ワインの豆知識 2018年12月12日 初心者でも大丈夫!ソムリエが教えるスパークリングワイン(シャンパン)の開け方 慣れていない人だと戸惑うこともあるスパークリングワイン(シャンパン)の開け方。お店のひとたちは慣れた手付きで颯爽と開けてくれます。今回はその栓の開け方についてソムリエに伝授してもらいました。 大まかな手順としては以下になります。 1.キャップシールを取る 2.針金を取る 3.コルクを取る ただ開けるだけでしたらば、上記手順にて適当に行ってもできるかと思いますが、かっこよく、そして颯爽と行うにはポイントがあります。 ソムリエナイフを使いながらキャップシールを剥がす キャップシールを取るときに、ソムリエナイフを使うとかっこよく、そしてすばやく取ることができます。 ナイフの使い方にはコツがあり、親指で挟み込むように持ちながら回転させます。 具体的な画像はこちらです。 前からみた画像 上からみた画像 このようにセットした後に、回していくことでプロっぽく、そしてかっこよくキャップシールを剥がすことができます。 コルクの圧力を感じながらゆっくり抜いていく コルクを引っこ抜くというよりも、コルク部分しっかり持ち、ボトルの下の部分を回していきます。ボトルを回していくことで、コルクが上がってくる圧力を感じながら少しずつ抜いていきます。 ソムリエに見本をみせてもらった、実際にスパークリングワイン(シャンパン)を開ける動画がこちら https://youtu.be/E3MsFiLD_8Y 当たり前ですが炭酸が含まれていますので、冷えていない場合や振った後に開けると暴発するので注意してください。 最後にソムリエからコメントをもらいました。 「映画などのようにコルクをボンっと飛ばすのは危険なので避けましょう」 確かに危ないですよね。どうしてもやりたいときは被害も含めて自己責任で! 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く ワインの裏技
ワインの豆知識 2018年11月28日 ワインのラベルの剥がし方 ワインラベルコレクター(Wine Label Collector)で簡単収集! ワインのラベルにはそのワイン独自の様々な情報が記載されています。(参考:ソムリエに訊く!ワインのラベルと瓶の形状から分かること) かっこいいワインのラベル、自分の飲んだワインを証拠として残しておきたかったりしませんか? しかし、剥がすのは結構大変。そんな時、どうすればいいのでしょうか? ソムリエが便利なツールを教えてくれました。 その名も、「ワインラベルコレクター Wine Label Collector」!! こちらを使うと簡単にワインのラベルを剥がし、コレクションすることができます。 やり方はたったの2ステップ! 1.しっかり粘着させる 2.一気に剥がす たったのこれだけです! 実際にワインのラベルを剥がしている動画がこちらです。 https://youtu.be/P0yIpAepR9g 簡単、そして綺麗にラベルを剥がすことができます。 そしてできあがったラベルがこちら。 綺麗に保管でき、収集するのに最適です。 大昔はこのようなツールはなかったため、保管したいコレクターは瓶ごと家に持って帰っていたそうです。 最近のアメリカワインなどは糊付け強くて取れない場合もあるそうですが、中と外にお湯をはり、ふやかしたりすることでキレイに剥がせるそうです。 (もし、これでも綺麗に剥がせない場合、、、そんなときは諦めましょう。) 「今はスマホで画像に取る人が多いので、このように収集する人は減ってはきているでしょうね」 とのことでしたが、歴史あるワインのコレクションとしてはこのようにして集めるのもなかなかかっこ良いですね。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く ワインの裏技
ワインの豆知識 2018年11月18日 赤坂のソムリエが教えるきれいでかっこ良いワイングラスの拭き方 家庭でワイングラスを洗うとなんか白い汚れが残っていたり、指紋がついてしまったりと少し気になることはありませんか。来客時に初めて気づいて、このまま出すのが少し恥ずかしくなってしまったり。 ワイングラスの拭き方にもプロの技やコツが存在しています。 ソムリエが丁寧に教えてくれました。 「まず、家庭でワイングラスは洗うときは、水を張っておいて、次の日の朝に洗うのがいいですね。酔っ払っている状態で洗うと少々あぶないですからね。」 さすがソムリエ。ワインを飲んだ後はどのような状態になっているかまでを把握してアドバイスをくれます。 「1番汚くなるのがフチの部分です。時間がなく面倒というかたはフチだけでもスポンジで優しく洗うことをオススメします。」とのことでした。 プロが使用しているのは「トレシー」というクリーニングクロス。すぐに乾き、汚れをきれいに拭き取れるとのことです。 「トレシー」で検索してみるとでてきますので、興味のある方はぜひ確認してみてください。 ※手が小さい人は2枚使用もOK ※脚を持ちながら拭くと折れてしまうことがあるので注意が必要です 実際のワイングラスを洗い、拭く手順は以下になります。 【手順】 1. 熱いお湯で洗う 2. まず下の部分を拭く 3. 足を拭く 4. 最後に中を拭く 5. ライトに照らして汚れがないか確認 拭き方の動画はこちら https://youtu.be/WTj0I0hqqlQ みていると簡単そうなのですが、実際にしてみると慣れるまで結構難しいです。 特に4の「中を拭く」ところにコツが必要になります。 ポイントは以下です。 【ポイント】 ・左手の人差し指と中指の間で持つ ・トレシーを中にいれ、底にあたっていることを確認する ・親指を中にいれて回す ・拭く、グラスを戻す、拭くという順番 直接触ると指紋がつくので、順番にトレシーをくっつけていくのが重要です。女性で手が小さいひとはトレシーを2枚使うのもオススメとのことでした。 「ワイングラスは結構繊細なので、力を入れすぎるとパキッと折れてしまうことがあるので注意しましょう。」とのことでした。 きれいなグラスで飲んだほうが、やっぱり気持ちがいいですよね! かっこよく拭けるようにぜひ試してみてください。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く ワインの裏技
ワインの豆知識 2018年11月06日 【ワインの裏技】ワインの急速な冷やし方 急な来客時など、冷やし忘れてしまったワインをできるだけ早く冷やして飲みたくなる時はありませんか? そんな時に役立つ、急速なワインの冷やし方をソムリエに教わりましたので今回ご紹介いたします。簡単なので覚えておいて損はありませんよ! やり方は以下3ステップのみです! 【やり方】 1.氷をいれたボールを用意する 2.ワインを入れる 3.ワインを回転させる わずか3分から5分程度で冷えたワインを楽しむことができます。 ちなみにこちらの方法は缶ビールでも有効です。 1番のポイントは”振らない”こと。特にスパークリングの場合は炭酸があるので、振ってしまうと、開ける時に大変なことになってしまいます。 あくまでも”振らない”で回転させることがポイントです。 実際の回している様子は以下の動画から https://youtu.be/xCIeD5SRhns 一度開けて、まだぬるいなと感じたときでも再度この方法で冷やすことができます。 その他の裏技として、水で濡らしたタオルでワインを巻いて冷凍庫に入れるというのも、効果的とのことでした。約30分ほどでキンキンになるそうです。 そして、最後にソムリエから一言いただきました。 「本当は冷蔵庫でしっかり冷やしたほうがいいですよ。」 なるほど、やっぱりそうなんですね。緊急時の対処方法として覚えておきましょう! 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く ワインの裏技
ワインの豆知識 2018年10月24日 【2018年 ボジョレー・ヌーヴォー】解禁前に改めてボジョレー・ヌーヴォーとは? 毎年楽しみにしている方も多いボジョレー・ヌーヴォー。1980年代から90年代にはメディアも多く取り上げ、かなりの盛り上がりを見せていた気がします。 2018年のボジョレー・ヌーヴォーの解禁も迫ってまいりました。そんなボジョレー・ヌーヴォーについて改めてソムリエに教えてもらいました。 [目次] ボジョレー・ヌーヴォーとは? ボジョレー・ヌーヴォー キャッチコピー ソムリエからの一言 ボジョレー・ヌーヴォーとは? 「ボジョレー」はフランスのブルゴーニュ地方の南にある地名を表しています。そして、「ヌーヴォー」とはフランス語で「新しい」という意味。つまり、ボジョレーでその年に製造された新しいワインのことをボジョレー・ヌーヴォーといいます。 毎年11月の第三木曜日の0時から販売開始され、それまでは販売してはいけないというルールがあるそうです。この「11月の第三木曜日の0時」ですが、現地時間での計算になるため、時差により本場フランスよりも日本のほうが早く解禁されます。先行発売好きの日本人の気質もあり、ボジョレー・ヌーヴォーの日本での人気は世界的にみても非常に高く、輸出先として1位とのことでした。一度に空輸ができるワインの瓶の総量は決まっているため、この時期はボジョレー・ヌーヴォーが優先されてしまい、通常のワインの空輸に弊害もでているという話もあるそうです。 もともとはその年のワインの出来をチェックすることを目的に始まったとも言われるボジョレー・ヌーヴォー。しかし、ボジョレーの帝王とも言われるジョルジュ・デュブッフ氏の努力により、新種のワインをどのようにして楽しむかという考えのもと現代のボジョレー・ヌーヴォーに進化をしていったとも言われています。 ボジョレー・ヌーヴォー キャッチコピー 毎年輸入元や販売業者がキャッチコピーを作ることもボジョレー・ヌーヴォーの楽しみの一つです。 