ワインの豆知識 2019年9月13日 【世界のワイン】歴史がありながら新しい!ソムリエがお勧めするクロアチアワインをご紹介! イタリアの東側、アドリア海の対岸に面した国クロアチア。北海道よりも小さな面積ですが、海、山、川と自然に恵まれながら、美しい市街地もあり、小さいながらどこをとっても絵になるヨーロッパの小さな国です。 本日はそんなクロアチアのワインをソムリエが紹介してくれました。 [目次] クロアチアワインについて イロチュキ・ポドゥルミ (ILOCK PODRUMI) クロアチアワインについて クロアチアワインの歴史は実は古く、そのルーツは紀元前に遡ります。ギリシャを経由してクロアチアに伝来され、人々はワイン文化を楽しむようになりました。しかし、紛争によってワイナリーが廃業を余儀なくされたり、もともとクロアチア自体が閉鎖的な環境だったこともあり、クロアチアワインは輸出されることは以前はほとんどありませんでした。そのため、世界的にみるとクロアチアのワインの知名度はそんなに高くありません。しかし、2013年にEUに加盟したことをきっかけに輸出が開始され、日本国内でもクロアチアワインを楽しむことができるようになり、その知名度は少しずつ上ってきています。 クロアチアワインの特徴はドイツ系のブドウ品種が多いことです。クロアチアはドイツ系貴族であるハプスブルク家に支配されていた歴史的な背景もあり、ドイツ系のブドウ品種が中心に広まりました。ドイツ系ブドウ品種は冷涼なところで作られるブドウが多く、クロアチアの気候にもとても適しています。 また、一般的に海と川に面しているところにワインの産地は多くあります。海や川などの自然環境にも恵まれているクロアチアはワインに適している国といっても過言ではありません。 海沿いのワイナリーで作られるワインは魚介系の料理との相性がよく、「クロアチアワインはお魚料理の多い和食との相性も抜群です。今後和食とクロアチアワインのペアリングは流行るかもしれないですね。」とのことでした。 イロチュキ・ポドゥルミ (ILOCKI PODRUMI) そんなクロアチアワインのなかで今回はこちらのワインを紹介してくれました。 ワイン名:イロチュキ・ポドゥルミ (ILOCKI PODRUMI) 品種:グラッシュヴィーナ クロアチア独自のブドウ品種グラッシュヴィーナから作られる白ワインです。ドナウ川の近くのワイナリーで作られています。味わいはすっきりと切れがよくドライ。川魚やサラダとの相性が抜群のワインです。暑い日にキンキンに冷やして飲むのがお勧めとのことでした。 日本に輸入されてきているクロアチアのワインはリーズナブルな価格帯がほとんどです。まだ、高級なワインはほとんど輸入されてきていないそうで、今だと赤ワインよりも白ワインの方が美味しいワインが多いそうです。 クロアチアは有名なアニメの舞台にもなっている美しい国です。その美しさは「アドリア海の真珠」という表現をされるほど。 テラスでアドリア海を思い浮かべながらクロアチアワインを楽しむことで、リゾートにいる気分を味わえるかも?!赤坂 あじる亭 Annessoではテラスでワインを楽しむこともできますので、ぜひ遊びにきてください。 聞き手 赤坂あじる亭Annesso 店長/ソムリエ 野村美紀子 <本日ご紹介したワイン> イロチュキ・ポドゥルミ (ILOCK PODRUMI) 【画像右】 4,800円 ボトル 800円 グラス 【画像左】 6,000円 ボトル <赤坂 あじる亭 Annessoからのお知らせ> ・世界26カ国のワイン 今回ご紹介したクロアチアだけでなく、現在世界26カ国のワインを取り揃えています。興味のある国などあればお気軽にソムリエにお尋ねください。 ・3種のワイン ブラインドテイスティング ワインエキスパートのテスト対策に、3種のワイン ブラインドテイスティングを1,200円で提供しています。テストを受ける方以外でもブラインドテイスティングに興味がある方はぜひソムリエにお尋ねください。 \本日紹介したワインはこちらのお店で飲めます/ 赤坂 あじる亭 Annesso 公式HP:https://celebourg.com/agiletei-annesso/ facebook:https://www.facebook.com/ajirutei.branche/ こだわり料理とソムリエが厳選したワインをバルスタイルでお楽しみ頂けます。 なるべく面白い国のワイン飲んでもらえるようにとソムリエが様々な国のワインを準備。現在、28カ国超えるワインを楽しむことができます。 ※季節により、在庫や料金に変更がある場合があります。ご了承ください。 ソムリエに訊く ワインの紹介
人事施策 2019年8月29日 自分の市場価値を定義する!エンプロイアビリティとは? 転職が当たり前になり、つい昔まで言われていた「35歳転職限界説」という言葉も過去のものになりつつあります。そんななか、自分の市場価値を定義する「エンプロイアビリティ」という言葉があるのをご存知でしょうか?今回はこの「エンプロイアビリティ」についてご紹介します。 [目次] エンプロイアビリティとは 内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティ まとめ エンプロイアビリティとは 「エンプロイアビリティ」とは、英語のEmploy(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせて作られた言葉で、「雇用される能力」のことを言います。そのため、雇用をされて働くビジネスパーソンにとっては市場価値(マーケットバリュー)とも捉えられています。 終身雇用が崩壊し、就業形態の多様化など変化が進むビジネス環境において、社内だけで通用する特定の職務への習熟ではなく、企業の枠を超えて通用する汎用度の高い能力が問われるようになってきた今、変化への適応能力や問題解決能力、イノベーション力などが重視される傾向にあります。 