐ」ための道具もいくつか販売されています。 そのなかで今回は3つほどご紹介いたします。 1. バキュバン 空気を抜くことで酸化を防ぐ道具です。(なんとなく、香りも一緒に出ていってしまうのではないか?そんな意見もたまに聞きます。) 2.アンチ・オックス カーボンがついている栓です。栓をするだけで、このカーボンにより酸化を防ぐことができます。日付けがついているため、いつ栓をしたかを管理することもできます。 3.コラヴァン 窒素ボンベが入っており、ワインを注ぐと空気のかわりに窒素が入る仕組みになっています。酸素が入らないため酸化を防ぐことができます。 この窒素部分は交換可能ですが、1杯換算約100円のコストが発生します。そのため、高いワインでないと効果に見合いません。家庭でつかうというよりも、お店でグラスワインを提供するときに使用されているケースが多いと思います。 余談ですが、海外では窒素ではなく、アルゴンガスを使用しているものもあります。日本では、アルゴンガスが食品添加物として認められていないため、使用されていません。 まとめ よく「製造されてからいつ頃のワインが飲み頃ですか?」と訊かれることがあるそうですが、結局は好みになるためなんともいえないとのこと。生産者は「出荷したときから飲み頃」という事が多いです。ソムリエとしては、熟成してどれくらい耐えられるかを見極めますが、プロでも意見が分かれるところであり、評論家の一つの見解にすぎないそうです。ソムリエからの意見についても、ひとつの参考として考えていただくのが良いと思います。 コルクを一度抜いたあとの保存方法については、その人がどこまでこだわるかによります。コルクを差し直して、冷蔵庫に入れておくだけで気にならないひともいれば、あらゆる道具を駆使して少しでも酸化を抑えたいひともいます。(ちなみにソムリエが家で飲む場合は1週間以上経っても平気で飲みます。ただし、味の変化はありますから、それを楽しむという前提が必要です) 結局のところ、コルクを抜いたあとは「できるだけ早く飲む」に越したことはありません。酸化を遅らせることはできても止めることはできないからです。 道具によってどれくらい遅らせることができるのか? 興味のある人は今回ご紹介した道具を一度試してみてはいかがでしょうか? 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインで対談 2018年4月23日 形だけだった日本のタレントマネジメントがやっと変わり始めた – プラスアルファ・コンサルティング鈴村 賢治さん×セレブレイン幸前 夛加史【後編】 セレブレインのコンサルタントとゲストが、ワインと料理を楽しみながら人事について本音で語り合う対談企画。第5回ゲストは、株式会社プラスアルファ・コンサルティング取締役副社長の鈴村 賢治さん。マーケティング領域から参入された鈴村さんならではの視点で日本の人事の課題に切り込んでいただきました。聞き手はセレブレイン取締役パートナー 人事戦略コンサルティング担当・幸前 夛加史が務めます。 第5回ゲスト:鈴村 賢治さん略歴 株式会社野村総合研究所を経て、2007年にプラスアルファ・コンサルティング創業。取締役副社長に就任。データ分析やテキストマイニングを使ったCS(顧客満足)向上やビッグデータ活用プロジェクトを数多く推進。CS向上にES(従業員満足)向上が欠かせないこと、自らが経営者として感じた人材マネジメントの解決手法として「タレントパレット」を開発。幅広い業界での人材活用・育成・離職防止の推進・啓蒙を支援している。 タレントパレットが生まれたのは「自分たちが必要だったから」 鈴村:実はタレントパレットを製品化したのは、自分たちが必要としていたからなんですよ。 幸前:えっ、そうなんですか。 鈴村:ええ、社員が少ないときはコミュニケーションをしっかりとれていたのですが、100人を超えると全員と密なコミュニケーションを取り続けることは簡単ではありません。社員のことはわかっているつもりだったのに、ある日突然「仕事が合わないので辞めます」とか想定外の理由を聞かされてショックを受けたりするケースも増えてきたんです。社員のことをちゃんと理解できていなかった、と。 タレントパレットの原点は自分たちの会社経営での課題に対して、弊社が得意とするデータ活用の観点から解決できないかというところなんです。だから、タレントパレットは弊社が一番のヘビーユーザーです(笑)。 幸前:社員のモチベーションの状態がわからないと、タレントマネジメントはできませんよね。モチベーションは人間関係によっても違ってきます。スポーツのチームも監督が変わるだけで大きく変わりますし。 鈴村:実は新バージョンで「上長変化」という機能が実装されたんですよ。これまでも「異動変化」という機能があって、これは部署を異動したことでモチベーションが上がったか下がったかを抽出する機能です。ただ、モチベーションの上下にはもう一つ大きなトリガーがあることがわかりました。それが「上司が変わること」だったのです。 幸前:たしかに、人間ですので、相性の良し悪しはありますからね。 鈴村:そうなんです。こういうことがわかれば、社員のことを考えて異動を行ったのに、その意図がきちんと伝わらずにモチベーションが下がり、結果的に離職してしまうような不幸な出来事はなくなっていくと思うんです。 幸前:なるほど!相性を見える化することで、そういったことにも生かせるんですね。 鈴村:そうなんです。人の相性というのは内面の情報ですよね。同じ大学だったとか、同じ釜の飯を食ったからとか、そういうことも実は相性を知る重要な要素だと思います。そのような相性を見える化したい。どういう情報をどのように掛け合わせると、人の相性が見える化できるか、そのようなことにもチャレンジしたいと思っています! 店長/加藤:続いてのお料理は当店の看板メニューでもある「四川唐辛子のペンネアラビアータ」です。ベーコンやアンチョビがたっぷりで、旨味と辛味のバランスの良いお料理です。 鈴村:イタリアンと四川の融合とはユニークですね。 幸前:鈴村さんは辛いのがお好きということですので、ぜひこちらも。 店長/加藤:合わせて赤ワインをどうぞ。