以下にwkipediaからの一部を抜粋して掲載します。 引用元wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/ボジョレーワイン 2001年「ここ10年で最もいい出来栄え」 2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」 2003年「110年ぶりの当たり年」 2004年「香りが強く中々の出来栄え」 2005年「タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』」 2006年「今も語り継がれる76年や05年に近い出来」 2007年「柔らかく果実味豊かで上質な味わい」 2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」 2009年「過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来」 2010年「2009年と同等の出来」 2011年「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」 2012年「偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全」 2013年「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」 2014年「太陽に恵まれ、グラスに注ぐとラズベリーのような香りがあふれる、果実味豊かな味わい」 2015年「過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます」 他にも探すと毎年のキャッチコピーは色々なサイトで紹介されていますが、◯◯年に1度、◯◯年ぶりなどの言葉がよく目につくのが印象的です。輸入元や販売業者がどのようにして売ろうとしているのかもボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方のひとつですね。 Wkipediaでは上記の内容でしたが、他のところでは、2012年は「ボジョレー史上最悪の不作」なんていうキャッチコピーもでていたそうです。ソムリエの記憶だとこのキャッチコピー時のほうがむしろ売れていた気がするとのこと。お祭り感のあるボジョレー・ヌーヴォーならではの感じがしますね。 ソムリエからの一言 最後にソムリエにボジョレー・ヌーヴォーの美味しい飲み方について教えてもらいました。 「ご自宅の場合、冷蔵庫で軽く冷やして飲むとより美味しいですよ。ボジョレー・ヌーヴォーはライトボディの軽いワインです。感覚としてはフレッシュなフルーツを想像してもらうといいですね。もちろん好みがありますが、冷やしたフルーツのほうが一般的には美味しく感じる人が多いのと同じ感覚です。」 大変分かりやすい表現で納得しました。 ボジョレー・ヌーヴォーは大衆的な印象が強く、様々な生産者が作ることもあり、味についてはそれほど評価は高くないものが多かったそうですが、最近ではとても美味しいものもでてきているそうです。 「2018年11月の第三木曜日である11月15日(木)、あじる亭とあじる亭 Annessoではボジョレー・ヌーヴォーをご用意してお待ちしております。ぜひ皆様楽しみに来てください!」 今年のボジョレー・ヌーヴォーもぜひ楽しみましょう! 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインの豆知識 2018年10月04日 【世界のワイン】アメリカ・カリフォルニアのワインの特徴とは? 根強いファンの多いアメリカ・カリフォルニアのワイン。ニューワールドのワインとしては知名度・人気ともにトップクラスではないでしょうか。今回はそんなアメリカ・カリフォルニアのワインについてソムリエに訊いてきました。 [目次] カリフォルニアワインの特徴 ソムリエからのコメント カリフォルニアワインの特徴 カリフォルニアワインについて、質問をしようとするとソムリエが早速ワインを2本持ってきてくれました。 左がOpus One、右がSCREAMING EAGLEです。 「カリフォルニアワインは高級なものも沢山ありますね。右のワインは1本数十万円します。」 スタートからかなり驚いてしまいました。 アメリカのワインの歴史自体は1500年代ころから始まり、1800年代のゴールドラッシュ時代にカリフォルニアワインが大きく普及し始めたと言われています。1920年の禁酒法により一時壊滅の危機にさらされますが、カリフォルニア大学の研究などの効果もあり少しずつ復興されてきました。 そして、カリフォルニアワインの拡大に最も貢献した人のひとりがロバート・モンダヴィです。画像にもある有名なカルフォルニアワイン、Opus One(オーパスワン)を作った人です。