厚生労働省の調査では、エンプロイアビリティを次のように定義しています。 「エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究報告書」 エンプロイアビリティの定義: エンプロイアビリティは、労働市場価値を含んだ就業能力、即ち、労働市場における能力評価、能力開発目標の基準となる実践的な就業能力 具体的な能力: 1.職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの 2.協調性、積極的等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性や行動特性に係るもの 3.動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの 引用元:https://www.mhlw.go.jp/houdou/0107/h0712-2.html 上記のうち、3は個人的かつ潜在的なものであるため、具体的・客観的に評価することは困難と考えられますが、1と2については評価基準を策定することが可能と考えられています。 厚生労働省では、若年層のキャリア形成を支援するために、若者就職基礎能力や社会人基礎力をベースとしたエンプロイアビリティチェックリストというものを公開しています。 訴求力のある自己 PR 材料を洗い出すためのシートとして活用することができますので、興味のある方はぜひチェックしてみましょう。 厚生労働省:エンプロイアビリティチェックシート 内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティ エンプロイアビリティには、現在勤務している組織において継続的に雇用され続けるの能力という側面と、他社でも採用・活躍ができる能力という側面があります。 それぞれ、内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティと言われています。 内的エンプロイアビリティ:特定の組織で通用する能力 外的エンプロイアビリティ:組織を問わず通用する能力 内的エンプロイアビリティが不足していると、仮に所属している企業の業績が悪くなった場合に、リストラの候補者に挙がってしまう可能性があります。内的エンプロイアビリティを高めるには、特定の組織で必要とされる専門的な知識やノウハウなどが求められます。 一方、外的エンプロイアビリティは、企業や業種が変わっても転職できる、活躍できる能力を指しているので、市場で評価される、他の企業でも通用する能力を蓄積することが求められます。そのため、個人にとっても今後歩んでいきたいキャリアの方向性によって伸ばすべきエンプロイアビリティは変わってきます。 欧米では1980年代以降から長期雇用に代わる発展的な労使関係を構築するために外的エンプロイアビリティを高める支援を行うことが活発になっています。企業側には生産性やモチベーションの向上、優秀な人材の確保、従業員側にはマーケットでの自身の価値の維持・向上、キャリア形成というメリットが生まれ、労働市場の活性化につながっています。 日本では長らく内的エンプロイアビリティが重視されてきましたが、人材の流動化が進む現在では、外的エンプロイアビリティの重要性が認識されています。 まとめ IT技術の発展や激しい社会変化に対応していくためには、エンプロイアビリティがますます重要な能力となるでしょう。 個人は常に自身のキャリア形成を見据えたエンプロイアビリティの向上をすることを意識し、企業側にとっても従業員のエンプロイアビリティを伸ばせる環境を整えることで結果として、自社の組織パフォーマンスの向上が期待できます。
ワインの豆知識 2019年8月24日 暑い日には暑い日に適したさっぱりした白ワインを! 〜ソムリエから白ワインのご紹介 〜 赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン、オレンジワイン・・・。ワインの種類は数多くありますが、暑い日には白ワインやスパークリングワインが好まれます。しかし、一概に白ワインといっても、酸が強くキリッとした味わいの白ワインや、バニラ風味で濃厚な味わいの白ワインなど、味わいは大きく異なります。 今回は暑い日に飲みたくなる白ワインを厳選してソムリエが紹介してくれました。 暑い日に飲みたい厳選白ワイン6種 ドイツワイン:スピンドラーとファンフォルクセン 【画像左 スピンドラー】 ドイツでは有名なブドウ品種、ゲヴェルツトラミネールから作られるワインです。 パッション系フルーツのような甘みが特徴で、鑑別しやすい独特な甘みを楽しむことができます。 【画像右 ファンフォルクセン】 ドイツの王道ブドウ品種、リースリングから作られるワインです。 落ち着いた感じの中にも甘みがあり、柔らかさとフルーティさが感じられるワインです。ワインが苦手なひとにもオススメできる入門編とも言えるワインです。 オーストリアワイン:wabi-sabiとセルナー 【画像左 wabi-sab】 オーストリアではポピュラーなブドウ品種、グリューナー・ヴェルトリーナーから作られるワインです。 ほのかな甘さとフルーティさがさらっと飲みやすく、夏場にはぜひ飲んでもらいたいワインです。軽いイメージもありながら、甘過ぎず、酸もありバランスがとれているワインです。 【画像右 セルナー】 ブドウの品種はミュラー・トゥルガウとリースリング。今回ご紹介しているワインのなかで、唯一ブレンドで作られているワインです。 甘さが少なく、引き締まった味わいでスッキリした喉越しが楽しめることから、暑い日にはオススメのワインです。ミュラー・トゥルガウは初心者には聞き慣れない品種ですが、ドイツワインではよく使われている、現地では知名度の高い品種です。 フランスワイン:シャブリ 【シャブリ】 フランス ブルゴーニュ地方の北にある有名なワイン産地であるシャブリ。