コラム 2017年4月10日 「生き残る」ための時代が求める評価基準 米国のトランプ政権発足から、世の中の動きが激しくなる予感を示唆するような論調がマスコミを賑わすようになってきました。確かに、その兆候は日本にも見られます。過去のスタンスではありえなかった安倍政権の韓国に対する強気な姿勢。あるいは民間企業の世界に目を移すと、倒産件数に占める業歴30年以上の老舗企業の割合が急増。「昔ながらの商品構成や経営が時代にマッチせず行き詰まったケースが目立つ」という(東京商工リサーチ調べ)。会社を大きく変える覚悟を経営者はもたなくてはならない時代がやってきたといえるのではないでしょうか。会社を変えるタイミングとされるのが経営トップの交代です。交代して着任する経営トップは「新しいことをやりたい」と思うもの。それが「××カラー」と呼ばれたりします。そうやって新たなカラーを打ち出そうとすると、起きるのが過去の方針の見直しであり、生じるのが過去を否定することをよしとする雰囲気です。というのも、今までと同じやり方を踏襲してうまくいったとしても、「あの人は新しいことに対する挑戦心がない」と言われてしまうからです。それゆえ、経営者は必ず、自分がトップになったのを機に自分のカラーを打ち出そうとするのです。例えば、サッカー日本代表監督が「フレッシュな選手の積極起用」を明言し、これまで活躍してきたスター選手を先発メンバーから外すと、マスコミや評論家は「自分のカラーを出そうとした」と高い評価をしがちです。周囲の評価を気にすることも相まって、トップの打ち出す「新たなカラー」は過去の否定、ないしは過去と真逆のものになるのかもしれません。