人事施策 2020年8月26日 アフターコロナで採用はどう変わるか 新型コロナウイルスの影響により大きな転換期を迎えた日本の採用市場。2020年は当初予定されていた合同説明会や学内企業説明会が新型コロナウイルスの感染蔓延により中止となり、3月の緊急事態宣言発令以降、多くの企業は採用計画の見直しを余儀なくされました。採用活動のオンライン化は急速に進み、現在もさまざまな手法が模索されています。 本記事では、採用市場の変化と新しい採用活動の取り組み事例を紹介します。 [目次] 今後も加速する採用のオンライン化 採用活動の最新事例 まとめ 今後も加速する採用のオンライン化 株式会社ビズリーチの調査では、2020年4月時点で7割の企業が採用活動のオンライン化を対応・検討し、6割以上が「メリットがある」と回答しています。株式会社マイナビの3月の学生モニター調査では、会社説明会のオンライン化を求める学生は9割近く、一次面接までオンライン化が望ましいと考える学生が7割以上と、オンライン化は企業にも学生にも評価されています。新型コロナウイルスの第2波・第3波も懸念されるなか、採用活動のオンライン化はさらに加速するでしょう。 ・22年卒以降の動向予測 21年卒の新卒採用計画は、1月〜2月に予定していたインターンシップも軒並み中止、3月からの合同企業説明会、学内企業説明会も中止となり、これまで導入率の低かったオンラインによる説明会・面接が一気に普及しました。 この流れを受けて、22年卒の採用活動ではさらにオンラインへシフトする企業が増え、その活用方法にも企業独自の工夫が生まれてくるでしょう。また、オンラインと対面のそれぞれのメリット・デメリットを経験し、双方の良さを生かした、いわば「ハイブリッド」で採用活動を行う企業の割合が高くなると考えられます。 ・求められる採用活動の再設計 企業の多くが次年度に向けて採用活動の改善を検討する必要に迫られるでしょう。対面で有効な説明会や面談はオンラインでは効果を発揮しないことも多く、オンラインと対面それぞれの特性を把握した採用活動の再設計が必要だからです。 採用活動の最新事例 採用トレンドに合わせた設計・戦略の中では、オンラインでこそ訴求する魅力的な採用コンテンツを提供できるかどうかが、活動の成否を分けることになります。4件の最新事例を紹介します。 ・事例1: オンライン座談会 会社説明会の直後に社員と学生が気軽に話す「座談会」をオンラインで行うケースが注目されています。ZOOMの「ブレイクアウトセッション機能」などを活用し参加者画面を分割することで、双方向コミュニケーションを実現します。 ・事例2:録画面接 企業があらかじめ設定した質問に対して応募者が回答や自己PRを自分で撮影・録画して、企業に送信する面接手法です。面接日の調整が不要であり、全ての応募者に同じ質問内容の面接ができるためフラットな判断ができるメリットがあります。 ・事例3:バーチャル職場見学・工場見学 動画でのバーチャルな「オフィスツアー」や「工場見学」が注目されています。アスクル株式会社は本社内の全景や細部が360°見渡せるVR動画をアップしてスタイリッシュなオフィスの強みを訴求しています。某地方メーカーはオンライン工場見学を取り入れ、技術者の作業シーンなどを訴求することで県外からの参加申込を増やしています。 ・事例4:オンラインインターンシップ IT企業や大手メーカーを中心に、オンラインで完結するインターンシップが注目を集めています。企業がミッションを設定し、学生が課題をクリアして先輩社員からフィードバックをもらう手法が主流です。企業によっては、オンラインインターンシップ参加者をリアルな職場交流会に招待したり採用選考で優遇するなど、リアルな活動とどう連携させるかがポイントになるでしょう。 まとめ 新型コロナウイルスの影響により、期せずして企業も学生も採用のオンライン化のメリットを知ることになりました。今後はますます本格的に採用のオンライン化に取り組む企業が増えるでしょう。最新事例から学び、アフターコロナの採用活動を勝ち抜いていけるように、準備を進めていきましょう。 Aftreコロナ withコロナ アフターコロナ オンライン 人材採用 新型コロナウイルス
HRTech 2020年8月19日 DXの実現に必要な人材とは(後編) DX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現にはIoTやAIなど最先端のデジタル技術を活用し、市場の変化にあわせてビジネスモデルを変革したり、新たな価値を創出できる人材を確保することが急務です。 今回は、DX人材を採用する際のポイントとDX人材の育成方法について解説します。 [目次] DX人材の採用手法と採用時の注意点 DX人材育成のキーワード「Reスキル」と「リカレント教育」 まとめ DX人材の採用手法と採用時の注意点 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は、2019年、IoTやAIを活用したITサービス市場に従事する先端IT人材の転職方法についてアンケート調査を実施しています。 調査結果では、最先端の技術を持つIT人材の転職方法は「友人・知人等の紹介」や「人材サービス企業からの紹介」がいずれも3割を超え、次いで「ヘッドハンティング」が3割弱です。