コラム
ワインの豆知識
赤坂のソムリエに『春にお勧めのワイン』を訊いてみた!
桜舞い散る春。寒い冬が終わり、植物からは新しい生命の息吹を感じます。卒業式、入学式、入社式などのイベントもあり、日本では出会いや別れの季節です。気温も過ごしやすく、春が一番好きだと言う人も多いのではないでしょうか?
そんな『春』にお勧めのワインとは?赤坂のソムリエに訊いてきました。
いきなり結論ですが、結局のところ、
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「人の好みによる」
とのことでした。
春のワインの定義
そもそも春のワインの定義が難しいとのことでした。「春らしさ」というキーワードから連想することも人それぞれ違います。例えば、白を連想する人がいたり、ピンクを連想する人がいたり、もしかしたら緑という人もいるかもしれません。明確な定義がないため、人の主観によるところが多くなります。ワインは結局のところ、嗜好品であり、個人の好みで楽しむものです。その時に飲みたいものが一番適したワインとなります。赤ワインしか飲まないと決めている人には「春のワイン」もきっと赤ワインです。
余談ですが、季節の商品は売り手側の販売戦略が大きく影響していることもあります。例えば有名なボジョレーヌーヴォ―は地方のワインを売るために「今年の新酒」というコンセプトをうまくブランディングに結びつけ、季節商品として楽しまれています。(近年は日本ブームも沈静化したので、今後どのように戦略するのか楽しみなところです)
お勧めするとしたら
とはいえ、お勧めするときには、自然界の色調、香り(桜や梅など)、季節の食べ物、に合わせて提案することが多いそうです。
春の季節の食べ物というと、ホタルイカ、山菜、たけのこ、ホワイトアスパラガス、桜マス、桜鯛、カツオ、梅、貝、春キャベツ、新玉ねぎなどなど。
『春にお勧めのワイン』として、今回は具体的に次のワインをお勧めしてくれました。
・ドイツのスパークリングワイン (ピノ・ブラン) 左
酸味がしっかりして、ほんのり苦味を感じることができます。さらっと飲みやすく、山菜や梅肉和えに合うワインです。
・ロゼワイン (ピノノワール、メルロー等のブレンド)中央
桜色のワインで春らしさを連想させてくれます。味のインパクトは弱いですが、辛口でいろんな料理に合わせやすいのが特徴です。
・白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン) 右
さっぱりした酸味が特徴でフレッシュさを感じることができます。
総じて、春の時期はさっぱり感のあるワインをお勧めするとのこと。
アパレル業界でも春になると、白や淡いピンク系の服が増えてくることが多いと思いますが、それらの色調がイメージされるワインが一般的に春らしさを感じるのではないでしょうか。
ワイン通のフリをするために
そんな春の季節、お客様から次の質問をされると「この人はワイン通だな」と感じるとのことでした。
「シュパーゲル(アスパラガスのこと)にはミュスカやリースリング(白ワイン用のブドウ品種)が合うよね?お店にありますか?」
※海外生活が長く、ワインを楽しんでいる人だと感じるそうです。(あくまで主観とのことです)
「この季節にあうアルザス系品種をください」
「アルザス系ワインありますか?」
※アルザス地方のワインは品質の割に安いそうです。万人受けするものではなく、ブランド力も他と比較するとそこまで高くはないのですが、ホワイトアスパラガスに良く合うワインとのこと。アルザスを好むということは、ワインを良く知っている人だなという印象をもつそうです。(あくまで主観とのことです)
ワイン初心者で知ったかぶりをしたい人は、ぜひこの質問をソムリエにぶつけてみてください。その後の会話がどのようになるかも楽しんでみるといいですね。
聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一