ヨーロッパの葡萄からワインを作り出した革新的な人で、ワイン製造における技術革新を持ち込むとともに、マーケティング戦略やブランディング戦略にも長けていたとのこと。 以前の記事(高級ワイン、なぜあのワインはそんなに高いのか?ワインが高額になる7つの理由)で紹介したように、ワインの価格は希少性やブランドイメージでも変わります。Opus One(オーパスワン)が高級なのもロバート・モンダヴィ氏のマーケティング戦略の影響も大きいのかもしれないですね。 味についての特徴は、カリフォルニアの日照量が多く雨が降りづらいという気候から、酸味が少なく、まろやかな傾向があるとのこと。愛されやすい果実味があるので、万人受けしやすいそうです。特に酸っぱいワインが苦手な人にはおすすめで、同じ品種でもアルコール度数が比較的高めなのも特徴とのことでした。 ソムリエからのコメント 最後に、上の画像にある高級ワインOpus One、SCREAMING EAGLEに合う食事について、教えてもらいました。 「赤みのお肉、ローストよりもグリル(焦げ目をつける)系の料理が合いますね。和牛よりも脂の少なめの赤みのお肉、リブロースなんかが美味しいと思いますよ。レアのマグロのステーキなんかもいいですね。フランスのワインに比べると、味わいにボリューム感がある為、料理の味わいも、輪郭のはっきりした濃いめの味付けが良いと思います。グリル料理は鉄板です! 」 さすが、ソムリエ!勉強になりました。 「カリフォルニアのワインはやっぱりシリコンバレーなどで働いていた人が注文することが多いですね。」 やはりカリフォルニアにいた人たちは皆、カリフォルニアのワインが懐かしくなるのでしょうか。過去にシリコンバレーに赴任されていた人への贈り物にはカリフォルニアワインなんかは喜ばれたりするかもしれないですね。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインの豆知識 2018年9月20日 【世界のワイン】日本ワインって実際どうなの?その特徴とは? 「伝統国」と「ニューワールド」の2つに大別されるワインの世界。国も変われば気候も変わり、ワインの特徴も変わります。今回は日本のワインについてソムリエに訊いてきました。 [目次] 日本ワインの特徴 ソムリエからのコメント 日本ワインの特徴 まず「日本ワイン」とはそもそも何なのか?答えは、日本各地で栽培されたぶどうを基に日本で製造されたワインのことをいいます。そのため、ぶどうを輸入して日本で製造されたワインは日本ワインには含まれません。 生産量は山梨がトップで、長野、山形、北海道と続いていきます。 日本のワインの歴史は他国と比較すると浅く、約150年くらい前、ふたりの若者が山梨で作り始めたことがスタートと言われています。 日本でもカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネのように有名な品種も栽培されていますが、主要品種は「甲州ぶどう」と「マスカット・ベリーA」という日本固有種になります。 甲州ぶどう(白ワイン)・・・色が透明で吟醸香がする。日本酒のような雰囲気があり、さわやかさが特徴。味はニュートラルで特徴がないのが特徴ともいえる。ふんわりお米の香りもして、和食にも合わせやすい。 マスカット・ベリーA(赤ワイン)・・・味の特徴はその酸味。酸味がベースでそこに甘さが感じられる。お味噌系の料理との相性がよく、西京焼きなどにお勧め。 そのほか、デラウェアをワインにするのも日本独自とのこと。ヨーロッパやアメリカでは敬遠されるそうです。 また、日本ワインでは「ぶどうは山形で栽培、ワインの生産は各地」というようにぶどうの生産地とワインの生産地が異なることがあります。これらは海外では異例のことで、日本ならでは。兵庫で作られる山田錦をもとに各地で生産される日本酒の文化に近い感じがしますね。 ソムリエからのコメント 世界では7,000年の歴史があるワインの世界。それに対して日本ではまだ150年程度なので、まだまだ生まれたてと言っても過言ではありません。その浅い歴史にも関わらず、近年では世界的に評価されるワインもでてきているそうで、このあたりに日本人の勤勉さがうかがえます。 日本ワインの生産者は若い人たちが多く、お洒落なものが多い印象とのこと。新しいことにもどんどんチャレンジしている小さな生産者が多いのが特徴で、今後が楽しみとのことでした。 お店では海外からお客様が来たときに日本ワインを提供することが多いそうです。 (山梨のワイナリーで作られた「三之蔵」) しかし、レストランで飲む日本ワインは流通上の特性から一般小売のワインと比較すると割高感があるそうです。そのため、レストランでは好んで飲む人はまだまだ少ない傾向にあるようです。 「日本ワインは和食にもよく合うワインが多いです。これからの季節、ご家庭でも秋の和食と共に日本ワインを楽しむなんてのもいいですね。」 