人事施策 2020年7月08日 ダイレクトリクルーティングのコツは手段の使い分けにあり 近年は採用媒体や人材紹介会社などに頼らず、企業が自ら人財を探し出し、接点を作り、獲得していく『ダイレクトリクルーティング』を行う企業が増えています。「攻めの採用」と言われるこの手法の特徴や導入時のコツについて解説します。 [目次] ダイレクトリクルーティングの特徴 ダイレクトリクルーティングのコツは手段の「使い分け」 まとめ ダイレクトリクルーティングの特徴 ダイレクトリクルーティングは従来型の採用手法と比べてどのような違いや特徴があるのでしょうか? まず、従来の採用手法では求職者の応募窓口が求人媒体企業や人材紹介会社などの外部企業です。企業は応募がないかぎり採用活動を前に進められず、「待ち続ける」ことになります。 一方、ダイレクトリクルーティングでは、企業が求める人財を自ら発掘して、ピンポイントかつダイレクトに接触を図ります。接点を持つ場も転職市場に限定されません。様々な場で求める人財を見つけだし、転職に関心のない段階であっても積極的にコンタクトするなど能動的なところが特徴です。 ただし、ダイレクトリクルーティングでは企業と個人とのコミュニケーションが「関係性の構築」から始まるため、採用プロセスが長期化することを覚悟して「ほしい人財」と接触を図る必要があります。採用担当者の業務負荷も高くなりますし、担当者のスキル、力量が問われる手法です。 ダイレクトリクルーティングのコツは手段の「使い分け」 ダイレクトリクルーティングには様々な手段があります。求める人材の層や採用担当者の人数、予算、社内体制よって適した手段を選ぶのがコツです。ここでは5種類の手段を紹介します。 手段01:オウンメディアを通した採用 自社のオウンドメディアで採用母集団の形成を図る手段です。発信する内容が求人情報に限定されないため転職を意識してもらうまで時間がかかるものの、潜在転職者層にもリーチできる手法です。オウンドメディア運営部門との協業体制の構築が必要です。 手段02:SNSの活用 Twitter、FacebookなどのSNSを通して採用する手段です。経営者、人事部門が発信者なら直接求人告知をしても自然ですし、一般社員にSNS上でオウンドメディアや公式サイトの採用頁を紹介してもらってもよいでしょう。SNS上での情報をもとに「このような企業、このような人たちと働きたい」思う層からの応募が期待できます。 手段03:自社イベントの開催 自社で主催するイベントの参加者にアプローチする手段です。イベントの内容や形式によっては優秀な潜在転職者層とのコミュニケーションをとることができます。長期的な採用母集団の形成が可能ですし、求める人財をスカウトできます。 手段04:ダイレクトリクルーティングサービスの利用 ダイレクトリクルーティングサービス企業のデータベースから求める人材を探して、スカウトメールやチャットでアプローチする手法です。コストはかかりますが採用担当者の業務負荷が軽減でき、進捗状況や人財データの一元管理も容易です。 手段05:リファラル採用 従業員に友人を紹介してもらう手法です。等身大の企業の魅力、課題などが求職者に伝わるためミスマッチが少なく、採用コストも抑制できます。ただし、従業員が企業に魅力を感じていないと効果が出にくいため、担当者の人選に留意する必要があります。 まとめ ダイレクトリクルーティングを導入する際は、複数の手法の特徴を理解して手段を使い分けましょう。どの手段も人事採用部門だけでは実行が難しいため社内の理解と協力を得ることも大切です。海外企業では採用担当者とは別に「人財発掘担当者」を置いているケースまであります。 長期的な視点で、全社で人材採用に取り組むことが、ダイレクトリクルーティングの成功につながるでしょう。 Sourcing ダイレクトリクルーティング ヘッドハンティング 採用手法