現在のDX人材の採用は、リファラルなどのダイレクトリクルーティングも主流になりつつあると言えるようです。 転職を決意した理由として最も多かった回答が、「自分のやりたい仕事ができなかったから(34.8%)」であることから、DX人材を採用する際は相手の持つスキルや経験とのマッチングだけでなく、相手が希望する仕事と自社が期待するDX人材としての役割のマッチングがポイントであることがうかがえます。 とはいえ、国内外においてDXの実現に必要な先端ITスキルを持つ人材がそもそも希少なことも事実です。多くの企業は、高額なオファーで厳しい人材獲得競争に勝ち優秀な人材を確保すること自体、困難でしょう。 そこで注目を集めている人材確保の取り組みが、自社内でのDX人材の育成です。 DX人材育成のキーワード「Reスキル」と「リカレント教育」 DX人材の育成には、従来型IT人材から先端IT人材へと転換するための「Reスキル推進」が重要と言われています。 従来型IT人材とは、既存システムの受託開発、保守・運用サービス市場に従事する人材のことです。つまり従来型IT人材を既存システムの維持保守業務から解放しDX分野にシフトさせ、先端IT人材として育成するということです。 事業部門人材のIT教育や適材適所の配置など、IT部門外人材の流動化を促進して先端IT人材を確保するといったアプローチも重要です。この場合、ITスキルの習得からDX人材の育成施策を検討する必要がありますので、いわば企業による「リカレント教育」の推進だと言えるでしょう。 IPAの資料によると、DXの取り組みで成果を出している企業は、一過性でなく継続的かつ全社的に勉強会や啓発のための研修などを行っています。 【例】 •経営層を含む定期勉強会 •CDO 自ら全社員向けにデジタル研修実施 •全社員向けの啓発研修 •海外のスタートアップの情報を現地で収集 •DXメンバー の自発的な最新技術把握・実践 •コンテスト、資格取得奨励、他 また、教育の取り組みが多岐に渡っているほか、組織文化において「リスクを取り、チャレンジ」、「多様な価値観受容」、「仕事を楽しむ」、「意思決定のスピード」という傾向があるという結果も出ています。経営層が中長期的な視点のもと、全社的にデジタル社会に対応できるような教育を実施していることがうかがえます。 しかし、DX人材の育成には時間がかかることや、先端IT人材が従来型IT人材よりも「自分のやりたい仕事」、「クリエイティブな仕事」、「先端的な仕事」を求めて転職する傾向が高いことを踏まえ、外部から人材を獲得する努力を継続することも重要です。もし、マッチングが上手くいき優秀なDX人材を採用できれば、社内の人材にポジティブな影響を与え、人材育成上も大きなプラスとなるでしょう。 まとめ DX人材の育成・採用については、DXの実現が企業の経営戦略上不可欠であることを、まず経営層が強く認識する必要があります。「人材流動化」や「Reスキル支援」は全社的な取り組みがあってはじめて成果を出せるからです。 企業には、個々の社員のキャリアビジョンとITリテラシーを考慮しながら、既存の社員に学び直しの機会を積極的に提供する努力が求められます。採用市場にスキル・経験を保有するIT人材が希少なことを踏まえて、社内リカレント教育を推進するための「Reスキル支援の仕組み・環境づくり」をしていきましょう。 digital transformation DX Reスキル デジタル・トランスフォーメーション リカレント教育
HRTech 2020年8月12日 DXの実現に必要な人材とは(前編) IoT、AI、ビッグデータなどのテクノロジーの指数関数的な発展に伴って、世界規模でビジネスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)化が進んでいます。多くの企業がこの変化を前にビジネスの転換期を迎えています。今回はDX推進に不可欠な「DX人材」について解説します。 [目次] DX人材とは、新たな価値を生み出せる存在 必要になるDX人材 なぜ今、DX人材が必要なのか まとめ DX人材とは、新たな価値を生み出せる存在 DX人材の理解にあたって、まずは「DX」について確認してみましょう。DXは「デジタル・トランスフォーメーション」の略称です。 経済産業省は「デジタル・トランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」において、DXを以下の通り定義しています。 『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』 DXの成功例には、Amazon、Facebook、Appleなどがよく知られています。いずれも既存業界を変革するだけでなく、人々のライフスタイルにも大きな影響を与えました。 また、日本の基幹産業である自動車業界も自動運転技術の登場により100年に1度と言われる大変革期を迎え、DX化を加速しています。あらゆるモノがインターネットに接続し、AIでデータを分析できる時代には、車の運転も周囲の状況をセンサーでキャッチした安全走行が可能になります。 今や自動車=「乗るもの」「所有するもの」という概念が変わりつつあり、安全で快適な空間の在り方、新しい都市の在り方が構想されていることを、ニュース等で目にした方も多いのではないでしょうか? DXとは単なるデジタル化、技術革新ではなく、人々の暮らしや社会の在り方にまで変容をもたらすことを意味します。