南フランスのドメーヌ・ド・ガブラという作り手のテール・ルージュです。温かい味わいでスパイシーかつジューシー。スパイスと相性の良い赤ワインですよ。 鈴村:これは合いますね。料理だけでもいいけれど、これはワインがあるとまた違いますね。 幸前:絶妙な組み合わせですね。 人事情報には多くの定性情報が眠っている 幸前:そういえば、タレントパレットには、テキストマイニングの機能が最近ついたんですよね? 鈴村:そうなんですよ! 幸前:そもそもテキストマイニングとはどういうものですか? 鈴村:テキストマイニングは、自然言語解析技術を使ってテキスト情報を分析して、定量的に発言内容や発言傾向を分析するための手法なんですが、実は、弊社はこの分野で国内トップシェアの技術と実績を持っているんです。 これまでは、主にマーケティング業務において、顧客アンケートの自由回答の分析や、最近ではソーシャルメディア、特にTwitterなどの膨大な量の投稿内容の分析で活用されてきました。 幸前:それを、今回人事業務領域に持ち込んだと? 鈴村:はい。人事情報にも定性情報が多く存在しています。例えば、社員アンケートのコメントや自己申告書にある“将来のキャリア希望”などの自由回答、面談時のメモ、それこそ、採用におけるエントリーシートも貴重な定性情報です。そのほとんどが管理はされているものの、十分にデータ活用されていないのではないかと考えています。 幸前:たしかに、そもそも定性情報というのは、通常は1件1件読まないと内容を読み取れないので、現場で活用していきたいと思っていても、分析するのは簡単ではないですね。 鈴村:離職防止分析の1つに「離職ワード分析」という機能があるのですが、実際に、過去の業務日報や満足度調査の自由回答から、在籍者と離職者の発言傾向の違いを分析してみると、離職者には、特に「業務量」とか「相談しにくい」というキーワードの出現が多いことが分かりました。こういうのが分かれば、似たような発言をしている社員がいたら早めにフォローした方がよいわけで、こういうのが離職防止につながると考えています。人事領域に眠っている定性情報は、これからの科学的人事に欠かせない宝の山だと思っています。 店長/加藤:続いてのお料理は当店の新しい名物の一つでもある「刺激的なスパイスたっぷりの痺れ豚」です。八角を利かせて甘辛く似た豚バラ肉に、当店で「痺れスパイス」と呼んでいるスパイスをふりかけています。 鈴村:痺れスパイス、すごそうですね。 店長/加藤:実山椒をメインに、ニンニクやフライドオニオンなどをシェフが独自にブレンドしたスパイスになります。 幸前:おおっ、これはピリッときますね。 鈴村:心地いいスパイス加減です。なるほど、痺れ豚、ですか。 店長/加藤:お料理に合わせるワインは、先ほどよりも、もう少ししっかりした味わいの南アフリカのクライン・ザルゼ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンを。 鈴村:ヨーロッパ風なのにどこかアジアな感じもあって、すごくおいしいです。 たしかにこれは赤ワインがあるといいですね。 幸前:僕も大好きで、毎回頼みます。 鈴村:これはワインが進んでしまいます(笑)。 日本の人事はいよいよ立ち行かなくなる段階にきた 幸前:それにしても、日本も今までの人材マネジメントスタイルでは人事部門が立ち行かなくなったというところにやっときたような気がしますね。どこかの時点で人事が経営や事業運営から切り離されてしまったように感じています。 鈴村:そうですね。たとえば人事評価は半期に一度という会社が多いですが、なぜ半期ごとなんですかと聞いても誰も回答できない。半期に一度面談だと、社員も評価の前になると急にやり始めたり、仕事のつじつまを合わせようとする。本来は日々の業務の中でリアルタイムに目標に対する達成感や満足感を図り、フィードバックしていくような動きに変えていかないと本質には変わらないと思います。 幸前:なかなか難しいところはありますね。人事評価を人事制度という全体のルールの中でどううまく運用するか、という儀式的なものになってしまっている会社も確かにあります。 鈴村:人事部門にはある程度文化を守る力学が働いていると思います。だけど、本当の人材活用を行うためには、自分たちのミッションについて、情報を管理するという観点から、積極的に経営や現場マネジメントの意思決定支援に活用していくというように、自らの役割を変えていかないといけないと思います。 幸前:それでいうと、ようやく節目に来たかなという感覚がありますね。たいていの人事トレンドがそうですが、アメリカから3年から5年遅れくらいで日本に入ってきています。ただ、タレントマネジメントという考え方が日本に入ってきたとき、日本にはまだいわゆる年功序列、終身雇用における職能等級制度というのがあって、一人ひとりというよりもマスで人材管理を行っていく文化でした。 鈴村:日本の文化とタレントマネジメントが組み合わさった混沌期があったわけですね。 幸前:モチベーションやタレントマネジメントの重要性って、実は15年くらい前から日本でもずっと言われ続けているんです。だけど、なかなか進まずに形だけになってしまっている側面もありました。ところが、いよいよ“社員が辞めていき、人が採れない”ということが課題になってきて、お尻に火がついたんですね。 鈴村:いよいよ日本の人材マネジメントも変革の時を迎えているわけですね。今日はとても楽しく会話ができました。ありがとうございました。 幸前:こちらこそ、熱い議論をありがとうございました! 今回のお店 あじる亭レピス 店名の「レピス」は仏語でスパイスの意味。世界のスパイスを使った料理とソムリエ厳選ワインを南仏のバルのようなおしゃれな空間で楽しめます。 取材を終えて ライター・カメラマンの山田井です。あじる亭レピスのスパイスのきいた情熱的な料理はどれも絶品。食べれば食べるほど食欲がわいてきます。 鈴村さんのお話もまさにあじる亭レピスの料理のごとく、刺激的な言葉が次々に飛び出す熱い対談となりました。 個人的に、料理で特に印象に残ったのは「トリュフ風味のスクランブルエッグ」と「刺激的なスパイスたっぷりの痺れ豚」。 ワインとの相性も完璧で、こんなマリアージュが楽しめるのは一流のシェフと“全員ソムリエ”のあじる亭レピスだからこそ。 鈴村さん、幸前さんのお二人も感動されていましたが、たしかにこれは何度訪れても毎回頼んでしまうと思います。ぜひお店を訪れたら真っ先に注文していただきたいですね。