ブドウの品種は有名なシャルドネから作られている白ワインです。シャルドネは造り手により味が変わるのが特徴で、こちらのシャブリは木の樽は使わずステンレスタンクを使用して製造されていることから、木の匂いなどがワインにつくことがなく、より果実の味わいを楽しむことができるワインです。酸もありスッキリとしていて、柔らかい果実感を感じることができます。 ※シャブリにはランクの高いものもあり、ランクにより味わいも異なります。高いランクのシャブリはよりしっかりした味わいになるため、秋口に少し味の濃いめの料理と共に楽しむのがオススメです。 カルフォルニアワイン:アルタマリア 【アルタマリア】 カリフォルニアの南、サンタバーバラ地区で作られているワインです。ブドウの品種はソーヴィニヨン・ブラン。サンタバーバラはカリフォルニアの中では比較的冷涼な地域になり、ワインの味わいもNAPAなどのカリフォルニアワインよりもすっきりめになるのが特徴です。グレープフルーツ系の酸を感じる飲み口で、後味もすっきりとするため、まさに暑い日にちょうどいいワインです。 まとめ 今回ご紹介したように白ワインだけでも沢山の種類があり、様々な味わいを楽しむことができます。 「白ワインだけを飲み比べ、違いを楽しんでみる」そんな飲み方もオススメとのこと。 今回紹介してくれたソムリエがいるあじる亭ではグラスでの提供も可能なので、グラスで飲み比べ、季節に合う白ワイン、自分好みの白ワインを探すのも楽しそうですね。 聞き手 赤坂あじる亭 店長/ソムリエ 小巻秀人 \本日紹介したワインはこちらのお店で飲めます/ ワイン居酒屋 赤坂 あじる亭 公式HP:https://celebourg.com/agiletei/ facebook:https://www.facebook.com/ajirutei/ 赤坂見附駅徒歩2分。各地で修業を積んだシェフ達の本格欧風料理とソムリエ厳選の世界各国のワインが楽しめるワイン居酒屋です。取り扱うワインは400種以上。赤坂でもトップクラスの品揃えを誇ります。 スピンドラー ボトル 6,900円 ファンフォルクセン ボトル 6,000円 wabi-sabi ボトル 5,000円 セルナー ボトル 5500円 シャブリ ボトル 6500円 アルタマリア ボトル 6500円 ※季節によりなくなる場合があります。ご了承ください。 ※グラスで飲みたい場合も対応可能です。ソムリエにご相談ください。 ソムリエに訊く ワインの紹介
ワインの豆知識 2019年8月06日 暑い夏に飲みたい!オレンジワインとペットナットをご紹介 梅雨が終わると夏真っ盛り!暑い季節は仕事終わりのお酒も格別です。夏はビールを楽しむ人が多いかもしれませんが、夏にピッタリのワインも実は沢山あります。今回はそんな夏におすすめのワインをソムリエが紹介してくれました。 [目次] ナチュール オレンジワイン 味わいの特徴 ナチュール オレンジワイン 夏にぴったりのワインとして、次の2つのワインを紹介してくれました。 【オレンジワイン】オレンジダルダナ バイ アリアーノ 【ペットナット】JOY ジョイアンセストラル どちらもスペインバレンシア地方のワイナリー、 BODEGA CUEVA (ボデガ クエヴァ) で作られているワインです。主なブドウの品種はスペインの土着品種ダルダナとマカベオで、両ワインともナチュールのオレンジワインです。 ワイン初心者のひとはあまり聞いたことがないかもしれない、「オレンジワイン」と「ペットナット」。 オレンジワインについては、過去の記事 赤坂のソムリエに訊く!今更聞けないワインの基本、赤・白・ロゼの違いでもご紹介していますが、白ワイン用のブドウを使いながら赤ワインの手法で作るワインになります。 ペットナットとはペティアンナチュールの略です。ペティアンは泡、ナチュールは自然、つまり、ナチュールワインのスパークリングワインになります。 (ナチュールワインについては、ソムリエに訊く!ワインにおけるナチュールという言葉の真実 もご参考までに。) 味わいの特徴 酸化防止剤をあまり使わず、優しい味わいが特徴です。アルコール度数が11.5%と他のワインと比較しても低く(通常は13%前後)、カジュアルにグイグイ飲めます。そのため、暑い日にぴったりのワインで、ワイングラスで飲むというよりも、コップでガブガブ飲む人も多いそうです。 オレンジワインは作り手により、ぶどうの甘みが残る場合と残らない場合があったりと、味わいに個性がでます。BODEGA CUEVA (ボデガ クエヴァ)で作られるこのオレンジワインは、オレンジのような柑橘のニュアンスが楽しめるワインです。また、泡も優しく、すぐ消えていく雰囲気を醸しだしているところが、夏の恋を連想させたりとまさに夏に楽しむワインとしてお勧めとのことでした。 「作り手若い方々だと、新しく、見かけもかわいいワインが多いですね。今回紹介しているこのワインも見かけから涼しさを感じるデザインです。ぜひ夏の季節に楽しんでほしいワインですね。」とのことでした。 どんな料理が合うのか、ソムリエに訪ねたところ、「メダイの南蛮漬け ライム風味」を紹介してくれました。 アルコール度数が低いので、辛めの料理との相性が抜群とのことでした。 「赤坂 あじる亭 Annessoでは、他にもオススメのペティアンナチュールをボトルではなくグラスでも提供しています。グラスでも提供しているお店は少ないですよ」とのこと。 興味があるひとはぜひ赤坂 あじる亭 Annessoへ! 聞き手 赤坂あじる亭Annesso 店長/ソムリエ 野村美紀子 \本日紹介したワインはこちらのお店で飲めます/ 赤坂 あじる亭 Annesso 公式HP:https://celebourg.com/agiletei-annesso/ facebook:https://www.facebook.com/ajirutei.branche/ こだわり料理とソムリエが厳選したワインをバルスタイルでお楽しみ頂けます。 なるべく面白い国のワイン飲んでもらえるようにとソムリエが様々な国のワインを準備。現在、28カ国超えるワインを楽しむことができます。 ・オレンジダルダナ バイ アリアーノ Glass 950円 Bottle 5,900円 ・JOY ジョイアンセストラル Glass 950円 Bottle 5,900円 ※季節により、在庫や料金に変更がある場合があります。ご了承ください。 ソムリエに訊く ワインの紹介