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインの豆知識 2018年9月09日 贈り物にワインを!センスがあると思われるためのソムリエからのアドバイス お祝いのときに贈るものとして、相手がお酒好きならワインはとても喜ばれます。 でも、初心者にはどんなワインを選んでいいのかなかなか難しいもの。 ちょっと「センスがある!」と思われるにはどうしたらいいか?ソムリエが教えてくれました。 [目次] お祝い時のワイン 贈答品としてのワイングッズ 更にワンランクあげるには お祝い時のワイン お祝い時のワインとしてテッパンなのが、シャンパーニュです。値段はピンきりなので、どれを選ぶかは難しいかもしれませんが、分相応、もしくは少し奮発してもいいかもしれないですね。 その他、年代に合わせたワインも喜ばれます。ボトルに年代が記載されていたり、年代自体を楽しむことができるのもワインの特徴。還暦や誕生日のお祝いには生まれた年のワインを送ったり、会社の周年パーティには創業年のワインを送ったりすると思い出深いものになります。 熟成に耐えられるという意味もあり、一般的には赤ワインが多くなります。さらに年代が古い場合は、ブランデーなどもお勧めです。ワインと比較すると劣化が遅く、古くても味わいが楽しめます。 デパートなどで購入すれば木箱に入れてくれたりもします。シーンに合わせて装飾することで、相手に特別感を与えることができますね。 贈答品としてのワイングッズ 贈る相手がワインを好きな人でしたらばワイングッズも喜ばれます。贈答品として以下のものが選ばれることが多いです。 ・ソムリエナイフ/ワインオープナー ・グラス ・デキャンタ どこのものを買っていいのか分からない場合、本物志向の方にはラギオールのソムリエナイフなどどうでしょうか?少々値段も張りますが、プロも使用するハズレのないブランドです。 その他、リーデルのワイングラスも安定感があります。260年以上もの歴史を誇るワイングラスの老舗です。 更にワンランクあげるには ワインにはそれぞれ色々な意味や歴史を持っていることも贈答品として、重宝される理由のひとつです。例えばこちらの「rindo リンドウ」。 この「rindo」はビジネスで成功を収めた方が、新たにカルフォルニアでワイン作りに挑戦し製造しているワインです。この製造過程のヒストリーと共に、新たな領域に挑戦する方へ成功を祈願して贈れば、きっと応援する気持ちが伝わります。 その他にも、リンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」という意味もあります。なにか励ましたいときなどにこのワインを花言葉とともに贈ると、きっと印象に残ることでしょう。 こういったワインひとつひとつにある意味を理解した上で贈ることで、ちょっとした感動を与えられます。どんな方に、どんな理由で贈りたいのか、背景を含めて専門家であるソムリエに相談してワインを選ぶと、ワンランク上の贈り物がきっとできると思いますよ。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインの豆知識 2018年8月09日 ソムリエに訊く!ワインの当たり年ってどういうこと? 「2015年は◯◯ワインの当たり年なので、オススメです。」こんな会話をレストランやショップでされたことはありませんか? 年により評価が異なることもワインの特徴です。 でも俗にいうこの「当たり年」とは一体なんなのでしょうか? ソムリエに訊いてきました。 [目次] 当たり年とは? 当たり年以外のワインはどうなの? まとめ 当たり年とは? 「当たり年」とは一般的には美味しいワインのできた年のことです。 ワイン業界では原材料となるぶどうの収穫された年のことをVintage(ヴィンテージ)と呼んでいます。「当たり年」のことをGreat Year(グレイトイヤー) 、Big Vintage(ビッグビンテージ)なんて呼ぶこともしばしば。 さて、この「当たり年」、ぶどうの生産において適した天候だった年が「当たり年」となります。当然地域により異なり、これらの年代×地域をまとめたものをVintage Chart(ヴィンテージチャート)と呼び、様々な評論家が独自の視点や採点項目により作成しています。 参考までにフランスボルドー地方では、1982年、2000年、2005年、2009年、2015年が当たり年と言われています。(その他多数ありますが、その中でもよく取り上げられる年に限定しております) 当たり年以外のワインはどうなの? 最近では天候が悪い年を「冷涼ヴィンテージ」なんて言葉を使ったりもするそうです。 では、冷涼ヴィンテージのワインは美味しくないのでしょうか? ここで改めて「美味しいワイン」に影響を与える要因について教えてくれました。 ワインには「天地人」という考え方があるそうです。 天・・・天候 地・・・土壌 人・・・人がかける手間ひま 天候がいいだけでは美味しいワインはつくることはできません。 