コラム 2018年4月17日 AI時代の「新たな働き方改革」と人事データの活用 テレビなどのメディアでAIがプロ将棋名人に勝利したニュースが大きく取り上げられていましたが、今やAIや機械学習に関する記事を見ない日はないほどに注目を浴びています。さまざまな職種で、人が行っていた仕事をAIが取って代わる状況が生まれつつあり、これからの働き方改革は「AIを実装したシステムや機械といかに共存していくのか」が主要なテーマになるのではと予想されます。 企業の人事部門でもAIを活用した採用選考や人材配置に取り組む例が出てきています。また人事データの分析にAIを活用し、新しい気づきや発見を得て、経営課題の解決に取り組む動きもあります。 今回は、これらの人事データ分析におけるAI活用のメリットと成功のために欠かせないデータ準備の在り方についてお話ししたいと思います。
HRTech 2018年4月16日 採用活動にもテクノロジーを!採用チャットボットを活用した初期スクリーニングの実現 タレントプールや次世代型適性検査など、HRTechの利用はリクルーティングにも広がりをみせています。リクルーティング活動におけるHRTechとして、今回は採用チャットボットをご紹介します。 [目次] 採用チャットボットとは? メリット 活用事例 まとめ 採用チャットボットとは? AIを活用したシステムを介して、メールやSNS、メッセージングアプリなどで応募者とのやりとりができるシステムのことを採用チャットボットといいます。 チャットボットは顧客サポートの領域では徐々に利用が進んできています。それをリクルーティングのプロセスにおいて活用しているのが採用チャットボットです。 リクルーティングの流れは、大きく以下の4つに分類されます。 1. 採用の告知 2. 応募者の募集 3. スクリーニング(一次選考) 4. インタビュー設定 2、3、4のプロセスでは、通常は応募者とのやりとりを採用担当者がマンパワーをかけておこなっています。人に近いユーザーインターフェースを用意することで、これらの業務を可能なかぎり自動化するのが採用チャットボットです。 メリット 採用チャットボットを活用することで、応募者からの質疑応答対応の自動化とともに、やりとりを通じて応募者の経験やスキルレベルを取得することができるため、スクリーニングまで実施することができます。 これまでは、人材を大量採用するときは、セミナーを開催し、N:1のやり取りを経てインタビューまでの絞り込みをしていました。しかし、これらの業務を工数をかけることなく1:1のコミュニケーションを行い、やり取りのログなども残しデータを収集することで、採用プロセスを効率化・スピードアップさせることができます。さらに応募者の満足度向上やデータ分析など新たな価値の創造も期待されています。 活用事例 アメリカでは、陸軍の採用活動にこの採用チャットボットは活用されています。 ASK SGT STAR https://www.goarmy.com/ask-sgt-star.html こちらのバーチャルガイドに様々な質問をすることができます。 「Launch SGT STAR」をクリックするとチャットボットが出現します。 こちらに質問を入力すると即座に返信がきます。 「How do I apply? (どうやって申し込みすればいいですか?)」のような適切な質問に対してはWEBサイト自体も反応し、適したサイトへ切り替わります。 このようにして、サイト訪問者を適切なページに誘導し情報提供を自動化しています。 まとめ これまで、リクルーティング用のシステムとしては、ATS(Applicant Tracking System 応募者管理システム)が多くの企業に導入されてきました。 しかし、ATSはプロセス管理のツールであり、応募者とのやりとり自体は人手を介して行う必要があります。 AIやビッグデータの台頭で人とのコミュニケーションの部分までがテクノロジーで代替する時代がきています。今回ご紹介した採用チャットボットは、これからの採用活動のイノベーションとして大きな転換期になっていく可能性もあるのではないかと考えられます。
ワインで対談 2018年4月11日 形だけだった日本のタレントマネジメントがやっと変わり始めた – プラスアルファ・コンサルティング鈴村 賢治さん×セレブレイン幸前 夛加史【前編】 セレブレインのコンサルタントとゲストが、ワインと料理を楽しみながら人事について本音で語り合う対談企画。第5回ゲストは、株式会社プラスアルファ・コンサルティング取締役副社長の鈴村 賢治さん。マーケティング領域から参入された鈴村さんならではの視点で日本の人事の課題に切り込んでいただきました。聞き手はセレブレイン取締役パートナー 人事戦略コンサルティング担当・幸前 夛加史が務めます。 第5回ゲスト:鈴村 賢治さん略歴 株式会社野村総合研究所を経て、2007年にプラスアルファ・コンサルティング創業。取締役副社長に就任。データ分析やテキストマイニングを使ったCS(顧客満足)向上やビッグデータ活用プロジェクトを数多く推進。CS向上にES(従業員満足)向上が欠かせないこと、自らが経営者として感じた人材マネジメントの解決手法として「タレントパレット」を開発。幅広い業界での人材活用・育成・離職防止の推進・啓蒙を支援している。 対談の舞台は“スタッフ全員ソムリエ”のあじる亭レピス――まずはスペインの「カヴァ」で乾杯! 幸前:鈴村さん、本日はお越しいただきありがとうございます。 鈴村:よろしくお願いします。こちらのお店はセレブレインさんのグループ会社なんですか? 幸前:そうなんですよ。株式会社セレブールとして運営しています。 鈴村:すばらしいですね。 グループ会社にワインが飲めるビストロがあるのはすごくうらやましい。 仕事の後にミーティングもできそうですね。 幸前:できますよ(笑)。「ちょっと場所を変えましょうか」なんて言って。 鈴村:いいですね~ 幸前:では、まずはスパーリングワインで乾杯しましょう。