ワインの豆知識 2019年7月23日 美味しいワインのお店で接待を成功させる方法 〜接待時の心得をソムリエが伝授〜 時に接待はビジネスを成功に導くうえで重要な役割を果たします。沢山の接待を見てきたソムリエが、うまく接待を成功させているビジネスマンのやりとりを振り返りながら、成功させるためのポイントを伝授してくれました。 [目次] 予約時のポイント 来店時のポイント まとめ 予約時のポイント 接待の成否はお店の予約時から始まっています。重要な接待をおもてなしするソムリエ側からすると、知っておきたいことは以下になるそうです。 ・予算 ・飲む量 ・好きな食材、苦手な食材 ・参加者のエピソード 予算と飲む量を予め知っておくことで、お勧めするワインや頻度などを想定することができます。ワインの金額はピンキリです。予算を知ることで高いワインを勧めていいのか、コスパの良いワインを勧めていいのか明確になります。また、予算があまりなかったり、お酒をあまり飲まなかったりする方にお酒を勧めたりするなどの無駄を省くこともできます。 また、予約時に食材に関する情報を頂ければ、コースの場合はアレルギー食品を変更することはもちろんのこと、席のみ・アラカルトでの予約の際でもおすすめできる料理が変わってくるとのことでした。 そして、可能であれば頂きたい情報が参加される方々のエピソード。どこの出身で、どんな仕事をされていて、どんなワインが好きなのか。例えばエンジニア関係でシリコンバレーに行かれたことがある人が参加者にいるならカリフォルニアワインを用意しておくなど、当日の会話が弾むような準備ができます。 来店時のポイント 当日の来店時は幹事の方とのコミュニケーションが重要になってきます。ソムリエからお願いしたいポイントは以下になります。 ・少し早めにきて、軽い打ち合わせをする ・お会計をどうするか、予め伝える ・終了したい時間や2次会の予定などを予め伝える ギリギリに来るのでなく、可能であれば幹事の方には少し早めに来て頂き、軽い打ち合わせができると当日も安心です。その際に、お会計をどうするか、終了時間やその後の予定などを共有できるとスムーズです。お会計はしばしばゲスト側が支払いにくることもあるそうですが、事前に幹事の方と支払いについて同意が取れていれば、お店側としても対応がしやすくなります。また、終了時刻や2次会の予定なども知っておくことで、料理やお酒の提供タイミング、支払い処理など計算することができます。 まとめ 予約時のポイント、来店時のポイントをご紹介しましたが、実は接待を成功させるにはお店選びの段階から始まっています。結局、お客様のおもてなしはホストとお店側のチームワークがとても大切になります。普段から気心しれたスタッフと対応することで、お客様をより一層喜ばせることができるようになります。 では、どうしたらそんなお店ができるのか? どうすればお店側に覚えてもらい仲良くなることができるのかソムリエに訊きました。 「毎月1回必ず来るお客様よりも、最初に3日連続で来たお客様のほうが記憶に残ります。懇意になるお店を作りたければ、最初の頃にまとめて行くといいですよ。」 とのことでした。 3日連続行くことでで懇意になれるのでしたらば、今から2週間後くらいの接待にも間に合うかも?! ネットで情報が溢れている昨今ですが、最終的にはリアルなつながりが重要ですね。 ソムリエやお店のスタッフと共にチームワークで良い接待を! 聞き手 赤坂あじる亭 店長/ソムリエ 小巻秀人 \本日お話を伺ったソムリエにはこちらで会えます/ ワイン居酒屋 赤坂 あじる亭 公式HP:https://celebourg.com/agiletei/ facebook:https://www.facebook.com/ajirutei/ 赤坂見附駅徒歩2分。各地で修業を積んだシェフ達の本格欧風料理とソムリエ厳選の世界各国のワインが楽しめるワイン居酒屋です。取り扱うワインは400種以上。赤坂でもトップクラスの品揃えを誇ります。 ソムリエに訊く
人事施策 2019年7月17日 欧米では当たり前!企業の持続的な成長を実現するサクセッションプランの作成 ここ数年、中小企業を中心に事業承継に関するニュースをよく耳にします。中小企業の経営者の平均年齢が高齢化しているにも関わらず、後継者が見つからないために、廃業や事業譲渡をする企業が増加してきています。しかし、できるなら会社を持続させたい経営者の方々も多いのではないでしょうか?今回は後継者問題を解決するサクセッションプランについて、ご紹介します。 [目次] サクセッションプランとは サクセッションプラン作成の7つのステップ まとめ サクセッションプランとは サクセッションプランとは、企業の「後継者育成計画(幹部候補育成計画)」のことです。 企業の持続的な成長と中長期的な企業価値 の向上を確保することを目的として、組織上の重要ポジションを定め、そのポジションに見合った後継者候補を発掘し、育成することをいいます。 企業の競争力を左右する最も重要な経営資源は、人材です。欧米企業ではサクセッションプランが企業の維持・発展の鍵を握ると考えられており、取締役会や経営層の重要な責任として認識されています。 近年、日本でも、多くの企業が後継者計画を策定することは、企業の成長や安定化のために必須であると考えるようになり、上場企業が守るべき行動原則を示した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)でも、次の社長やCEOをどのように選ぶのか早い段階から計画をつくり、選考過程の議事録を文書で残すよう企業に促す動きがでてきています。 