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人事施策

社員エンゲージメントを高めるリワードプログラムとは?

社員エンゲージメントを高めるリワードプログラムとは?

社員のエンゲージメントを高め、ひとりひとりが高い業績に貢献できるようにすることが人事の施策。
その施策のひとつでもあるリワードプログラムについて、USでは面白いサービスがでてきています。今回はそんなリワードプログラムについてご紹介します。

リワードとは?

リワード(Reward)とは日本語に直訳すると「報酬」「褒美」のことです。人事施策の場合は一定の成果に対するインセンティブのことを指します。

では、どんなリワードが効果を発揮するのか?
そのためには、まずはじめにトータルリワード(金銭的な報酬だけではなく、非金銭的な報酬を含めた包括的な処遇)を考える必要があります。

トータルリワードとは何か?その構成要素を以下の表にまとめました。

【トータルリワード】

金銭的報酬 直接報酬 基本給
賞与
インセンティブ
退職金
間接報酬 法定福利厚生
法定外福利厚生
能力開発支援
非金銭的報酬 仕事 成長機会、キャリアアップ
仕事の重要性
仕事の面白み
社会的な認知
労働環境 共感できる価値観
リーダーシップ
従業員間のつながり(協働、コミュニケーション)
ワークライフバランス

これらを企業の人事方針や総額人件費予算などに基づいてバランス良く考えていきます。

分かりやすい例として、例えば企業の人事方針が「業績に応じて給与を払う。従業員には成果をしっかりと求める。その代わりペイフォーパフォーマンスを重視する。」という場合は、金銭的報酬の直接報酬であるインセンティブへの配分を多くする、ということが考えられます。

グローバル化が進みダイバーシティが求められる昨今、個人の価値観は様々です。そして、その個人の集合体である企業にも、それぞれ異なる価値観が存在します。企業の価値観と独自の魅力的なトータルリワードを設計・提供していくことが、求める人材を惹きつけることや働く社員のモチベーションの向上につながります。

エンゲージメントにつながるモチベーションの構成要素

エンゲージメントを高めるためにはモチベーションの向上が大きく関係してきます。モチベーションの構成要素は大きく以下の2つになります。

・外発的動機づけ
・内発的動機づけ

外発的動機づけとは、外的報酬(賞罰や昇進など)によって触発され、動機が高まることです。
ビジネスにおいての外発的動機づけは金銭である場合が多く、短期的に動機づけるのには有効です。しかし、長期的に維持するためには、外的報酬を繰り返したり、より強い外発的動機づけを必要とするなどのコスト増加の弊害があります。コストを支払い続けることができればいいですが、他社に高い報酬を提示されることで、すぐ転職をしてしまうなど、長期目線でみると、外発的動機づけだけでは自社に対するエンゲージメントやリテンションへの効果を発揮させることは難しいかもしれません。

一方、内発的動機づけとは、外的報酬によらず、個人の意欲・成長欲求・好奇心によって
動機が高まることです。内発的動機づけによる学習は、個人の持つ探究心や情熱がベースとなるため、学習の継続性、学習効果の高さ、さらには創造的な思考が強化されます。ビジネスでは創造的な解決策が必要であり、内発的動機づけによる学習、スキルの獲得、パフォーマンスが重要とされています。

リワードプログラム具体的な外部サービス例

多様な人材が働くUSの企業では、社員エンゲージメントを高めるためにさまざまなリワードプログラムが活用されていますが、その中でも近年ユニークなサービスを提供する企業ががでてきています。

https://www.blueboard.com/ 
2014年のサンフランシスコ、週60時間のハードワークの末にリワードとして与えられたAmazonギフトカードに温かみを感じることができなかった二人が、もっと人間味のあるリワードをと想い起ち上げた会社です。金銭だけでなく、冒険などを通じた「体験」こそがエンゲージメントを高めるという考えのもと「体験」につながるリワードプログラムを実施可能なプラットフォームを提供しています。

http://www.globoforce.com/
レコグニションにフォーカスしたプラットフォームを提供している会社です。社員同士で賞賛・表彰しあう仕組みの構築が可能で、これらにより内発的動機づけを刺激し、モチベーションの向上につながけていくことができます。

まとめ

HRテック先進のUSでは、さまざまな手段を講じて、いかに社員のエンゲージメントを高めるかが考えられています。

業績達成のインセンティブに旅行を与える企業などもありますが、団体旅行ということもあり、実際の金銭を与えるよりも割安で効果的な「体験」を与えることができたりします。

「インセンティブには金銭を与える」と単純に考えるのではなく、より工夫して企業の価値観に沿ったリワードプログラムをつくることが、独自の企業文化を醸成し、高い社員エンゲージメントへとつながっていくのではないでしょうか。

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