人事施策 2020年5月20日 採用のミスマッチを防げ! 現場が欲しい人材を的確に採用するために出来ること 現場で活躍できる人材の獲得は、人事採用における代表的な課題です。採用した人材が現場で活躍できなければ、真の意味で「採用活動が成功した」とはいえません。 企業は、採用活動の段階で「人材」を的確に見極めるために、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。今回は、採用のミスマッチを防ぐための3つのポイントを解説します。 [目次] 活躍する人材の共通点 採用のミスマッチを防ぐ3つのポイント 的確な人材の採用にはヘッドハンティングが向いている まとめ 活躍する人材の共通点 採用後に活躍できる人材には、いくつかの共通点があります。次に挙げるポイントは、その主だった例です。 ・業務遂行に必要な能力と経験を有している 配属先で成果を上げられる人材は、そこでの業務を円滑に進められるだけの知識やスキルを有しています。即戦力となる人材は、入社した時点でそれらを獲得しており、かつ業務遂行上の類似した職務経験のある人物、ということになります。この観点は、入社早々に活躍が期待される中途社員の採用時に必須です。 ・自身が働く企業や組織についての理解を深めようと努力している 求められる能力を有していても、固有の企業文化や組織風土に馴染めない人物は、その力を発揮できない可能性があります。活躍する人材は、そうした文化や風土の理解を深めようと取り組む意識を持っています。 ・自身の能力開発に継続的に取り組んでいる 現時点で活躍するために必要な能力も、中長期的に見て変わらずにそうであるとは限りません。継続的な活躍には、現場を取り巻く環境の変化を見越した知識の更新やスキルの向上が不可欠です。現場で活躍できる人材は、そうした能力開発に貪欲な姿勢で取り組んでいます。 採用のミスマッチを防ぐ3つのポイント 採用のミスマッチを防ぐためには、経営陣や現場責任者と共に採用活動に取り組むことが大切です。 ・「必要な能力」を採用担当者と現場責任者との間で確認する 採用担当者は、求める「能力」を定義する際に、人材採用後の配置を予定している現場の責任者と、その認識をすり合わせる必要があります。現場の見解を把握することは、ミスマッチを防止するために望ましい取り組みでしょう。なぜなら現場責任者は、業務の遂行に有効な知識、スキル、経験を最も理解しているはずだからです。 ・「相応しい価値観」を経営陣や部門長に確認する 採用担当者は、企業文化や組織風土を支える固有の価値観について、経営陣や部門長の確認を取りましょう。なぜならそこで語られる内容は、現在の理念やビジョン、経営戦略が色濃く反映されたものになるからです。そうして価値観を言語化することで、採用担当者のなかでもその理解が深まります。 ・「求める人物像」を的確に表現する 自社で働く上で「必要な能力」と「相応しい価値観」、つまりはそれに基づく「求める人物像」を的確に表現することで、マッチングの精度は高まります。 的確な人材の採用にはヘッドハンティングが向いている 現場が欲しい人材は、即戦力になることが重要です。しかし、自社が求める人材を採用するのはとても難しい現実があります。企業における実際の採用では、オープンにできないポジションの採用、スピーディーな採用が求められるケース、新規事業への進出を経営戦略としてとっていく場合などがあり、人事担当者の解決策としてヘッドハンティングが適しています。 ヘッドハンティングとは? ヘッドハンティングとは、経営幹部、高度専門職、次世代リーダー候補など自社の経営課題と直結したポジションへの適材を社外からスカウトして自社に採用することを指します。 ヘッドハンティングが有効な採用とは? オープンにできないポジションの採用やスピーディーな採用が求められるケース、新規事業への進出を経営戦略としてとっていく場合には、ヘッドハンティングが有効です。 まとめ 採用のミスマッチを防ぐためには、現場での目標達成に貢献できる人物像を定めることが第一歩となります。その際、業務の遂行に必要な知識やスキル、つまりは「能力」を整理することは、もちろん大切です。ですが、企業内に深く根付いている文化や風土といった「価値観」にフォーカスした人材要件の棚卸も、非常に重要です。3つのポイントを押さえることで、現場で活躍できる人材を獲得できる採用活動につなげていきましょう。 ヘッドハンティング ミスマッチ防止 中途採用 採用 活躍人材