また、将来の状況変化や不測の事態にも適切に対応できるよう、エマージェンシー・プランを含めて様々なシナリオを想定し、後継者計画に取り組んでおくことが望ましいとされています。 サクセッションプラン作成の7つのステップ サクセッションプランを進めるにあたって重要なことは、対象となるポジションに求める資質・能力・経験を明確にすることや、透明性の高いプロセスを確立することです。 経済産業省のCGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)によると、後継者計画の策定・運用に取り組むにあたっては、 7つのステップに分けて検討することが有益であるとされています。 1. 後継者計画のロードマップの立案 就任から想定される交代時期に向けて、「いつ頃、誰が、何を行うか」といった大枠の工程やスケジュールを検討し、後継者計画のロードマップを描く。 2. 「あるべき社長・CEO 像」と評価基準の策定 求められる資質(能力、経験、実績、専門性、スキル、人柄など)を議論し、できる限り明確化した上で、客観的な評価基準を定める。 3. 後継者候補の選出 「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして、後継者候補を選出する。 4. 育成計画の策定・実施 選出された候補者ごとに、「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして、目標レベルに到達するための育成課題を明確化し、育成方針・ 計画を策定・実施する。 5. 後継者候補の評価、絞込み・入替え 後継者候補の状況を定期的にモニタリングし、「あるべき社長・CEO 像」や 評価基準に照らして評価を行い、必要に応じて後継者候補の絞込みや入替えを行う。 6. 最終候補者に対する評価と後継者の指名 取組を通じて数名程度にまで絞り込まれた最終候補者について、「あるべき社長・CEO 像」や評価基準に照らして最終的な評価を行い、その中から自社の経営トップに最も相応しい候補者を後継者として指名する。 7. 指名後のサポート 就任直後から十分にパフォーマンスを発揮できるように、指名後に実際の交代までに一定 の移行期間を設け、その間に引継ぎや社内外の関係者への後継者の周知、ネットワーク作りなど、必要な準備を行うことを支援する。 ※参照元URL: https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/cgs_kenkyukai/ https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/cgs_kenkyukai/pdf/2_009_05_05.pdf まとめ 企業において、これからのリーダーとなるべき人材を中長期的視野に立って育成していくことは、その将来を大きく左右します。欧米ではサクセッションプランを重要視しており、社長やCEOだけでなく、その他の幹部ポジションまで作成する企業が増えています。 日本にもサクセッションプランの考え方は浸透してきており、大企業を中心に取り入れられてきています。しかし、実情はなかなか難しい部分もあります。ファーストリテイリングの柳井さんが代表取締役として玉塚氏を任命しながらも数年後に社長に戻ったことや、ソフトバンクの孫さんがニケシュ・アローラ氏を後継者として名指ししながらも、数年後に撤回したりと、過去には様々な出来事があります。 日本を代表するカリスマ実業家でもある孫さんや柳井さんが後継者を誰に任命するのか、今後注目ですね。 マネジメント
HRTech 2019年7月15日 自律して持続的に成長をしていく組織、ラーニング・オーガニゼーションとは? ビジネスのスピードが以前とは比較できないほど早くなり、組織も常に変化や成長を求められています。組織自体も自発的に成長をしていくことができれば、会社全体の成長スピードが飛躍的に向上します。今回はそんな成長組織のコンセプトである『ラーニング・オーガニゼーション』についてご紹介します。 [目次] ラーニング・オーガニゼーションとは 5つのディシプリン ナレッジマネジメントの重要性とツール紹介 まとめ ラーニング・オーガニゼーションとは 「ラーニング・オーガニゼーション」とは、激しい変化に組織として対応していくために、個々人の自主的な学習の促進を持続的に行い、個人の自己改革・成長とともに進化していく組織のことをいいます。「自律的に持続的な変革を行っていく力を組織内に保有する」ということが特徴で、上意下達型の指示命令を行う管理組織とは異なる組織モデルになります。 「ラーニング・オーガニゼーション」はマサチューセッツ工科大学のピーター・M・センゲ教授(Peter M.Senge)により提唱された概念で、日本では「学習する組織」と呼ばれます。1990年に『The Fifth Discipline』を出版したことで、その考えは欧米を中心に大きな注目を集めて、世界中に広まりました。 ピーター・M・センゲ教授は、お互いに学び合って、システマティックなアプローチで共通のビジョン実現を目指す組織と定義しており、その実現手段として、組織に求められる5つ能力をディシプリンとしてを挙げています。 5つのディシプリン 5つのディシプリンは具体的には以下になります。 1.システム思考(Systems Thinking):ビジネスにおいて構造的相互作用を把握する力 →各メンバーが組織内でどのような役割を担っているかを相対的に把握・認識する 2.自己マスタリー(Personal Mastery):個々のメンバーが自己を高める意志を持つ →各メンバーがそれぞれ自身の能力向上に積極的に取り組んでいく 3.メンタル・モデル(Mental Models):凝り固まったものの考え方を克服する →固定観念から脱却し、従来のやり方にとらわれずに、そのときどきの環境に適応した柔軟な思考を持つ 4.