加藤さん、こちらのワインは? 店長/加藤:スペインのスパーリングワイン「カヴァ」のラ・ロスカをご用意しました。 鈴村:こういう時の一杯目はスパーリングワインに限りますね! 幸前:こちらの加藤さんがあじる亭レピスの店長さんなんですよ。 実は加藤さんも含め、セレブールではお店の全スタッフがソムリエの資格を持っているんですよ。 鈴村:それはすごい。 男にとってソムリエって憧れの仕事の一つですよね。取るためにはどんな試験を受けるんですか? 店長/加藤:筆記試験とテイスティング、それから三次試験で実技ですね。 鈴村:三次試験まであるんですか!? すごいですね……。 幸前:鈴村さん、最初のお料理がきましたよ。 店長/加藤:「鰤のカルパッチョ 柚子の香り」をお持ちしました。柚子の香りがするドレッシングを使ったカルパッチョです。 鈴村:これはおいしい! 身が厚くて柚子の香りがまた爽やか。 食欲が出てきますね! 幸前:よかった! どんどん召し上がってください。 鈴村:ところで、幸前さんはセレブレインに入る前は、どちらにいらっしゃったんですか? 幸前:最初は銀行だったのですが、出向でシンクタンクに行って、そのままこの仕事がメインになりましたね。 鈴村:前職も人事系? 幸前:ええ。人事をテーマにしたコンサルが多くて。鈴村さんは野村総合研究所のご出身ですよね。 鈴村:CRMなどのシステム開発のほか、顧客データの分析などのマーケティング領域をやっていました。それからプラスアルファ・コンサルティングを設立して12年になりますね。テキストマイニング技術を駆使した見える化エンジンが主力製品です。 幸前:そこからタレントパレットで人事領域にも進出されて。 鈴村:タレントパレットをリリースして1年半くらい経ちますね。おかげさまで採用企業数ももうすぐ100社くらいになりそうです。 日本の人事はデータの管理は行っていても活用ができていない 店長/加藤:続いてはレピス名物、「パクチーとハラペーニョのサラダ」です。 幸前:おー、パクチがどっさり! 鈴村さん、パクチーは? 鈴村:大好きですよ! これだけあると食べ甲斐がありますね~ 幸前:この独特の香りがたまらないですね。 鈴村:うん、これもおいしいですね! 弊社はシンガポールに支社があって、アジア系の料理も好きなんです。唐辛子とオリーブオイルを使った辛い料理とか最高ですね。 幸前:あじる亭レピスの「レピス」はフランス語でスパイスという意味なので、辛い料理もいろいろとありますよ。 鈴村:今度、会社の仲間とも来てみたいです♪ 幸前:ところで、プラスアルファ・コンサルティングさんは昨年、HR EXPOに出展されていましたね。HRテックの活用で人事が変わりつつある中で、我々も最新トレンドは常にキャッチアップしているので、イベントや展示会には顔を出すようにしています。そのときにプラスアルファ・コンサルティングさんのブースにも立ち寄らせていただいて、タレントパレットの説明を受けまして。 鈴村:おお、そうだったんですね。幸前さんからみて、タレントパレット、いかがですか? 幸前:人事情報の見せ方が面白いなと思いました。人事データベースやグローバル人事のスキルデータベースなんかは前からありますが、結局“箱”の中に入れたものを管理するだけで、それをどう活かしていくのかという状況がずっとあったんですよね。 鈴村:そうなんですよ。 マーケティング領域では情報活用がすでに研ぎ澄まされていて、販売データをExcelで眺めるだけじゃなく、ビジュアルで見える化して分析します。そこから試行錯誤してPDCAを回していくことが業務として浸透しているんです。ところが、人事領域はまだほとんどの会社がExcel文化ですよね。 幸前:まさにその通りですね。 鈴村:データの管理はできても活用ができていないわけです。そう考えたときに、マーケティングのアプローチが人事でも求められているんじゃないかと思いました。 幸前:そこが人事でずっと変わってこなかったところですよね。タレントパレットはそのブレイクスルーになる着眼点だと思います。 鈴村:ずっと人事領域のコンサルティングをされている幸前さんにそう言っていただけるのは嬉しいですね。 大事なのは表面的な情報ではない 店長/加藤:次のお料理は「トリュフ風味のスクランブルエッグ」です。トリュフの香りをつけたクリームソースが女性にとても人気のメニューです。トリュフの香りに合わせて、少し樽の風味を効かせたカリフォルニアのシャルドネ「グレンブルック シャルドネ」をご用意しました。 鈴村:これ、すごいいい香りしますね! 店長/加藤:幸前さんも毎回注文されるお料理なんですよ。 幸前:たとえコースメニューに入っていなくても注文するくらい好物です(笑)。 鈴村:たしかに、その気持ちわかります。濃厚な香りがふわっと立ち上ってきます。これは、赤ワインとぴったり合いますね~。 幸前:何度食べても飽きません。本当においしい! ワインも香りが甘くてバランスがいいですね。 鈴村:私もワイン大好きなので、飲みながらこんなふうにお話できて最高です(笑)。 幸前:人事のお話に戻りますが、こんなエピソードがあります。とある会社がグローバル人材のデータを一元化するプロジェクトをやろうとしてデータを集めて入れてみたものの、次に聞かれたのが「で、このデータどう使うの?」と(笑)。 鈴村:それ、データ活用のあるあるですね(笑) 幸前:そもそも人事にはこれまでデータを活用するという観点が少なかったんですよね。 鈴村:おっしゃる通りですね。コンサルティングをしていると、先に仮説があって、それを検証するためにデータを集めるという発想になるんです。データを集めてから、さあどうしましょうとは順番が全く逆なんですよね。その企業のタレントマネジメントの目的を考えたら、そこに必要なデータは、もしかすると今持っているデータではないかもしれない。違う情報を新たに集めるべきかもしれない。そんなことだってあるわけです。 幸前:そういう意味では今までの人事って、データとして可視化されていない暗黙知的な感覚はすごく持っているかもしれません。 鈴村:そうなんです。暗黙知をどうデータに落とすのかは次のテーマだと思います。