DX時代においては、単にデジタル技術に優れているだけではなく、技術を活用して顧客に新たな価値を提供できるDX人材が必要になります。 必要になるDX人材 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は、2019年にDXの取り組み実態の把握やDX推進の組織や人材のモデル化を目的とした調査の結果を公開しています。調査対象は、東証一部上場企業です。 その中で、DX人材の一例として以下の職種を定義しています。 ・プロデューサー DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材 ・ビジネスデザイナー DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材 ・アーキテクト DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材 ・データサイエンティスト/AIエンジニア DXに関するデジタル技術(AI、IoT)やデータ解析に精通した人材 ・UXデザイナー DXやデジタルビジネスのユーザー向けデザインを担当する人材 ・エンジニア/プログラマ 上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材 なぜ今、DX人材が必要なのか 同調査では、8割を超える企業がプロデューサー、ビジネスデザイナー、アーキテクト、データサイエンティスト/AIエンジニアの人材が不足している、と答えています。 約6割の企業が「自社の優位性や競争力の低下」を懸念し「ビジネス変革の必要性を非常に強く感じている」と回答しているものの、取り組みは「業務の効率化による生産性向上」に留まり、「新規製品・サービスの創出」は半数に満たないという実態も明らかになっています。 その理由として、現在の「既存システム」がDX実現の障壁となっていることに加え、DXに向けてビジネスモデルやシステムを見直したくても、必要な人材が社内にいないことが挙げられています。DXの推進に向けてまず取り組むべきは、人事面の課題だと言えるでしょう。 まとめ DXとは、データやデジタル技術を活用して市場に変革をもたらし、顧客に新しい価値を提供していくことであり、企業のDX推進にあたっては多様なDX人材が必要になります。DX化は企業が優位性や競争力を維持するための必須課題ですが、多くの企業でDXを推進する人材が不足しているのが現状です。企業には、まずDX人材を確保するための採用・育成という人事戦略が求められています。後編では、DX人材の育成方法について解説します。 digital transformation DX DX人材 デジタル・トランスフォーメーション
人事施策 2020年8月05日 日本で「エンゲージメント」が重視される3つの理由と、得られる効果とは 日本人の仕事に対する価値観は、少子化による若手人材の不足、雇用形態の多様化、終身雇用からジョブ型雇用へ転換を図る企業の増加なども影響し、昔より多様化してきました。企業と個人の関係はフラットになりつつあり、ミレニアル世代以降の若者は、特にその傾向が強いと言えるでしょう。 このような流れのなか人事領域で注目されてきたのが「エンゲージメント」という概念です。今回はエンゲージメントの意味、重要性が高まってきた背景、エンゲージメント向上の効果を紹介します。 [目次] 組織と個人の関係を表す「エンゲージメント」とは? 日本で「エンゲージメント」が重視される3つの理由 エンゲージメント向上による効果 まとめ 組織と個人の関係を表す「エンゲージメント」とは? エンゲージメントとはお互いの愛着や貢献意欲を意味する言葉であり、人事の視点においては企業におけるミッション・ビジョンを明確に打ち出し、従業員に対して仕事に意欲を持てる環境を提供することで、従業員が企業の方向性や目標に対して共感し、貢献したいと思う相互の関係性の強さを意味します。 エンゲージメントは1990年代、米国の企業で生産性向上に対する意識が高まるなか従業員満足度にかわる概念として注目され始めました。従業員満足度よりも企業の生産性との関係性が強いと解釈されたことが大きな理由です。 日本で「エンゲージメント」が重視される3つの理由 日本で注目され始めている理由は3つあります。 ・個人の価値観の多様化 近年の若い世代は、仕事に対して収入や昇格よりも働く意味、やりがいを重視する傾向があります。一方、50代を中心とするミドル層は1社に長く勤め上げ、安定した収入と出世を目指すことに価値をおく層が多数派です。世代によって価値観が異なるだけでなく、女性や外国人社員の増加、雇用形態の多様化も進み、今は一つの組織内に様々な価値観を持つ従業員が存在します。多様化した従業員の価値観、ニーズに応えるためにエンゲージメントが注目されています。 ・組織と個人の関係性の変化 少子化により若年層の優秀な人材を確保する競争が熾烈になっています。若い世代は終身雇用に幻想をあまり持っておらず、自分の成長を重視し、現状に不満がなくても転職する傾向があります。個人と組織が対等な関係に変化するなか、企業には個人の意志を尊重したキャリア設計を実現することが求められるようになり、エンゲージメントが着目され始めました。 ・科学的根拠に基づいた人事アプローチ HRテクノロジーの進歩により、従業員データを収集しデータやエビデンスをもとに意思決定する人事アプローチが重視されています。エンゲージメントは生産性との相関関係などを測定できる指標でもあるため活用する企業が増えています。 エンゲージメント向上による効果 エンゲージメントを高めることで期待できる効果を紹介します。 ・離職率の低下、優秀な人材の流出を防ぐ 2018年、モチベーションエンジニアリング研究所が慶應義塾大学院の岩本研究室と共同でグループの4法人を対象に行った調査では、エンゲージメントスコア(ES)と退職率の相関に-0.73~-0.97という「強い負の相関(逆相関)」が見られ、ESが高いほど退職率が低い傾向にあることがわかりました。メンバー層、管理職層双方の退職率に影響を与えていることから、エンゲージメント向上が優秀な人材の流出防止につながることが推測できます。 ・業績、生産性の向上 また、同研究所が上場企業66社に対し行った調査において、従業員エンゲージメント向上が営業利益率や労働生産性にプラスの影響があるという結果も出ています。国内外の複数の機関からも同様の調査結果が発表されていることから、従業員エンゲージメント向上に取り組むことで生産性が向上することも期待できます。 ・リファラル採用 社員に友人、知人を紹介してもらうリファラル採用に協力する社員は、「会社が好き」「会社に貢献したい」と思う、まさにエンゲージメントの高い社員です。エンゲージメントが高い社員が増えるほどリファラル採用が成功することが期待できます。 まとめ 価値観の多様化、HRテクノロジーの進歩とともにエンゲージメントという概念が注目されています。エンゲージメントと生産性の直接的な相関については様々な研究機関から調査結果が発表されているため、今後もエンゲージメント向上に取り組む企業は増加していくでしょう。 エンゲージメント ミレニアル世代 リファラル採用 生産性向上 離職率
人事施策 2020年7月29日 リスクマネジメント-デジタル化、オンライン化の加速に潜むリスクを防ぐ企業の一手とは? 働き方改革の推進により、大手企業を中心に導入され始めているテレワークやリモートワーク。新型コロナウイルス感染症の流行を機に、本格的に導入する企業がますます増えています。 テレワークはもちろん、社内会議や商談もオンライン会議に、セミナー開催はウェビナーに移行と、今や様々な企業活動がオンライン化されつつあります。デジタル化により業務の効率化が進むのは望ましいことです。しかし、一方で情報漏洩やウイルス感染リスクも高くなるため、企業はリスクマネジメントも併せて進める必要があります。 今回は、デジタル化、オンライン化に伴うリスクマネジメントの進め方を解説します。 [目次] 企業の取り組むリスクマネジメント デジタル化、オンライン化に伴うリスクマネジメントのステップ 「ルール」「人」「技術」のバランスが取れた対策 まとめ 企業の取り組むリスクマネジメント 企業のリスクマネジメントは、デジタル化、オンライン化に限らず自然災害対策やセキュリティ対策など様々なリスクに対して取り組まれてきました。 リスクマネジメントとは、企業の諸活動におよぶ悪影響を低減せるために、要因(リスク)を特定し、資産や企業の稼働力を保護するために必要な対策を最小のコストで運営管理するプロセスであり、経営管理手法の一つです。 リスクマネジメントは、以下のサイクルで展開していきます。 (1)リスクマネジメント方針の確立 (2)リスク発見 (3)リスク算定 (4)リスク評価 (5)リスク対策 デジタル化、オンライン化に伴うリスクマネジメントのステップ 以下のステップで進めます。 (1)リスクマネジメント方針の確立 デジタル化、オンライン化によるリスクに対する経営方針をまとめ、どのレベルのリスクを対象に取り組むか、責任の所在をどうするかなどの方針を決定します。 (2)リスク発見 発生しうるリスクをすべて列挙します。リスクの種類と損失形態を関連づけ「何が、どのように」発生するかを把握することが重要です。 【例】 〇重要情報の消失など情報漏洩、ウイルス感染 原因:ノートPC・モバイルの持ち出しや公共Wi-Fi の使用、サテライトオフィスやカフェで作業中の画面の覗き見、情報漏洩に対する社員の意識の低さなど 〇労働実態が見えにくい労働管理リスク 原因:社員の勤務状況が自己申告または画面越しの把握になるため 〇コミュニケーション不足による生産性の低下 原因:テキスト中心のコミュニケーションによる情報の質と量の低下 (3)リスク算定 発見されたリスクを「損失の影響の大きさ」と「発生確率」の両面から算定します。 (4)リスク評価 算定されたリスクをリスクマネジメント方針に沿って、自社のリスクマネジメントプログラムで扱うか否か判別します。 (5)リスク対策 各リスクについての対策を実施します。 【例】 〇重要情報の消失など情報漏洩、ウイルス感染のリスク 対策:「多要素認証」導入、VPN(バーチャル プライベート ネットワーク)使用、VDI(仮想デスクトップ)化、セキュリティ対策ソフト導入、覗き見防止フィルター活用など 〇労働実態が見えにくい労働管理リスク 対策:テレワーク用勤怠管理ツール、タスク管理ツールの導入、フレックス勤務や時間単位の年次有給休暇制度の導入など 〇コミュニケーション不足による生産性低下のリスク 対策:ビジネスチャットの活用、オンライン通話での1on1実施、部署全体の週次オンラインMTG、月次ワークショップ開催など 「ルール」「人」「技術」のバランスが取れた対策 総務省は、平成30年4月に公表した「テレワークセキュリティガイドライン」において、情報セキュリティ対策は「最も弱いところが全体のセキュリティレベルになる」という特徴があるとし「ルール」「人」「技術」の三位一体のバランスが取れた施策を推奨しています。 