ビジョンの共有(Shared Vision):個人と組織のビジョンに整合性を持たせる →メンバーと組織が目指す共通のビジョンを設定する 5.チーム学習(Team Learning):対話を行うスキルと場を養う →組織全体で高いレベルで学び合うことを重要視する 5つのディシプリンを習得・実現することによって、所属メンバーが課題や解決策を発見するための継続的な学習を行い、チーム全体で協力・柔軟に対応することにより問題解決型の組織を作ることができることを説いています。 ラーニング・オーガニゼーションを実現するためには、企業風土や組織文化を根本から変革していくことが求められるため、簡単ではありません。経営層の強い思いとリーダーシップが求められます。 ナレッジマネジメントの重要性とツール紹介 ラーニング・オーガニゼーションを実現するポイントの一つは、ナレッジ・マネジメントです。個人や組織で保有している暗黙知を形式知化して、組織全体でナレッジを共有することで学びは促進されます。 ナレッジ・マネジメントを実施するうえでの具体的なツールをひとつご紹介します。 GURU https://www.getguru.com/ 2013年に設立されたアメリカ フィラデルフィアの会社です。 顧客にはSlackやSpotifyなど今をときめくテクノロジー企業が含まれています。 彼らの調査によると、人々のワーキングタイムの20%は情報検索に費やされいているそうです。これらの時間を削減すべく、Guruはナレッジを適切に共有することにより、必要な情報を必要なタイミングで簡単に得られるようにすることをミッションに掲げています。 大きな特徴としては、AIを使うことで、人が自分で探すよりも適切な情報をGuruが提案できるようにしていることです。Slackとも連動が可能で、連携させることでSlack内でナレッジの共有を完結させることもできます。 まとめ 人は自ら学ぶことができる動物です。 ラーニング・オーガニゼーションの構築ができれば、変化の激しい現代のビジネス環境においても、他社に負けない強い組織へと自然と進化していきます。 時代や環境に合わせて、企業が進化して勝ち残っていくためには、ラーニング・オーガニゼーションの実現が競争力を左右していきます。 マネジメント
ワインの豆知識 2019年7月04日 【ハリウッドワインシリーズ】フランシス・フォード・コッポラ監督のワイン 以前ご紹介したマリリンモンローワインに続き、今回もハリウッドのワインをご紹介します。 有名な映画監督、フランシス・フォード・コッポラ氏がワイナリーを所有していることをご存知でしょうか?1975年からワイナリーを購入し、オリジナルワインを製造しています。今回ご紹介するワインはフランシス・フォード・コッポラ氏のワインからディレクターズカットシリーズをご紹介します。 フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー ディレクターズカット ソムリエからは「味は完璧と言っていいほどのよくできたワインです」とのコメントをもらいました。 人に楽しんでもらうことを常に考える映画監督ならではの考え方はワインにもしっかり引き継がれています。特徴はそのブドウ。カリフォルニアの中でも品種によって良いブドウができる地域は変わりますが、しっかりと良い場所を選定してブドウを栽培しているそうです。画像のワインの品種はカリフォルニアの代表品種であるZINFANDEL(ジンファンデル)です。もちろん良質なブドウから作られています。 映画のワードローブをモチーフにしたラベル(エチケット)にも楽しんでもらおうとする映画監督ならではのこだわりを感じます。 よくみると、ブドウの品種によって絵が違うとのこと。 左からカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、ピノ・ノワールですが、全てモチーフが違います。パーティを彷彿とさせるお洒落で楽しい雰囲気のエチケットですね。 フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー フランシス・フォード・コッポラ監督の所有するワイナリーはお年寄りから赤ちゃんまで楽しめるような遊び心をもったワイナリーになっています。 数年前、カリフォルニアで大規模な山火事が発生したときは地域住民の避難場所にもなったそうです。来たひとを楽しませるおもてなしの心をもったワイナリーは伝統国であるヨーロッパのワイナリーとは全く違う雰囲気を楽しむことができます。 聞き手 赤坂あじる亭Annesso 店長/ソムリエ 野村美紀子 【お知らせ】 本記事に協力頂いているソムリエが店長を務める赤坂 あじる亭 Annessoが カリフォルニアワイン バイ ザ グラス プロモーション2019 にて優秀店として表彰されました!! カリフォルニアワイン協会主催のこのイベントはカルフォルニアワインのイベントでは1番有名な賞になります。 ぜひ皆様足を運び、カリフォルニアワインを楽しんでください! \本日紹介したワインはこちらのお店で飲めます/ 赤坂 あじる亭 Annesso 公式HP:https://celebourg.com/agiletei-annesso/ facebook:https://www.facebook.com/ajirutei.branche/ こだわり料理とソムリエが厳選したワインをバルスタイルでお楽しみ頂けます。 なるべく面白い国のワイン飲んでもらえるようにとソムリエが様々な国のワインを準備。現在、28カ国超えるワインを楽しむことができます。 ・フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー ディレクターズカット Bottle 7,800円 ※季節により、在庫や料金に変更がある場合があります。ご了承ください。 ソムリエに訊く ワインの紹介