たとえばどの部署にどんな人がいるのか、データとしてはあるけど、結局その人は何がしたいのか、何が得意なのか。そういう“状態”を表すようなエモーショナルなデータを活用しないといけません。 幸前:適性検査や性格特性などをアンケートで取ったりはしているんでしょうけどね。 鈴村:だいたい取りっぱなしで終わりますよね。本当はそれをもっと人事情報と組み合わせて使うべきだと思っています。 幸前:本当にその通りだと思います。勤怠データや給与データも大事だけど、社員の顔色やコンディション、社員同士がきちんと会話できているのか、そういうところが重要なんですよね。 鈴村:生きたデータというのはそういう情報ですよね。先日、科学的な離職防止セミナーを行ったのですが、すぐ満席になったんです。昔は辞めたら補充すればいいって考えだったでしょう。でも今は採用難で次の人が採れない。特に外食産業や介護業界などは離職率の高さが経営課題になっています。そうなると、今いる人たちをいかに辞めさせないか、持っているパフォーマンスを引き出すかという発想に変えていかないといけません。 前編では、マーケティング領域から参入された鈴村さんだからこそ見えた、日本の人事における課題を浮き彫りにしてきました。 後編では、タレントパレットのユニークな機能が生まれた背景を伺いつつ、日本の人事が抱える問題とその解決策についてさらに深く話し合っていきます。 今回のお店 あじる亭レピス 店名の「レピス」は仏語でスパイスの意味。世界のスパイスを使った料理とソムリエ厳選ワインを南仏のバルのようなおしゃれな空間で楽しめます。
ワインの豆知識 2018年4月05日 赤坂のソムリエに訊く!今更聞けないワインの基本、スパークリングワインとシャンパーニュとシャンパンの違い (画像はシャンパーニュ(シャンパン)界のロールスロイス クリュッグ) 今回は祝いの席には欠かせないスパークリングワイン、シャンパンについて、ソムリエに訊いてきました。 スパークリングワインを単なる白ワインの炭酸バージョンだと思い込んでいる初心者の方、必見の内容です。 [目次] スパークリングワインとシャンパン スパークリングワインの製造方法 ソムリエからのひとこと スパークリングワインとシャンパン スパークリングワインは世界中で生産されている炭酸の含まれているワインです。その中で、シャンパンだけは「シャンパーニュ」地方で作られないとシャンパンとは言えません。正式名称はChampagne シャンパーニュ、和名ではシャンパン、アメリカ人の発音ではシャンペンと聞こえてくることが多いです。 ※シャンパンではないフランスで作られているスパークリングワインは「クレマン」と言われています。 シャンパーニュのもととなるブドウの代表的品種に以下の3つがあります。 1.シャルドネ (白ブドウ) 2.ピノ・ノワール (黒ブドウ) 3.ピノ・ムニエ (黒ブドウ) 意外な気もしますが、黒ブドウからもシャンパーニュはつくられます。黒ブドウでも皮をとれば色素はでず、白いシャンパーニュが出来上がります。 そして、シャンパーニュのラベルをよくみると、これらの品種からどのように作られているのかも分かります。 こちらの画像のワインのラベルには「BLANC DE BLANCS」と書かれています。 「白の白」という意味で、白ブドウ=シャルドネから作られていることを表しています。 その他にはBLANC DE NOIRと書かれていたり、何も書かれていない場合があります。 まとめると以下のようになります。 ・BLANC DE BLANCS(ブランドブラン) シャルドネ種・すっきりが多い ・BLANC DE NOIR(ブランドノワール) ピノノワール・ピノムニエ しっかりした味わいが多い ・何も書かれていない場合 ブレンドされて作られている ワインの工房は毎年同じ味のワインを作ろうとします。ブレンドすることで、味の調整ができるようになる反面、1種類で同じ味を作るのは毎年の気候の違いなどにより非常に困難です。そのためブレンドされずに1種類のブドウで作られる場合は、ワンランク上の扱いになることが多くなります。 シャンパーニュの製造方法 シャンパーニュは全てトラディッショナル方式=瓶内2次発酵方式で作られます。 瓶内2次発酵方式とは、ワインを瓶につめ、糖分と酵母を加え、密閉して、瓶内で第2次発酵を起こさせる方式です。この工程を経ることで複雑な旨味のある味わいがでてきます。 時間もコストもかかるので一般的に価格も高めになります。 参考までにシャンパーニュと同じ製造方法の世界のスパークリングワインに以下のようなものあります。 ・CAVA(カヴァ)スペイン ・SUPUMANTE(スプマンテ) イタリア ・SEKT (ゼクト) ドイツ どれも旨味のある味わい深いワインです。ぜひ違いを楽しんでみてください。 スパークリングワインの製造方法にはトラディッショナル方式以外に、シャルマ方式、トランスファー方式、リューラル方式などがあります。機会がありましたら、これらもこちらのサイトで紹介していきます。 ソムリエからのひとこと スパークリングワインは食前酒として飲まれることが多くありますが、実は料理に合わせやすく、食事全体、食中酒としても十分楽しめるワインです。 例えば、料理のコースに合わせて「今日はシャンパンづくしで!」などソムリエに頼んでみてはいかがでしょうか?シャンパーニュの飲み比べもきっと楽しめます。 お祝いの時などにいいワインを頼みたい時にはこんなオーダーもオススメです。 「今日はお祝いなので、ブラン・ド・ブランにしようかな?」 この人はワインに詳しいと思ってもらえること間違いなしです。ただ、最後のお会計にびっくりしないでくださいね (笑) 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