まず、自社のルールを明確にし、経営者、システム管理者、社員一人ひとりがリスクマネジメントに対して正しい認識を持つこと、適切なセキュリティツールを導入することが重要です。 まとめ デジタル化、オンライン化により業務の効率化が進む一方で、情報漏洩リスクやコミュニケーション不足による生産性低下が懸念されています。事前にリスクを想定し、適切な対策を実施していきましょう。 ウェビナー オンライン会議 セキュリティ マネジメント リスクマネジメント
人事施策 2020年7月22日 多様な人材をまとめるリーダーの要素と組織を成功に導くチーム運営のステップ 働き方の多様化が進んでいくなか、正社員だけではなく非正規社員、フリーランス、インターンなどさまざまな雇用形態のメンバーを、目標達成に向けてマネジメントする機会が増えています。バックグラウンドはもちろん、個性や利害関係が異なるメンバーのチームで成果を上げるためには何が重要でしょうか? 今回はチーム運営を成功に導くために必要不可欠なステップとリーダー人材に求められるスキルを解説します。 [目次] マネジメントの観点で捉える、チーム運営に必要な人材とは 組織を成功に導くチーム運営、そのステップとポイント まとめ マネジメントの観点で捉える、チーム運営に必要な人材とは チーム運営を担うリーダーには、メンバー一人ひとりの能力を最大限に発揮させる力が必要です。チームワークを発揮できる環境を整え、メンバーの力量や個性を把握し、個々のモチベーションを高め、維持していくマネジメント力が問われます。 また、チームの目的である組織目標達成に向けて、メンバーを牽引する強いリーダーシップも必要です。チーム運営には「マネジメント力」と「リーダーシップ」を兼ね備え、チーム運営についての知識を持つ人材が求められます。 組織を成功に導くチーム運営、そのステップとポイント 組織を成功に導くチーム運営は、どのようなステップで実現できるのでしょうか? ここではチーム運営のフレームワークの一つである「タックマンモデル」を紹介します。 アメリカの心理学者Bruce Tuckman氏は、チームの成熟段階を「形成期、混乱期、統一期、機能期、散会期」の5ステップに整理したうえで、混乱期や統一期をへて機能期に到達しなければ、チーム力は十分に発揮されないと述べています。 ・形成期(Forming) チームを形成していくステップ。メンバーの目標に対する理解が浅く、メンバー同士もお互いを詳しく知らないため、チーム内に緊張感がある時期です。このステップのマネジメントではビジョンの明示や目標の共有、アイスブレイクによるチーム内の緊張緩和、チーム活動の阻害要因の見極めが必要です。 ・混乱期(Storming) 目標や課題へのアプローチ方法を模索するステップです。個々の経験や価値観の違いからメンバー間で意見が分かれ、チーム内に混乱が起きる時期でもあります。 このステップでは意見の衝突を避けてはいけません。メンバーが率直に意見をぶつけ合い、相互理解を深められるようなマネジメントを行うことで、チームの抱える課題が浮き彫りになり、その解決に取り組むことができるからです。 ・統一期(Norming) メンバー同士が相互理解を深め、チームが機能し始めるステップです。チームの行動規範や役割分担が明確になりメンバーのベクトルが揃います。このステップではメンバー間のコミュニケーションを促進させ、チーム活動によりドライブをかけるためにメンバー個々に主体的な行動を推進してもらうことが大切です。 ・機能期(Performing) メンバーが自律的に活動しながらお互いを自発的にサポートしあうステップです。チームが成果を生み出す時期を迎えます。チーム全体を俯瞰しながら、メンバーの活動を適時バックアップするマネジメントに注力します。 ・散会期(Adjourning) 当初の予定期間の終了、半期や年度の終わりなどを機に、チームとしての活動を終えるステップです。最終的なチーム運営の成否が明らかになります。目標の達成状況だけでなく、メンバー間で感謝の声やチームの解散を惜しむ声が自発的に上がるかどうかも、チーム運営の成否を測る要素になります。 まとめ 組織が目標を達成するためには、多様な人材の能力を発揮できるチーム運営を行うことが必要です。成果を出すチーム運営には、ときに摩擦を恐れず相互理解を促進させるステップが不可欠です。また、各ステップで適切なマネジメントを実施できるリーダー人材が必要です。 ダイバーシティ マネジメント リーダー 人事戦略 多様性