ワインの豆知識 2019年6月20日 ソムリエが紹介するコスパのいいワインとは?そもそもワインのコスパってなに? 「コスパ(コストパーフォーマンス)がいいワインをください。」ソムリエにはよくこんな質問が寄せられるそうです。 そもそもワインのコスパとはどういうことでしょうか? ワインの美味しい、美味しくないは個人の好みに依る部分が大きくあります。金額だけを考えれば仕入れ値に対して売値の差が小さいほどコスパがいいということになるかもしれませんが、仕入れ値は一般消費者には公開されていません。 結局のところ、普段飲んでいるワインから個人ごとに基準が作られ、それと比較することで、コスパ(コストパーフォーマンス)がでてくるのではないでしょうか? そこで今回、日々大量のワインと向き合う赤坂のワイン居酒屋 あじる亭のソムリエがコスパという観点からお勧めのワインを紹介してくれました。基準となる金額感はあじる亭のボリュームゾーンでもあるボトルで5,000円程度のワインにしています。 [目次] PB(パンサ・ブランカ) DOMAINE FOND CROZE (ドメーヌ フォンド・クローズ) LA FLOR(ラ・フロール) 最後に PB(パンサ・ブランカ) スペイン ALTA ALELLAで製造されている白ワインです。ブドウの品種はチャレッロ。スペインの定番スパーリングワインとして有名なカヴァと同じ品種です。 生産者やブドウの品種がそこまで有名ではないこともあり、価格もリーズナブル。キリッとした味わいは暑さを感じ始めた初夏にお勧めの美味しいワインです。 DOMAINE FOND CROZE (ドメーヌ フォンド・クローズ) フランスローヌ地方でのFOND CROZEというワイナリーで製造されている赤ワインです。フランスのワインは一般的に高額と思われがちですが、産地によっては金額にばらつきもあります。今回ご紹介するこちらのワインはお値段そこそこにも関わらず、味は濃くバランスの良いワインです。 品種はグルナッシュとシラー。グルナッシュはまだマイナー品種ですが、渋みが少なく、ワイン初心者でも分かりやすく味わいを楽しめます。 LA FLOR(ラ・フロール) アルゼンチン、PULENTA WINESで製造されている赤ワインです。ブドウの品種はマルベック。あまり有名ではないかもしれませんが、有名なボルドーのシャトー・マルゴーなどでも補助用で使われていたりする知る人ぞ知る品種です。南米では有名な品種で、特にアルゼンチンといえばマルベック、と覚えている人もいるくらいです。味わいは果実感があり、タンニンが少なく飲みやすいボリューム感のあるワインです。 最後に ワインのコスパを考えるときにはやはり基準値となるような付随する情報が必要になります。 最後にどうやってコスパを判断するのかソムリエに訊いてみました。 「結局は沢山ワインを飲むしかないですね。沢山飲むことで基準が明確になり、味の違い、金額感など自分なりの価値観ができてきます。」 やはり、手っ取り早いのはプロに訊くことですね。訊く際には、普段どんなワインを飲んでいるかなど基準となり得る情報を伝えることが重要です。 ちなみに、「高くて美味しいのは当たり前、コスパのいいワインをみつけたときは感動がより大きい!」とのことでした。 今回ご紹介したワイン、ぜひ試してみてください! 聞き手 赤坂あじる亭 店長/ソムリエ 小巻秀人 \本日紹介したワインはこちらのお店で飲めます/ ワイン居酒屋 赤坂 あじる亭 公式HP:https://celebourg.com/agiletei/ facebook:https://www.facebook.com/ajirutei/ 赤坂見附駅徒歩2分。各地で修業を積んだシェフ達の本格欧風料理とソムリエ厳選の世界各国のワインが楽しめるワイン居酒屋です。取り扱うワインは400種以上。赤坂でもトップクラスの品揃えを誇ります。 PB (パンサ・ブランカ) ボトル 5,000円 DOMAINE FOND CROZE (ドメーヌ フォンド・クローズ) ボトル 5,500円 LA FLOR(ラ・フロール) ボトル 5,000円 ※季節によりなくなる場合があります。ご了承ください。 ※グラスで飲みたい場合も対応可能です。ソムリエにご相談ください。 ソムリエに訊く ワインの紹介
人事施策 2019年6月13日 コーチングのスキルをマネジメントに活かす!GROWモデルとは? 「部下が自発的に行動し、成長しながら成果を上げる」メンバーを持つ方なら誰しもが理想として考えることではないでしょうか。自発的に行動をしてもらうためには、上司であるあなたが自発的な行動を促す必要があります。今回は部下の成長を支援するコーチングのスキルでもあるGROWモデルについてご紹介します。 [目次] GROWモデルとは? コーチングとティーチングの違い GROWモデル質問例 まとめ GROWモデルとは? GROWモデルとは、上司が部下を自発的に考えさせ、行動させるための気づきと学びのサイクルを回すコーチングの基本スキルです。ビジネスコーチングを広めた権威でもある英国のJohn Whitmore(ジョン・ウィットモア)氏が開発に大きな貢献をしたと言われています。 G:Goal、R:Reality/Resource、O:Options、W:Will の頭文字からきており、 「G:Goal 目標の明確化」 「R:Reality/Resource 現実の把握/資源の発見」 「O:Options 選択肢の創造」 「W:Will 行動計画と目標達成の意志」 を表しています。 対象相手にGROWを質問を通じて明確に気づかせることを目的にしており、マネジメントだけでなく、日常的なシーンにも活用できる問題解決のプロセスです。 コーチングとティーチングの違い GROWモデルの詳細の説明をする前にコーチングとティーチングの違いをご説明します。 コーチングは、ティーチングのように相手に指示や助言を与えるのではなく、相手の自発的な行動を引き出すことで目標達成に導く手法になります。