コラム
ワインの豆知識
赤坂のソムリエに訊く!今更聞けないワインの基本、ブドウの品種ってなに?【赤ワイン編】
前回ご紹介したワインの種類に続き、今回はブドウの品種についてご紹介します。ピノノワール、ボルドー、メルロー・・・品種や地方の名称には横文字が並び、初心者にはハードルが一気にあがります。このブドウの品種の違いについて理解すると人に話せる知識量は大きく変わります。ぜひぜひ覚えてみてください!
赤ワインのブドウの主な品種と産地
赤ワインの品種には大きく以下の4つがあります。
ピノノワール(Pinot Noir)
カベルネソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
メルロー(Merlot)
シラー(Syrah)
他にも沢山ありますが、初心者の方はまずこの4つを覚えておくことをおすすめします。
世界各地でその土地の気候や風土に適したブドウが栽培されるため、それぞれの品種は、ワイン銘醸の地であるフランスでも、栽培される地方が異なります。
ピノノワールはブルゴーニュ地方、カベルネソーヴィニヨンとメルローはボルドー地方、シラーは南フランス・ローヌ地方になります。
味や色ももちろん異なります。
ピノノワールは酸味があり若干色が薄く、赤いベリー(いちごやチェリー、ラズベリーなど)の香りがするのが特徴です。カベルネソーヴィニヨンとメルローは色が濃く、タンニングが強くて渋み(カベルネソーヴィニヨンの方がより強い)があり、黒いベリー(ブルーベリーやブラックベリー、カシスなど)の香りがするのが特徴です。この2つを実際に比べるとみると色の違いは、初心者でもはっきりと分かります。
そして、シラーはスパイスのニュアンスが強く、黒胡椒っぽい雰囲気があります。
余談ですが、カベルネソーヴィニヨンとメルローはフランスボルドーでは一般的にブレンドされ、セットで用いられることが多いです。含まれる比率により前面にでる品種が変わります。
料理との合わせ方
そんなこの4つの品種ですが、どんな料理が合うでしょうか?
覚え方としてはワインの色と料理の色を合わせるのがポイントです。
例えば、色の薄いピノノワールは肉料理であれば、軽めの肉料理やチキン・豚肉など、色の濃いカベルネソーヴィニヨンやメルローはしっかりした肉料理 黒豚・牛肉など、そして、シラーは、+スパイシーな調味料を使用した料理によく合います。
お店に行ったときのオーダーとしては、まずは自分が食べたいもの、飲みたいものを選ぶとスムーズです。
例えば、メルローのワインをボトルで飲みたい場合はそちらをオーダーし、それにあう料理としてしっかりした肉料理を、まずは食べたい料理がある場合は料理をオーダーしそれに合うワインをグラスでオーダーするなど、各自の好みや気分に合わせるのがいいかと思います。
「今日は軽めのワインが飲みたいからピノノワールをボトルでください。軽めの肉料理があうと思うので、鶏肉を使った料理で何かお勧めとかありますか?」などソムリエとの会話を楽しむのもいいですよね。
まとめとソムリエからのひとこと
これらを表にまとめると以下になります。
※簡略的にお伝えする為の一般的な表であり、例外的な事も多数ございますので、予めご了承ください。
品種 | 地方 | 味 | 色 | 合う料理 |
ピノノワール(Pinot Noirr) | ブルゴーニュ | 酸味がある | 薄い | 軽めの肉料理(鶏肉、豚肉) |
カベルネソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon) | ボルドー | より渋みがある | 濃い | しっかりした肉料理(牛肉、黒豚) |
メルロー(Merlot) | ボルドー | 渋みがある | 濃い | しっかりした肉料理(牛肉、黒豚) |
シラー(Syrah) | ローヌ | スパイシー | 濃い(タイプにもよる) | スパイシーな料理 |
ソムリエはこういった品種毎の違いを理解したうえで、さらに、酸味、甘み、タンニン、アルコール感、複雑姓、余韻、将来性を考慮したうえでワインを選定します。
ソムリエに訊けばきっと、「一般的なメルローよりタンニンが強いけど、その分複雑性が増え・・・価格以上にお得ですよ」など教えてくれます。
ソムリエとの会話もワインの楽しみ方のひとつ。色々教えてもらいながら、自分好みのワインを探していくことで、より一層深いワインの世界が見えてくるのではないでしょうか?
聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一