HRTech 2020年7月15日 テレワーク(リモートワーク)でのコミュニケーションの注意点、対策のポイント 2020年に発生した新型コロナウイルスの影響により、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)の導入が急速に進んでいます。一方で、様々な課題も浮き彫りになりつつあります。今回はテレワーク(リモートワーク、在宅勤務)でのコミュニケーション上の課題、注意点、対応策を紹介します。 [目次] 急ごしらえなテレワークで浮き彫りになる課題 リモート環境下でのコミュニケーションの注意点 リモート業務でのコミュニケーションのポイント まとめ 急ごしらえなテレワークで浮き彫りになる課題 新型コロナウイルスの感染拡大以前の2019年に総務省が行った調査によると、テレワークは順調に普及していると言い難い状況でした。導入率は従業員100人以上299人以下の企業で14.5%、2000人以上の企業で46.6%であり、チャットやWeb会議システム導入企業は2割未満でした。 ところが、新型コロナウイルス感染拡大後の2020年4月、パーソル総合研究所が行った調査では正社員のテレワーク実施率は全国平均で27.9%、東京都の調査では都内企業のテレワーク導入率が62.7%に跳ね上がります。 多くの企業が迅速に対応したことがうかがえますが、一方で検討する時間があまりないまま導入したテレワーク環境下で様々な課題が表面化しました。特に懸念されているのがコミュニケーションエラーです。 リモート環境下でのコミュニケーションの注意点 民間企業が実施した複数の調査において、テレワークの課題のNo.1に「コミュニケーションの難しさ」が挙げられています。 ・コミュニケーションの量の低下 テレワークでは自席での上司や同僚との会話、休憩室や廊下などでの他部署の社員とのやりとりなどがなくなります。オフィスにいるだけで受動的に入ってきた情報が減少するため、意識的にコミュニケーションを図らないとコミュニケーションの量が低下します。 ・コミュニケーションの質の低下 リモート業務では文章でのやりとりが中心になります。これまでのように笑顔、目線、仕草で補完できていた情報がなくなるため、言葉が冷たく受け止められたり、曖昧な表現が誤解を生んだりなどコミュニケーションエラーが起きがちです。 リモート業務でのコミュニケーションのポイント リモート業務でのコミュニケーションを円滑にするポイントを紹介します。 ・ちょっとした会話をチャットで行う 対面で何気なくできていた気軽な質問、ちょっとした細かいやりとりをチャット上で行うことができます。チャットに「雑談ルーム」を設ける企業も増えています。ふと思いついたアイデア、素朴な疑問を共有することで業務が進み生産性が向上するのはリアルもリモートも同じです。 ・丁寧な表現をする メールやチャットでは曖昧な表現をできるだけ控えることが基本です。主語を明確にし、「あれ、これ」ではなくできるだけ固有名詞を使います。文章はひらがなを多めにして2~3行で改行するなど丁寧で読みやすい表現を意識しましょう。 「ありがとう!」「お疲れ様!」「了解しました!」といった一文や絵文字などで速やかにレスポンスすることも大切です。リモートワークではレスポンスがないと発信者が不安になったり無視された感覚になったりしやすいため注意しましょう。 ・Web会議では画面越しの印象に気を配る Web会議のときに相手の顔を見て話すと画面越しでは下を向いているように映ります。発言は伝えたい相手の名前を挙げながら、カメラ目線で行うことがポイントです。声の高さもワントーン上げて、できるだけ表情を豊かにするように心がけると印象がよくなります。 まとめ テレワークでのコミュニケーションは細やかな気配りが必要です。オンライン朝礼、チャットでの雑談、就業時の「蛍の光」などいろいろな手法が試みられていますが、各社まだ経験値が浅い状況です。社内カルチャーやITリテラシー水準も踏まえて、自社でルールやマナーを決めていきましょう。 コミュニケーション テレワーク リモートワーク 新型コロナウイルス
人事施策 2020年7月08日 ダイレクトリクルーティングのコツは手段の使い分けにあり 近年は採用媒体や人材紹介会社などに頼らず、企業が自ら人財を探し出し、接点を作り、獲得していく『ダイレクトリクルーティング』を行う企業が増えています。「攻めの採用」と言われるこの手法の特徴や導入時のコツについて解説します。 [目次] ダイレクトリクルーティングの特徴 ダイレクトリクルーティングのコツは手段の「使い分け」 まとめ ダイレクトリクルーティングの特徴 ダイレクトリクルーティングは従来型の採用手法と比べてどのような違いや特徴があるのでしょうか? まず、従来の採用手法では求職者の応募窓口が求人媒体企業や人材紹介会社などの外部企業です。企業は応募がないかぎり採用活動を前に進められず、「待ち続ける」ことになります。 一方、ダイレクトリクルーティングでは、企業が求める人財を自ら発掘して、ピンポイントかつダイレクトに接触を図ります。接点を持つ場も転職市場に限定されません。様々な場で求める人財を見つけだし、転職に関心のない段階であっても積極的にコンタクトするなど能動的なところが特徴です。 ただし、ダイレクトリクルーティングでは企業と個人とのコミュニケーションが「関係性の構築」から始まるため、採用プロセスが長期化することを覚悟して「ほしい人財」と接触を図る必要があります。採用担当者の業務負荷も高くなりますし、担当者のスキル、力量が問われる手法です。 ダイレクトリクルーティングのコツは手段の「使い分け」 ダイレクトリクルーティングには様々な手段があります。求める人材の層や採用担当者の人数、予算、社内体制よって適した手段を選ぶのがコツです。