コラム 2024年12月04日 次世代リーダー育成がうまくいかない根本的な原因と対策 現在、日本企業が抱える課題の一つに「リーダー不足」があります。この背景には、次世代のリーダーをうまく育成できない企業の体制や危機意識の低さがあると考えられます。実際に、およそ40代を指す「ミドルキャリア」の社員に対しては、十分な研修を行っていない企業も多く、「空白の育成地帯」という言葉とともにその現状が問題視されているのです。本記事では、日本企業でリーダー育成がうまく進んでいない現状や原因、これから企業とミドルキャリア層の社員がとるべき対策について考えます。 タレントマネジメント リーダーシップ リカレント教育 人事戦略 人材マネジメント 人材開発
コラム 2024年2月21日 残業減で注目される「越境学習」 学びの機運を高めるには 日本の企業の月間平均残業時間は、2012年の46時間と比較して22時間減り、24時間とされています。有給消化率も大幅に改善して41%から60%。働き方改革が叫ばれ始めた2014年から改善は進み、なかでも20代の残業・有休消化は劇的に改善したとのことです(オープンワーク株式会社「働きがい研究所」2021年12月16日調査レポートより)。2000年代前半と比較すれば隔世の感がありますが、会社に縛られる時間が減ったことで、自由に使える時間を活用して社員自らが自己研鑽をする意欲は高まっているのでしょうか。 ここでは、政府が推進するリカレント教育の一環で、終身雇用が崩壊するなかで定年延長に対処するには必須とされている「越境学習」について、企業での機運の高め方を考察します。 リカレント教育 人材開発 生産性向上
コラム 2024年1月09日 新規事業を生み出すフレームワーク~人事と経営の視点から 新規事業のプランを考えて、事業化する。新たな成長機会を創出したいと考えない企業はありません。ただ、その意欲がどれだけ高いか? 既存事業が順調に成長していると、危機感が薄れて先送りにしてしまう場合もあるでしょう。ゆえに、本気で新規事業に取り組もうと考える企業は既存事業の閉塞感によるものが多いかもしれません。今回は、そうした新規事業の創出を人事と経営の視点から考えてみたいと思います。 リスクマネジメント 人事戦略 人材開発 生産性向上
コラム 2023年11月09日 キャリア自律が叫ばれる時代の到来をどのように捉えればいいのか? キャリア自律(Career Self-Reliance)とは、主体的に、価値観を理解し、仕事の意味を見出し、キャリア開発の目標と計画を描き、現在や将来の社会のニーズや変化を捉え、主体的に学び続け、キャリア開発することです。 近年、企業が「キャリア自律」という言葉をつかい、重要課題であるキャリア開発に取り組んでいくことを宣言するようになりました。例えば、日清食品ホールディングス社は公募ポストの年齢制限を撤廃して、50歳以上のシニア社員でも、新たに管理職へ挑戦できるようにしました。また、厚生労働省が自律的なキャリア形成支援の模範となる取り組みを行っている企業に対して表彰する『グッドキャリア企業アワード』の事例をみていくと、キャリア自律の支援が加速してきていることが分かります。 こうした動きは大きな転換の表れだと感じます。なぜなら、これまで企業は、「社内でキャリア自律を掲げることはリスクがある」と考えてきたからです。自分のキャリアについてあまり考えて来なかった人に考える機会を促せば、結果として離職する社員が増えてしまうかもしれません。いわばパンドラの箱だと考えていたのです。 実際、とある企業の人事部長も「組織に対する帰属意識が薄れ、離職者が増えるのではないか?」と考えて、キャリア自律を叫ぶことを長らく控えてきたと話してくれました。その企業は長年、新卒採用を中心に人材確保を行い、キャリアという概念を意識させず、会社や組織に忠誠心の高い人材を重宝してきました。「このシステムこそが成功体験なので壊したくない」、「リスクになることは排除したい」このように捉えてのことなのでしょう。しかし、そのような「キャリア自律=リスク」の認識はいまだ払拭されていないにも関わらず、企業主導でキャリア自律を促す動きが出てきました。それはなぜでしょうか?また、そのような時代の変化に対して、社員はどのように向き合えばいいのでしょうか? リスクマネジメント 人事戦略 人材開発 生産性向上
