HRTech 2020年5月28日 SaaSの基礎知識と導入のメリット、PaaSやlaaSとの違いを解説します 世界中で利用され、いまや業務効率化に欠かせないツールとなったクラウドサービス。IT業界のみならず、あらゆる産業界からさらなる普及と発展が期待されています。 そして昨今、さまざまなメディアで見聞きする「SaaS(サース/サーズ)」という言葉。これは「Software as a Service」(サービスとしてのソフトウェア)の略称で、低コストで気軽に導入できることから近年最も利用されているクラウドサービスです。 今回は、世界が注目するSaaSの特徴や導入のメリット、混同されやすいPaaSやlaaSとの違いについて解説します。 [目次] 「クラウドコンピューティング」と「SaaS」 代表的なSaaS SaaS、PaaS、laaS の違い まとめ 「クラウドコンピューティング」と「SaaS」 クラウドコンピューティング、いわゆる「クラウド」は2000年代から一般的に普及し始めました。クラウドはサーバー上に存在するデータやソフトウェアをインターネット経由で利用するため、私たちはコンピュータ資源を持つ必要はありません。 2020年代の現在、クラウドサービスは個人・法人を問わず誰もが必要なときに必要な分だけ利用できるサービスとなり、とりわけSaaSは私たちの生活に根ざした存在となっています。 ■SaaSの種類 SaaSには主に以下の2つの種類があります。 ・Horizotal SaaS(ホリゾンタルサース) 業界・業種を問わず、特定の職種に特化した機能を持つSaaSです。人事システムや営業支援システムという形で提供されています。 ・Vartical SaaS(バーティカルサース) 業界・業種ごとに特化した機能を持つSaaSです。小売業や飲食業といった各業界で利用されています。 代表的なSaaS 代表的なSaaSには、以下のようなものがあります。 ・Dropbox クラウドサーバー上にファイルを保存できるサービスで、サーバー上で他者とファイルを共有し、共同編集や同時作業が行えます。また、ネット環境さえあればいつでもどこでもファイルを操作できます。 ・G Suite(旧名称:Google Apps) クラウド上で利用するアプリケーションパッケージで、コミュニケーションやスケジュール管理、オフィスワークといった用途で利用されています。例えば、Gmail、Googleカレンダー、GoogleドキュメントなどがG Suitesに含まれています。 ・Salesforce 企業の顧客情報を一元的に共有できるCRMプラットフォームで、営業支援からカスタマーサービス、マーケティングなど、顧客管理に必要な幅広いサービスを提供しています。 SaaS、PaaS、laaS の違い SaaSと類似した言葉に「PaaS(パース)」「IaaS(イァース/アイアース)」があります。これらは提供されるサービス内容によって、クラウドコンピューティングを3つに分類したものです。 ・SaaS(Software as a Service) クラウド上でソフトウェアを利用するためのアプリケーション、ミドルウェア、OS、サーバー、ネットワークまで完全に網羅しています。必要コストが低く早期にサービスを開始できる一方、パッケージ化されているゆえにカスタマイズの自由度は低めです。 ・PaaS(Platform as a Service) クラウド上でソフトウェアを利用するためのミドルウェア、OS、サーバー、ネットワークがサービス内容に含まれます。システム開発のみに注力できる一方で、サービスベンダーが提供する言語やデータベースを使用しなければならないデメリットも。 ・laaS(Infrastructure as a Service) クラウド上でソフトウェアを利用するためのOS、サーバー、ネットワークがサービス内容に含まれます。インフラ部分のコストは低いものの、設計や管理、運用といった専門知識を持つ人材が不可欠です。 まとめ SaaSのメリットは、インフラ整備やソフトウェア導入、サービス利用に関するコストの低さです。さらに導入までの期間が短いため、早期に課題を解決したい企業にとっては魅力的でしょう。また、サービスの導入にあたっては、PaaSやIaaSとの違いを理解しておくことも大切です。社会の多様なニーズに応えられるよう、今後も私たちの生活にあり続けるSaaSの知識を深めていきましょう。 SaaS クラウド 業務効率化