HRTech 2018年4月03日 AI時代の人事に欠かせない『ピープルアナリティクス』とは? テクノロジーの進化、特にビッグデータとAIの組み合わせは、これまで「人」がしていた仕事の概念そのものを変えようとしています。 人事の仕事についてもその変化が訪れています。今回はそんなビッグデータとAIを活用するピープルアナリティクスについてご紹介します。 目次 ピープルアナリティクスとは ピープルアナリティクスの導入と活用 具体的なツール 今後の人事に求められること ピープルアナリティクスとは ピープルアナリティクスとは、企業内に蓄積されている従業員データを収集・分析し、人事の施策(採用、人材配置、組織力の強化など)に役立てる取り組みをいいます。ビッグデータ解析や機会学習技術の発達とともに、ここ1、2年でピープルアナリティクスは大きな広がりをみせています。 企業内には大量の人事データが眠っています。 具体的には、給与や賞与、退職金、人事評価結果、フィードバック、1on1、教育研修実績、福利厚生の利用内容、退職実績・事由、休暇取得、出退勤時刻、残業時間、など。 これらの社内にある膨大な情報を有機的に結びつけ分析することで、「自社/自組織のパフォーマンスに大きな影響を与える要因は何か?」、「短期間で辞めてしまう社員にはどのような特徴があるのか?」などの今までは特定が難しかったことに対してデータからアプローチすることができるようになります。既に自社に合う人材の採用や離職率の低減などの施策に活用する企業もでてきており、これからはピープルアナリティクスを活用した経営課題の解決や予測に基づく人事施策を行うことは特別なことではなくなっていくのかもしれません。 これまでは、人材に関してはデータ化してもその特徴をつかむことが簡単ではなかったこともあり、経験や勘、前例に基づいて「こんな感じの人が活躍しそうだ」「あいつが退職しそうだ」などと判断していることが多くありました。しかし、ピープルアナリティクスの導入により、経験や勘ではなく、ファクトに基づく確かな判断が可能になるのです。 ピープルアナリティクスの導入と活用 では、どのようなステップで導入していくべきでしょうか。導入ステップとしてABCDで考えるとスムーズに進みます。 (ピープルアナリティクスのABCD) 情報がデータ化されていなければ、ピープルアナリティクスを実施することはできません。自社のステージを把握し、適切なステップで導入していくことをお勧めします。 導入後はピープルアナリティクスで得られる情報をどのように活用していくかが重要になります。 「今あるデータをベースに未来を予測」することで、経験や勘とは違う効率的かつ効果的な人事アクションの実施につなげることができます。 具体的なツール ピープルアナリティクスのツールとして、海外では「Visier」が台頭してきています。 Visier https://www.visier.com 2010年にSAP, Business Objects, Crystal Decisions, OracleなどのBI(Business Intelligence )業界出身の方々が設立したカナダ バンクーバーの会社です。 既に世界中で120社を超える大手企業が利用しており、クラウド上には300万人分を超えるデータが蓄積されています。 topページの「Goodbye Reports. Hello Insights.」に彼らのコンセプトが非常に分かりやすく表現されています。レポート自体には価値はなく、次の施策に結びつける「洞察」をツールとして提供することを目指しています。 今後の人事に求められること 2018年3月24日の日経新聞に銀行の大量採用が終わりを迎えるという記事が掲載されていました。 メガ銀、大量採用に幕 その中の「人材を無駄づかいしてきた面は多分にある」というコメントが非常に印象的でした。有力大卒の人材をまとめて囲い込みながらも、事務作業などの比較的単純な作業に労力を割くウエートが大きいという意味でした。 事務的な仕事はどんどんコンピュータに置き換わり、人の仕事が再定義されてきています。 ピープルアナリティクスが浸透していくことにより、データから出てくる情報をもとに「どう判断するか」「どう施策に反映させるか」が、より一層重要になってくるのは間違いありません。 これからの人事には、データや数値の持つ意味を読み解き、経営のビジネスパートナーとして、戦略的な提言を行う人事部門に変化することが求められています。
ワインの豆知識 2018年3月25日 赤坂のソムリエに『春にお勧めのワイン』を訊いてみた! 桜舞い散る春。寒い冬が終わり、植物からは新しい生命の息吹を感じます。卒業式、入学式、入社式などのイベントもあり、日本では出会いや別れの季節です。気温も過ごしやすく、春が一番好きだと言う人も多いのではないでしょうか? そんな『春』にお勧めのワインとは?赤坂のソムリエに訊いてきました。 いきなり結論ですが、結局のところ、 ・ ・ ・ ・ 「人の好みによる」 とのことでした。 [目次] 春のワインの定義 お勧めするとしたら ワイン通のフリをするために 春のワインの定義 そもそも春のワインの定義が難しいとのことでした。「春らしさ」というキーワードから連想することも人それぞれ違います。例えば、白を連想する人がいたり、ピンクを連想する人がいたり、もしかしたら緑という人もいるかもしれません。明確な定義がないため、人の主観によるところが多くなります。ワインは結局のところ、嗜好品であり、個人の好みで楽しむものです。その時に飲みたいものが一番適したワインとなります。赤ワインしか飲まないと決めている人には「春のワイン」もきっと赤ワインです。 余談ですが、季節の商品は売り手側の販売戦略が大きく影響していることもあります。例えば有名なボジョレーヌーヴォ―は地方のワインを売るために「今年の新酒」というコンセプトをうまくブランディングに結びつけ、季節商品として楽しまれています。(近年は日本ブームも沈静化したので、今後どのように戦略するのか楽しみなところです) お勧めするとしたら とはいえ、お勧めするときには、自然界の色調、香り(桜や梅など)、季節の食べ物、に合わせて提案することが多いそうです。 春の季節の食べ物というと、ホタルイカ、山菜、たけのこ、ホワイトアスパラガス、桜マス、桜鯛、カツオ、梅、貝、春キャベツ、新玉ねぎなどなど。 「ホタルいかと黄金柑、オリーブオイルアマロとの出会い」赤坂 あじる亭 レピス https://celebourg.com/agiletei-lepice/ より 『春にお勧めのワイン』として、今回は具体的に次のワインをお勧めしてくれました。 ・ドイツのスパークリングワイン (ピノ・ブラン) 左 酸味がしっかりして、ほんのり苦味を感じることができます。さらっと飲みやすく、山菜や梅肉和えに合うワインです。 ・ロゼワイン (ピノノワール、メルロー等のブレンド)中央 桜色のワインで春らしさを連想させてくれます。味のインパクトは弱いですが、辛口でいろんな料理に合わせやすいのが特徴です。 ・白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン) 右 さっぱりした酸味が特徴でフレッシュさを感じることができます。 総じて、春の時期はさっぱり感のあるワインをお勧めするとのこと。 アパレル業界でも春になると、白や淡いピンク系の服が増えてくることが多いと思いますが、それらの色調がイメージされるワインが一般的に春らしさを感じるのではないでしょうか。 ワイン通のフリをするために そんな春の季節、お客様から次の質問をされると「この人はワイン通だな」と感じるとのことでした。 「シュパーゲル(アスパラガスのこと)にはミュスカやリースリング(白ワイン用のブドウ品種)が合うよね?お店にありますか?」 ※海外生活が長く、ワインを楽しんでいる人だと感じるそうです。(あくまで主観とのことです) 「この季節にあうアルザス系品種をください」 「アルザス系ワインありますか?」 ※アルザス地方のワインは品質の割に安いそうです。万人受けするものではなく、ブランド力も他と比較するとそこまで高くはないのですが、ホワイトアスパラガスに良く合うワインとのこと。アルザスを好むということは、ワインを良く知っている人だなという印象をもつそうです。(あくまで主観とのことです) ワイン初心者で知ったかぶりをしたい人は、ぜひこの質問をソムリエにぶつけてみてください。その後の会話がどのようになるかも楽しんでみるといいですね。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
コラム 2018年3月19日 コンサルタントコラム 人事改革最前線 非正規社員の人事マネジメント -「多様な働き方」時代のKSF(Key Success Factor)- 毎年3月は進学や就職・転勤など、人の異動が多い時期であるが、今年は引越し業界に異変が起きている。引越し会社の依頼引き受け件数が減少し、新年度の準備が間に合わない人が続出しているそうだ。働き方改革による労働時間短縮、さらには人手不足により十分な人員が確保できないことが要因である。 引越し業界に限らず、近年人手不足に悩む会社が多く、百貨店やショッピングセンターが営業時間を短縮したり、外食チェーン店が店舗閉鎖に追い込まれたというニュースもあった。これらの業界はパート・アルバイトなどの非正規社員が多く、人材を採用するために時給アップや社員登用制度など、各社努力しているが、それでも苦戦しているようだ。その影響もあり弊社に、非正規社員向けの人事制度を整備し人材確保に繋げたい、という相談が増えている。 一般的には、正社員よりも職責や権限、報酬などが限定的で定着率が低いため、非正規社員の人事制度は簡素なものが多い。しかし実は、非正規社員は正社員よりも多様性への対応が必要で、制度設計は慎重に行う必要がある。なぜなら「非正規社員」と一括りに言っても、そのバックボーンや働き方、給与、キャリアなど「働くことに対する価値観」が多様であり、人によって効果的な打ち手も変わってくるからである。 たとえば、育児や介護・家事など家庭の事情と両立して働きたい人は、給料の高さよりも働く日や時間を柔軟に調整できることの優先度が高い。自分のペースで働きたい人は、キャリアアップよりも与えられた仕事をコツコツとこなすことを望む。学生や資格取得を目指し勉強中の人は、勉強の合間に働ける仕事を選びたい。あるいは、一家の家計を主に支える働き手であればできるだけ多く稼ぎたいし、正社員になりたい人もいる。 このように、非正規社員は人事制度に対するニーズが多様である。 一方で、外部環境の影響も非正規社員の人事制度設計をさらに難しくしている。 たとえば、先にも述べた人手不足について、有効求人倍率は2018年1月時点で約1.6倍、パート・アルバイトに限定すれば約1.8倍であり、過去5年以上にわたって上昇傾向が続いている(※1)。また時給単価も高騰しており、最低賃金は過去5年間2~3%ずつ上昇、パート・アルバイトの募集時平均時給は3年で約7%上昇した(※2)。さらに、働き方改革や同一労働同一賃金等、政策・法制度への対応なども、複雑性・多様性が増えている要因となっている。このことが、経営に与える影響には、以下のようなことが考えられる。 ① 品質・顧客満足の低下: 非正規社員は店舗や接客サービスなど、最も大事な現場の第一線を支えていることが多く、人手不足は業務・サービス品質や顧客満足の低下に繋がる可能性が高い。 ② コストの増加: 採用における求人広告費などの直接コストだけでなく、採用担当者の業務工数などの間接コストも増える。また人数が多い場合、一人あたりの時給アップ額が小さくても全体としてはレバレッジが大きく、総人件費の増加に繋がりやすい。 ③ 機会の損失: 営業時間の短縮や店舗の閉店は、既存の売上機会を失うことに直結する。また新規出店時に必要なスタッフが集まらずに事業の成長・拡大のボトルネックになる。さらに、人手不足の状況で無理に現場を回そうとすると、離職率が高くなり、新たに人材採用が発生し、一から教育するための時間的ロスも発生する。つまり、現状のまま何も手を打たなければ、近い将来、経営が成り立たなくなることが十分考えられる。 非正規社員の人事制度は、ここまで述べたような様々なニーズや社会の変化に対応するものでなければ、経営に大きなマイナスインパクトを与えることになる。しかし見方を変えれば、自社が求める人材のニーズに合った人事制度を設計すれば、他社との差別化になり、現場の生産性があがり事業の競争力を強くすることができる。 家具販売大手のイケア・ジャパンはいち早く同一労働・同一賃金を取り入れ、フルタイム・パートタイムに関わらず全従業員を正社員にする人事制度を導入し、求める人材の確保に成果を上げた。