答えは相手が持っているという考えを前提に、教えるのではなく、学び成長することを手助けしていきます。 コーチングの基本ステップは、部下の認識を高め、責任を持つように支援することです。 向かうべき目標を明確にし、目標に到達するために現状をしっかり把握し、その上で考えうる選択肢を洗い出し、意志を持って取り組むように促す。これら一連のプロセスを整理し、体系化しているのがGROWモデルです。 GROWモデル質問例 コーチングでは質問を通じて、目標達成に向けて導いていきます。GROWモデルのそれぞれのプロセスにおける質問例をご紹介します。 (1) G:GOAL 目標の明確化:期待する効果やどうなっていたら良いのかを具体的にイメージする 目標を明確化する効果的な質問例 ・この仕事の目標は何ですか? ・長期的な目標は何ですか? ・目標が達成されたときに、心に描いているイメージはどのようなものですか? ・その目標に少し無理があるようなら、どんな中間目標を考えられますか? ・マイルストーンは何ですか? ・今の目標に対して、あなた自身どのような影響力を持っていますか? ・その目標はどのくらい達成可能ですか?それをどう測定しますか? 行動を促すうえで目標を明確に定め、認識させることはとても重要です。目標を納得し、理解をしているか、質問を通じて深いところまで浸透させていきましょう。 (2-1)R:REALITY 現実の把握:今どのような状態なのか事実を明確にする。また現状に対する原因や阻害要因を探る 現実を把握するための効果的な質問例 ・事実として、何が起きていますか? ・今、何が問題だと感じていますか? ・それで、今どのように状況を考えていますか? ・今、目標の何%のところまで達成できていると思いますか? ・もし、このままだと、他の人やあなた自身にどのような影響が出ますか? ・担当している仕事で、一番充実しているのはどの部分で、一番そう感じないのはどの部分ですか? 目標への現在の到達具合を聞き出す質問を通して、目標達成に必要な情報を部下から引き出しましょう。到達あるいは解決したい姿と現実のギャップを明確にし、「それがどうなれば望ましいのか」という理想の目標をさらに明確にします。特に、事柄の内容だけではなく、部下の感情を理解・把握することも大切です。現状と目標のギャップに関して部下が抱いている感情に共感すると、信頼感を得ることができます。 (2-2)R:RESOURCE 資源の発見:目標を達成するために使える「経営資源」にはどのようなものがあるか? 人、モノ、金、情報、時間を発見する 資源を発見するための効果的な質問 ・誰かそのテーマに詳しい人の力を借りられないですか? ・今までの企画書や提案書の中で使えるものはないですか? ・何かプレゼンに使えるツールはありませんか? ・営業部門から、どんな協力があったら助かりますか? ・過去の取組みから得られそうな良いヒントはないですか? ・新しい技術を使う方法はありませんか? ・他に予算を引き出せる方法はありませんか? 部下自身の内側にある資源(成功体験、得意分野、温めていたアイデア等)に気づき、それらを効果的に活用できるように質問しましょう。部下は自ら気づくことで、主体的に動くようになります。 (3)O:OPTIONS 選択肢の創造:選択肢を探す。自己選択する 選択肢を創造するための効果的な質問 ・これまで実行した中で最高の方法は何ですか? ・今まで試したことのない新しい方法はありますか? ・これまでの方法をひとひねりするとどうなりますか? ・他社では、どんなやり方をしていますか? ・もし君がお客さんだったらどうしてほしいですか? ・他に方法はありませんか? ・もし敏腕のAさんだったらどんなやり方をすると思いますか? 解決のための選択肢の検討にあたっては、いつものやり方を繰り返すのではなく、多くの選択肢を考え、検討し、その中からベストを選ぶようにしましょう。上司も一緒に考え、アイデアを引き出す、部下が出してきたどんな選択肢もすぐに否定しないことが重要です。 (4)W:WILL 行動計画と目標達成の意志:アクション・プランを作成する。実行に対する責任を持つ。測定基準を設定する 行動計画と目標達成の意志を引き出す効果的な質問 ・その目標を達成する具体的な行動計画を立ててみませんか? ・最初の活動の第1歩はどこから始めますか? ・その方針で進めるとして、いつまでにできますか? ・最終ゴールに向けて、今月末までにどこまでできますか? ・一週間以内にやるとしたら、何をしますか? ・これをやりとげたら、どんな気持ちになりますか? 目標達成のための「具体的な行動計画」を策定し、定めた目標を必ず達成する強い意志とやる気を確認しましょう。「いつまでに、これを実施しなさい」と上司が指示するのではなく、「私は、いつまでにこれをやります!」と部下に自分で宣言させて、意欲を引き出すことが大切です。 まとめ 現在、部下に対して自発的な行動を促すことができているか、確認するために以下の質問を用意しました。 ・ あなたは、部下に仕事を依頼するとき、仕事の目標(どのような状態になったらこの仕事は完了したといえるのか)について、意識して部下に考えさせていますか? ・あなたは、部下に仕事を依頼するとき、この仕事を通して部下に成長してもらおうと意識して仕事を依頼することがありますか? ・ あなたは、部下に仕事を依頼するとき、意識して部下が活用できるリソース(人、物、金、情報、時間)について考えさせていますか? これらの質問に対して、具体的な事象とともに回答ができる場合は、部下に自発的な行動を促すように接することができていることでしょう。 もし、できていない場合は、今回ご紹介したGROWモデルの活用にぜひトライしてみてください。きっと、部下が自発的に行動し、成長スピードが飛躍的に上昇します。 部下の成長は上司であるあなたの接し方が大きく影響しています。部下が自発的に行動しないとお悩みの方はぜひ自分の接し方を変えてみてはいかがでしょうか? マネジメント