ここでは5種類の手段を紹介します。 手段01:オウンメディアを通した採用 自社のオウンドメディアで採用母集団の形成を図る手段です。発信する内容が求人情報に限定されないため転職を意識してもらうまで時間がかかるものの、潜在転職者層にもリーチできる手法です。オウンドメディア運営部門との協業体制の構築が必要です。 手段02:SNSの活用 Twitter、FacebookなどのSNSを通して採用する手段です。経営者、人事部門が発信者なら直接求人告知をしても自然ですし、一般社員にSNS上でオウンドメディアや公式サイトの採用頁を紹介してもらってもよいでしょう。SNS上での情報をもとに「このような企業、このような人たちと働きたい」思う層からの応募が期待できます。 手段03:自社イベントの開催 自社で主催するイベントの参加者にアプローチする手段です。イベントの内容や形式によっては優秀な潜在転職者層とのコミュニケーションをとることができます。長期的な採用母集団の形成が可能ですし、求める人財をスカウトできます。 手段04:ダイレクトリクルーティングサービスの利用 ダイレクトリクルーティングサービス企業のデータベースから求める人材を探して、スカウトメールやチャットでアプローチする手法です。コストはかかりますが採用担当者の業務負荷が軽減でき、進捗状況や人財データの一元管理も容易です。 手段05:リファラル採用 従業員に友人を紹介してもらう手法です。等身大の企業の魅力、課題などが求職者に伝わるためミスマッチが少なく、採用コストも抑制できます。ただし、従業員が企業に魅力を感じていないと効果が出にくいため、担当者の人選に留意する必要があります。 まとめ ダイレクトリクルーティングを導入する際は、複数の手法の特徴を理解して手段を使い分けましょう。どの手段も人事採用部門だけでは実行が難しいため社内の理解と協力を得ることも大切です。海外企業では採用担当者とは別に「人財発掘担当者」を置いているケースまであります。 長期的な視点で、全社で人材採用に取り組むことが、ダイレクトリクルーティングの成功につながるでしょう。 Sourcing ダイレクトリクルーティング ヘッドハンティング 採用手法
人事施策 2020年7月01日 「通年採用」の導入は採用市場をどう変えるのか 新型コロナウイルスの感染拡大は、企業の採用活動にも影響を及ぼしています。具体的には、学生向け合同説明会の中止や採用予定人数の縮小が発生し、就職活動を控える学生に大きな不安を与えています。 こうした状況をふまえ、経済産業省は企業等の関係団体に対し、新規学卒者への「通年採用」や「秋季採用」の導入を要請し始めました。そこで今回は、通年採用へ切り替え始めた一部企業の動向やメリット・デメリットをご紹介するとともに、通年採用が今後の採用市場に与える影響について解説します。 [目次] 日本企業の採用活動の最新動向 「一括採用」から「通年採用」へと動き始めた企業 「通年採用」がもたらすメリット、デメリット 「通年採用」の導入が今後の採用市場に与える影響 まとめ 日本企業の採用活動の最新動向 企業の採用活動において広く定着する「春期一括採用」。企業は短期間で集中的に学生を採用できるため、集団での企業内訓練の実施や知識・技術の習得機会の創出が可能です。また、OECDのレポートによると、2019年の日本の若者(14歳~24歳)の失業率は3.8%と諸外国と比べ低い水準でした。企業が長期雇用を見据える一括採用は、学生側にも一定のメリットがあると考えられます。 参考:OECD Data『Youth unemployment rate』 このように、春期一括採用は日本企業にとって主流の採用方法でした。しかし、現在の情勢から一部の企業では通年採用へと切り替える動きが出ています。KDDIや日立製作所は、2021年度から通年採用を開始すると発表しました。 「一括採用」から「通年採用」へと動き始めた企業 KDDIは2021年度入社の新卒採用から、年間を通じて学生がいつでも応募できる「通年採用」に変更します。また、個々の状況に合わせて入社時期を選べるよう、年2回、4月と10月に入社時期を設けました。 参考:KDDI『2021年度よりKDDI新卒採用で通年採用を開始』 日立製作所の入社時期はさらにフレキシブルで、新設する「デジタル人財採用コース」では原則として卒業から1年以内の入社が可能に。その目的は、各自の自己成長の時間を設けることです。デジタル分野への配属を確約したうえで、卒業後の海外留学や長期ボランティア、自己啓発といった活動を認めています。 参考:日立製作所『ジョブ型人財マネジメントの実現に向けた2021年度採用計画について』 「通年採用」がもたらすメリット、デメリット 企業側の切り替えが進み始めた「通年採用」には、以下のようなメリットがあります。 ・多様な人財と出会う機会が増える 通年採用は、春季一括採用では得られない人財と出会える可能性があります。第二新卒などの既卒者、日本での就業を希望する外国人の採用に対応しやすくなるからです。 ・期間に縛られず余裕を持って人財を選べる 選考時期にピークがなく、採用活動のリソースに余裕が生まれます。そのため、人事はゆとりを持って人財を見極めることができます。 ・自社の状況に応じた採用活動を行える 自社の経営状況に応じて採用計画を見直し、臨機応変に採用活動を行えます。自然災害や海外市場の影響を受けた急激な景気変動にも柔軟な対応が可能です。 