HRTech 2020年9月23日 従業員エンゲージメント向上に有効!? パルスサーベイのメリットと運用のコツ 近年、国内外の多くの調査において「企業の業績」と「従業員のエンゲージメント」との相関関係が実証されており、日本でも従業員満足度とあわせてエンゲージメントの向上に取り組む企業が増えています。従業員エンゲージメントを高めるためには、まず、現時点での従業員の満足度や仕事のやりがい、企業への信頼度などを把握した上で適切な施策を実施し検証・改善し続ける必要があります。そこで、従業員サーベイの手法として「パルスサーベイ」が注目されています。今回はパルスサーベイのメリットや運用時の注意点をご紹介します。 [目次] 高頻度で手軽に実施できる「パルスサーベイ」とは? パルスサーベイのメリット・活用効果 パルスサーベイ導入と運用における注意点 まとめ 高頻度で手軽に実施できる「パルスサーベイ」とは? パルスサーベイとは小規模かつ高頻度に実施されるサーベイのことです。「パルス(pulse)=脈拍」「サーベイ(survey)=調査」なので、脈のように短いスパンで繰り返し調査するという意味であり、日本では主に従業員満足度調査などに活用されています。 例えば、大規模な年1回実施するような従業員満足度調査は問題の原因究明、部署や年次ごとの比較を行いやすい長所はありますが、調査の案内や実施、結果の集約・分析にかなりの時間とコストが発生します。 急な職場環境や個人の変化を察知できず、対応が遅きに失する場合もあります。一方、実施する側にも受ける側にも負荷が少なく、組織内の課題や従業員の意識をリアルタイムに近い状態で把握できるのがパルスサーベイです。 パルスサーベイのメリット・活用効果 パルスサーベイのメリットを紹介します。 ・手軽かつリアルタイムな調査が可能 1回5~10分、質問項目3~7個程度の調査なので従業員の負荷が少なく、目的に応じ週次、月次に実施すると従業員の習慣になりやすいメリットがあります。「仕事に満足できていない」「周囲との連携がうまくいっていない」といった従業員の状態をリアルタイムに把握できます。 ・従業員満足度・エンゲージメントの向上 サーベイの結果をもとに、上司が従業員の「今の課題」をサポートしやすくなります。適切なフォローが可能になることで、従業員は「会社が自分のことを気にかけてくれる」という印象を持ち、エンゲージメントが向上しやすくなります。 ・新入社員のオンボーディング、簡易ストレスチェック 新入社員の中にはGW明けや試用期間中など早期に離職する人も少なくありません。例えば週次のパルスサーベイで兆候を把握し適切なフォローができれば、新人の思い込みや誤解による離職を防げる可能性があります。パルスサーベイで簡易的なストレスチェックを実施することで、メンタル不調の未然防止にもつながります。 パルスサーベイ導入と運用における注意点 導入時、運用時の注意点を解説します。 ・サーベイの実施頻度や内容を適切に決める 対象者、頻度、フィードバックのタイミング、質問数と内容を明確に決めることが重要です。頻度が高すぎると上司のフィードバックが追いつかず、サーベイ自体がマンネリ化してしまいます。質問数も多すぎると受ける側は負担です。 ・データを閲覧できる範囲を明言する 調査データの閲覧方法と範囲、回答内容によって不利益を被ることがないことを事前に説明することが重要です。回答内容によって人事評価に不利益が生じると危惧されてしまえば従業員は本音で回答せず、出てくる結果もそれに基づいてたてた施策も失敗に終わる可能性があります。 まとめ パルスサーベイは、手軽に高頻度で行えるため、従業員の状況をリアルタイムで把握できるメリットがあります。適切な質問数と頻度で実施し、調査結果をもとに従業員をフォローしたり、組織の問題点を改善したりし続けることで、従業員エンゲージメントが向上することが期待できます。 エンゲージメント ストレスチェック パルスサーベイ