小さい会社でも、パプアニューギニア海産という会社が「好きな日に出勤、欠勤(連絡の必要なし)できる」「出勤時間、退勤時間も自由(毎日変動可)」といった“フリースケジュール制”を導入し、従業員の定着率を高め、業務の習熟度が高まることで生産性も向上させた例がある(※3)。 また保育士不足で悩んでいたある保育園では、育児中の子供を入園させ、同時に保育士として勤務してもらう条件で募集したところ、想像以上に多数の保育士経験者の応募があり、新たな保育所の新設が可能になったという例もある。 これらのケースに共通するのは、働く人の多様なニーズと自社が求める人材とがマッチする制度を設計したこと、そして経営課題解決のための重要施策として位置付けたことである。これは、非正規社員のマネジメントは一つの人事課題ではなく、経営課題として取り組んでいくことの重要性を示していると言えるだろう。 一昔前、「非正規社員は雇用の調整弁」という考え方があり、長期勤続と成長を目指した人事制度を整備する会社は少数である。しかし、多様な働き方が当たり前になった今、非正規社員の人事マネジメントは収益力と成長力のKSF(Key Success Factor):重要成功要因の一つであることは間違いがない。 【参照】 ※1:厚生労働省 一般職業紹介状況 ※2:(株)リクルートジョブズ 2017年12月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査 ※3:(株)パプアニューギニア海産 ホームページ
ワインの豆知識 2018年3月11日 赤坂のソムリエに訊く!今更聞けないワインの基本、ブドウの品種ってなに?【白ワイン編】 先日の赤ワインのブドウの品種に続き、今回は白ワインの品種についてご紹介します。赤ワイン同様、白ワインもブドウの品種により味や香りは大きく異なります。今回ご紹介する違いについてだけでも覚えておけば、初心者と大きく差がつくこと間違いなしです! [目次] 白ワインのブドウの主な品種と産地 料理との合わせ方 まとめとソムリエからのひとこと 白ワインのブドウの主な品種と産地 今回ご紹介する品種は以下の2つです。 ソーヴィニヨンブラン Sauvignon Blanc シャルドネ Chardonnay 他にもリースリング、シュナン・ブラン、ヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネールなどもありますが、まず最初に抑えておきたい品種になります。 ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ共に世界中で栽培されています。ワイン銘醸の地であるフランスではソーヴィニヨンブランはロワール川付近 ボルドー地方、シャルドネはブルゴーニュ地方で栽培されています。 ワイン銘醸の地フランスの地図https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cartes_des_vins_de_france.png より 味や香りもこの2つでは大きく異なります。 ソーヴィニヨンブランはグレープフルーツのようなフレッシュな柑橘系や青りんごのような香りがします。フレッシュさが売りで、味もさっぱりした酸味が特徴。のど越しを楽しみたい人に人気があります。 一方のシャルドネは、ふくよかな味わいが特徴で、コクがありクリーミーなタイプが多く、バニラやナッツのフレーバーなどに例えられることが多くあります。しかし、シャルドネ一番の特徴はそのニュートラルさ。一概にシャルドネと言っても栽培される地域などで味や香りも大きく異なります。ワイン愛好家の間からは、「あのシャルドネは好きだけど、このシャルドネはちょっと合わない。」などの会話がよく聞こえてきます。 色も違いがあり、ソーヴィニヨンブランは薄いレモンの色、シャルドネは濃いレモンの色と表現されることがあります。 左:ソーヴィニヨンブラン 右:シャルドネ しかし、赤ワインほど違いは鮮明ではありません。「言われてみれば違う」と感じるかもしれませんが、初心者には違いを見分けるのは少し難しいかもしれませんね。 料理との合わせ方 味についてはまとめると、ソーヴィニヨンブランはさっぱり、シャルドネはこってりと覚えておくと覚えやすいです。 では、どんな料理がこのワインには合うでしょうか? さっぱり系の料理にはソーヴィニヨンブラン、少しこってりした料理にはシャルドネが合います。 例えば、ハーブを使ったカルパッチョや柑橘系のサラダ、スモークサーモン+レモンの組み合わせにはソーヴィニヨンプランのさっぱりした酸味はとても合います。 一方で、クリーム系の料理やサラダ+揚げ物などの軽い肉料理など油脂分が比較的多い料理にはシャルドネのふくよかさが生きてきます。 まとめとソムリエからのひとこと これらを表にまとめると以下になります。 ※簡略的にお伝えする為の一般的な表であり、例外的な事も多数ございますので、予めご了承ください。 品種 地方 味 色 合う料理 ソーヴィニヨンブラン(Sauvignon Blanc) ロレーヌ川付近 ボルドー地方 さっぱり 薄いレモン色 ハーブを使ったカルパッチョや柑橘系のサラダなど シャルドネ(Chardonnay) ブルゴーニュ地方 こってり 濃いレモン色 クリーム系の料理やサラダ+揚げ物などの軽い肉料理など 白ワインは常温よりも冷やして飲むことが多いワインです。それは、白ワインは酸味が強く、冷やすことで切れのある酸味をより一層楽しめるからです。逆に冷えていないと酸味がだれてきてしまうことがあるため、美味しく飲むためには注意が必要です。 本日紹介したソーヴィニヨンブランとシャルドネを比較すると、シャルドネの方が高く取引されるケースが多い品種です。しかし、のど越しを楽しみたい、さっぱりしたいなど、ビール感覚でワインを楽しみたい場合はソーヴィニヨンブランがオススメです。 料理もそうですが、複数のワインを順序立てて飲むときには軽いものから重いものへと変えていくのが一般的です。 どのワインが軽め、どのワインが重め、などを覚えておくとコースの仕立てがしやすくなるかもしれないですね。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く