HRTech 2020年9月02日 タレントマネジメントシステム導入のメリットと注意点 タレントマネジメントシステムとは、社員のスキル・知識・経験値などの情報をデータで一元管理するツールです。欧米ではマネジメント手法のひとつとして「タレントマネジメント(talent management)」という概念は以前から普及していましたが、ここ数年、日本の企業でも人材活用の観点からタレントマネジメントシステムに注目が集まっています。今回は、タレントマネジメントシステムの目的や機能、導入のメリット、注意点を紹介します。 [目次] タレントマネジメントシステムとは タレントマネジメントシステム導入のメリット タレントマネジメントシステム導入の注意点 まとめ タレントマネジメントシステムとは タレント(talent)とは、「才能」「才能ある人」という意味です。タレントマネジメントシステムは、自社のタレントである社員の採用、育成・評価、配置を適正に行い人材のパフォーマンスを最大化することで、会社の業績向上を支援するシステムです。 ・目的 タレントマネジメントシステムは、社員の能力や強み、ポテンシャルをもっとも発揮できる人材配置や教育によって、社員のモチベーションと業績の両方を向上させることが目的です。 ・基本機能 (1)プロファイル管理 社員の基本情報・能力・配属・経歴・評価面談の記録などの管理機能です。社員を特定のスキル・プロフィールで絞り込み、データの比較・分析が可能です。 (2)パフォーマンス・目標管理 人事考課などで個人が立てた目標や実績を管理する機能です。個人だけでなく部門などグループ単位での目標管理も可能です。 (3)キャリア開発管理 社員研修などの教育施策の策定や進捗管理ができる機能です。プロジェクトの立ち上げの際などに、特定スキルを学んだ人材を絞り込むことも可能です。 (4)要員計画・採用管理 職種ごとの想定人件費と会社の収益をもとに人員計画を立案する機能です。人材獲得の費用対効果を分析することも可能です。 (5)報酬管理 人事考課データや昇進・昇格などに連動して給与や賞与の自動計算を行う機能です。 タレントマネジメントシステム導入のメリット 導入のメリットを4つ紹介します。 ・人材配置の適正化 社員の適性、目標、スキル、経歴がデータベース上で一元管理され、かつ社員の成長に伴いデータが更新されるため、精度の高い最適な人材配置が可能になります。 ・計画的な人材育成 社員のスキルを個別に詳細に把握することで、同期や同部門などグループ単位ではなく個人の能力や経験、ポテンシャルに応じた育成が可能になります。 ・公平な人事評価 社員のスキルや実績がデータ上で可視化されるため、バイアスによる恣意的な評価を防ぎ、客観的で公正な人事評価が実現できます。 ・社員のモチベーションUP 社員はスキルや適性にあった業務についたり効果的な教育プログラムを受ける機会が増えます。モチベーションがアップし離職防止につながることが期待できます。 タレントマネジメントシステム導入の注意点 導入する際の注意点を紹介します。 ・目的の明確化 まず、導入目的を明確にすることが必要です。製品によって機能に差があるため、目的があいまいなまま導入すると自社が希望するデータ活用ができない可能性もあります。 ・運用体制の確立 運用体制も重要です。誰がどのようにシステムのデータを活用するかを決める必要があります。また、明確な評価指標があればこそシステム導入も成果につながります。目的と活用方法、導入フローについて社内に周知しコンセンサスを得ることが大切です。 まとめ タレントマネジメントシステムの特徴は、社員一人ひとりのプロフィールやスキル・経験などがデータとして一元管理でき、戦略的な人材マネジメントに生かせることです。システム導入にあたっては人事戦略を明確にすることが求められます。目的にあったシステムを見極め、人事管理の最適化を目指しましょう。 エンゲージメント タレントマネジメント タレントマネジメントシステム 人事評価 人材開発 適材適所