一方、通年採用には人事の業務負荷や難易度が高まるといったデメリットも。人事には、人財採用のプランや募集活動、コスト管理などに通年で取り組む必要性が生じるのです。 「通年採用」の導入が今後の採用市場に与える影響 一括採用の意図は長期雇用を見据えた効率的な人財育成ですが、通年採用には必要なときに必要なポストを任せられる即戦力の人財を獲得する目的があります。企業によっては新卒や中途の区分をなくし、「求職者」として同条件で採用活動を行うこともあり得るでしょう。その場合、就労経験のない学生はこれまで以上にインターンシップなどの学外活動に力を注ぎ始めるかもしれません。 通年採用が広まることで、企業の採用活動の多様化はより一層推進されるでしょう。通年採用は採用市場のあり方を変え、日本の雇用環境全体に多大な影響を与える可能性があります。 まとめ 独立行政法人労働政策研究・研修機構が2018年に公表した調査結果によると、大学生・大学院生の約6割が「通年採用」を行う企業は多い方が良い、と回答しています。もはや通年採用のメリットやデメリットだけで導入を判断する段階ではありません。企業は現在の社会情勢や学生の動向を注視しながら、通年採用の導入を検討するよう求められているのです。 参考:(独)労働政策研究・研修機構『大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査』 企業事例 新卒採用 新型コロナウイルス 通年採用
HRTech 2020年6月24日 ウェビナーを成功に導く! そのポイントと注意点とは? 新型コロナウィルス感染症防止のため、企業や学校、官公庁等でセミナーや展示会の場をオンラインで開催できる「ウェビナー」に切り替える動きが広がっています。 本記事ではウェビナーとは何か? ウェビナー開催には何が必要なのか?ウェビナーを成功に導くうえでのポイントや注意点を解説していきます。 [目次] そもそもウェビナーとは? ウェビナー開催前に知っておきたい注意点 ウェビナーツールを有効活用するポイント まとめ そもそもウェビナーとは? ウェビナーとはWeb上で行われるセミナーのことです。「オンラインセミナー」や「Webセミナー」とも呼ばれます。近年は展示会、採用説明会、社員研修等、幅広い目的で開催されています。 様々なウェビナーツールが多くのベンダーから提供されており、少人数向け無料プラン、最大10,000台のデバイスに配信できる有料プラン、動画撮影~配信までを請け負うプランなどがあります。 ウェビナーは準備にかかる手間やコストの軽減メリットが非常に大きく、リアルなセミナーと比べて日程調整や会場手配も容易です。運営者、参加者とも会場までの移動コストもかかりません。 国内・海外問わず配信できることもウェビナーの魅力であり、地方企業であっても都心や海外の新たな取引先や優秀な人材を獲得できる可能性があります。 ウェビナー開催前に知っておきたい注意点 ウェビナーはリアルなセミナーとは違いパソコンやスマートフォンで視聴するため、配信方法や配信環境に留意する必要があります。 ・配信方法 ウェビナーの映像配信方法には撮影・編集した映像を使用する「オンデマンド配信」と、リアルタイムの映像を流す「ライブ配信」があります。 ・オンデマンド配信 参加者が自分の予定に合わせて視聴できるメリットがあります。運営者にとっては事前に入念な編集作業ができ、録画映像を何回も活用できるところがメリットです。 ・ライブ配信 主催者と参加者がリアルタイムにコミュニケーションできるため、イベントが盛りあがりやすいメリットがあります。録画機能を活用し、後日オンデマンド配信することも可能です。 ・配信環境 ウェビナーでは映像や音声の乱れがあると、主催者のイメージ悪化につながります。 自社でネットワーク環境を整えたり、魅力ある動画を作成することが難しい場合は、配信環境の整ったスタジオや動画制作会社に委託するなど、高品質な映像を配信できるように留意しましょう。 ・リアルなセミナーとの違い ウェビナー参加者の多くは自宅などリラックスできる環境で視聴しています。リアルなセミナーより集客しやすい反面、離脱しやすい環境でもあるため、時間配分をコンパクトにするなど最後まで視聴してもらう工夫が必要です。 ウェビナーツールを有効活用するポイント ウェビナーツールは参加者が気軽にアクセスでき、発信しやすいツールにすることがポイントです。 ・スマートフォンやタブレットでも利用できる 参加者がモバイル端末でどこからでも簡単に参加できると、場所や時間を選ばないウェビナー開催が可能になり、集客力アップの一助となります。 ・双方向のコミュニケーションに対応している チャット機能があれば、参加者は質問や意見をタイムリーに発信できます。対面ではない気軽さから参加者が発言しやすいところもウェビナーの魅力です。その場で質問に答えてもらえるため参加者の満足度は高まります。 まとめ ウェビナーは2020年になり一挙に検討する企業が増えたため「ウェビナー開催ノウハウ」をテーマにした無料ウェビナーもよく開催されています。 こうしたウェビナーに参加すると「参加者の目線」と「主催者のノウハウ」を同時に知ることができ、自社ウェビナーのイメージがつかみやすくなるでしょう。 Webinar Webセミナー ウェビナー オンラインセミナー テレワーク 新型コロナウイルス