逆に、天候が悪くても「人」の力により美味しいワインを作ることも可能となります。 昔は技術が足りず、天候の影響は非常に大きい部分を占めていました。しかし、近年ではピンポイントで天気が分かるようになり、悪天候に対する対策を練ることも可能となりました。生産者の努力により「当たり年」でなくても、十分美味しいワインが楽しめるようになってきているそうです。(とは言うものの、雹害など、分かっていても防ぐことのできない天災は今でも生産者を苦しめています) まとめ 年により味わいに変化があるのがワインですが、多数収穫され、また長期熟成に向くワインに対して「当たり年」というような単語が生まれています。しかし、その年にはその年の良さがあり、生産者たちの工夫が施されています。Vintage チャートはあくまで参考に、こうした背景を複合的に判断しながらソムリエはワインを選別しているとのことです。 「最終的には、「当たり年」は味が濃い(タンニンが強い)とみるとよいかもしれないですね。評価されていない年は美味しくないのでなく、さっぱり控えめな傾向は多いかも。」 年代を飲み比べてお好みの1本を探すのもワインの楽しみ方ですね。 ・ ・ ・ 余談ですが、「当たり年」について訊くと何やら大きな本をソムリエは持ってきてくれました。タイトルは「ボルドー」。ボルドーワインについて、シャトー毎、年代毎の著者の評価が網羅されている本とのことでした。 フランスのひとつの地方のワインについてだけで、これだけ分厚い本ができあがることに、ワインとは改めて歴史があり味わい深い世界なのだということを認識させられました。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く
ワインの豆知識 2018年7月31日 高級ワイン、なぜあのワインはそんなに高いのか?ワインが高額になる7つの理由 ※画像はカリフォルニアの高級ワイン「オーパスワン」 ロマネ・コンティ/モンラッシェ/オーパスワン・・・世の中には沢山の高級ワインが存在しています。中には1本数百万円なんてものもありますが、なぜ、あのワインはそんなに高いのでしょうか? プロであるソムリエの視点からその理由について教えてもらいました。 [目次] ワインが高額になる7つの理由 ソムリエからのコメント ワインが高額になる7つの理由 当たり前のことかもしれませんが、商品の値段は製造にかかるコストと需要と供給のバランスで決まります。 ワインに関しては、以下の項目が要因になっています。 1.収穫方法 機械など使わずに人が手作業で行っている場合、人件費がかかり製造コストが上がります。ぶどうに限りませんが、ちょうどいい果実収穫のタイミングは一瞬しかありません。最高の状態で収穫するためには、ひとつひとつ目視が必要なため、手間も発生します。 2.ぶどうの木の密植度 密植度(単位面積当たりの植樹数)が高いと養分の吸収を競争しあうため、地中深くまで根をはり美味しいぶどうができると言われています。(植樹の話は、密度をあげれば良いというレベルではなく、根の張り方の考え方も栽培家により異なります。)収量をどうコントロールするかがコストに反映していくという認識をここではしてください。 3.一本あたりの実の数 美味しいぶどうを作るためには、木一本あたりの実の数を意図的に減らすことがあります。養分が分散せず集中するため、通常よりも濃いぶどうができます。当然、収穫量も減るため、実ひとつあたりのコストは大きくなります。 4.土地代 ワインに適した土壌では、産地ごとにそれぞれの格付けがされています。それらの土地代もワインの料金に反映されています。 5.輸送費 海外から日本にもってくる際の輸送代も料金に上乗せされています。 6.税金 海外のワインを日本にもってくる場合は関税が発生します。こちらもワインの料金に上乗せされています。 7.プレミア 製造原価とは関係なく、希少性やブランドイメージなどでも販売金額は変わります。そのため、販売者のマーケティング戦略によって金額も大きく変動します。 ソムリエからのコメント 上記1〜4の理由により、一般的に高級なワインの方が果実の濃縮度が上がり、味は「複雑味のあるもの」になっていく傾向があります。 また、高級なワインになると、瓶自体にも劣化を抑えるために分厚く作られていたり、偽造防止の工夫が施されていたりするそうです。(実際、高級ワインの偽物も世の中には広く流通しているとのこと。)当然、これらの瓶のコストも販売金額には上乗せされてきます。 劣化を極力防ぎ、熟成に耐えられるものにするために、「コルク」の品質も無視できません。 余談ですが、高級なワインはお店側としては売るためだけでなく、ステータスとして確保しているケースもあるんだとか。「あのワインを置いているお店なんだ」と思われること自体が格式につながるそうです。 聞き手:株式会社セレブール ゼネラルマネージャー 三沢 雄一 ソムリエに訊く